「印刷業とは装置産業だと思っていた」と言う大阪の印刷会社社長のメールからヒントを得た。オフセット印刷機を買換える気が全くない耕文社の社内報を見ての大阪社長の感想だ。
「それでは耕は何産業なのか」私は自問してみた。そこで思い付いたのが「自主保全産業」である。自主保全で装置を最善の状態にしておけば良品を生産できる→お客様は満足してくださるーという図式だ。
数千円の部品交換で16年前に購入したオフセット印刷機3台は滑らかに動き、新機と比べ遜色のない刷本を排出する。素晴らしい光景である。その結果金融機関からの借入はゼロになった。
毎月利益が出た分、王耕の当座預金が積み上がっている。「いくら当座が増えたからと言って運用しようと思うな。会社の金は金利ゼロの当座において置け。それが1番健全だ」と西沢良一会計士はおっしゃる。
185年動いている活版印刷機
私がいつも思い浮かべるのは185年動いているドイツの活版印刷機である。1枚ずつ印刷する古典的印刷機だが活字がヘタっていなければクッキリと立派な書面印刷ができる。185年良品を生産できるのは機長の自主保全の結果である。