「あたしの心不全は治りますかね」「治りますよ」「どうやって」「薬ですよ。薬をちゃんと飲めば治る」「あたしもこのまま死にたくない。言われた通り薬を飲みます」「私は完治することを保証する」。
近所の高輪病院の担当医の山本内科医の一言だ。世の中にはここまで言ってくれる医者はいないだろう。私は俄かに元気づいた。吸う空気も美味しく感じた。元々このまま亡びる感じはしなかった。「どこかで回復に向かうだろう」と予感していた。しかしその保証はなかった。
昨年3月私に「心不全」と診断したのは山本さんだ。その50代の真面目な勤務医が私に言ってくれた新たな診断だ。ありがたい。
私にはまだやるべきことが一杯ある。