「仕合わせに生活する」といってもボヤボヤしていたら奈落の底に落ちちゃう。
そこには持って生まれた自己防衛性癖が有る。
1、酒に弱い
2006年88で死んだ父親が酒がダメだった。週に2回は銀座の安クラブ・バーに通っていた。「よくもマメに行くものだ」と感心していたがウイスキーの水割りを舐めるだけ。
酒が合わない体質が遺伝し私に恩恵をもたらした。酒を飲もうと思わないのだ。無理に飲むと情緒不安定になり、さらに進むと自己嫌悪になる。これが辛い。飲まないと心身ともに健全でいられる。私には禁酒、断酒という言葉は必要ない。
2、ケチなこと
お金をチマチマ遣うと気持ちが安定する。2021年96で死んだ母親が一旦握った金は決して手放さなかった。かと言って贅沢する気もない。一緒に食事をしても母がカネを払うことはなかった。
私が「倒産もせず印刷業2代目として44年間社長をやって来れたのは自分がケチなせいだ」と本気で思っている。
10年前に業界の旅行でソウルのロッテホテルに2泊した。全然楽しくなかった。日本人の団体ツアーが「ロッテホテルに泊まる旅」の旗を先頭に集団で移動していた。「馬鹿じゃなかろか」と思った。同行の製造業者が帰国した後「もう1泊」と漢江を地下鉄で渡り小さな町の安ホテルに泊まった。目の前のスーパーでパンと牛乳を買って部屋で食べた時は沸々と仕合わせ感に満たされた。