このところ食べたいと思うものがない。品川区北品川本通り商店街の八百屋で熟れたバナナ3本100円と拳骨ほどもある立派な柿2つ(200円)を買った。双方の熟し具合から「食べたい」と思った。食欲が湧くのは暫くぶりだ。「ありがたい」と思った。
秋の味覚というのがある。本当に旨いのだ。季節の果実を味わうほど贅沢なものはない。10月に京都府丹波篠山の料理屋でマツタケのすき焼きと栗ご飯が出てきた。その時は「秋の味覚はマツタケと栗である」としばしうなずいたものだ。夢中になって食べた。 時と場所によって秋の味覚は変化する。それでも「おいしい」と思う気持ちは何よりも貴重だ