月: 2024年4月

アルバイトと社員の良好関係

 野地薫契約社員(60)と製函課2アルバイトとの関係が見ていて微笑ましい。

 佐藤文昭さん(69)は「出勤するのが楽しい」。長堀雄一さん(72)は「ミニグルアーは忙しかった」とおっしゃる。野地さんは「不良が出ないように私が検査している。スピードを上げてもらいたい」と手を緩めない。

 野地さんが1人で製函課手加工をやっていたときは効率が上がらずてんてこ舞いだった。お2人が入社され手加工スピードは4倍になった。今まで2時間かかっていたミニグル手貼りが30分で完了するようになった。野地グループは「何でも御座れ」の空気になった。

 しかし「良品を作りたい」という野地さんの厳しい姿勢に変わりはない。お2人も上司である野地さんの意を汲んで努力してくださっている。

 私は毎日3人の伝言板を対比して読むのが楽しみだ。

鉄道収入%の1番少ない東急

 反対に%が1番多いのが京成だ。鉄道収入は安定収入として確保しつつ他分野の収入を増やすのが甲斐性というものだ。その点京成は芸がない。最近はディズニーランド株の放出の話まで出ている。

 基幹交通を握っている強味から土地開発、店舗、エンタメと生活全般に収入源を増やしていくのが鉄道会社の甲斐性だ。東急は渋谷エリアの開発、新宿歌舞伎町に巨大エンタメビルを作った。

 松竹は売上げの30%超を歌舞伎興行で占めると×としている。他分野で売上を増やすべきというのが松竹社の方針だからだ。でもなかなか増えない。

 王耕にしても耕はオフセット印刷からの脱却、王は超大量製箱への移行があるべき姿だ。ではどうするべきなのか。現実的課題として正面から取り組む価値がある。

 だからと言って眠らずに一晩中考える必要はない。アイデアで勝負だ。ふとした思いつきから壮大な売上品目を形成することは可能だ。例えば①奇抜なデザイン力②見本の高品質化ーを目指すのも面白い。社会の先端を行く意外性あるデザイン、製品と見間違うほどの豪華な見本をいとも簡単にお客様に提出する耕生産部―は実現不可能な話ではない。

累計を入れない魔術

 伝言板の実績数字記入欄がいつの間にか前日だけの数字になっている。単日の売上を記入して日銭達成・未達を書いても傾向が分からない。

 必要なのは①塁目標②塁実績③前年数字-である。王配送、耕管理課がその悪い例だ。故意に①-③を外しているのは「自らの現実の姿を見まい」とする目隠し動作である。

 実績数字記入欄のフォーマットは本日(4/25)中に更新させる。

検査者がデザイナー褒める

 4/24(水)の伝言板によると小林宗一検査者(63)が古田菜月デザイナーの作品を検査して「技術がかなり向上した」と評価していた。

 小林さんに聞くと「古田さんのお客様赤字の修正ミスがなくなった。この半年間修正ミスゼロだ。自分で検査しているせいだろう」。

 小林さんの1節を読んで私はとても嬉しかった。先輩社員がつい言葉にした気持ちは貴重だ。

 ビジネス生活で最後に残るものは技術だ。技術の積み上げによってその人は次のステージに行く。ものの見方がガラリと変わってくる。本人が1番その快感に浸れる。

毎日新聞社の懐かし飲食フロアー

 4/23アジア調査会の講演を聞く前、毎日新聞社B1の飲食フロアーを歩いた。ここは50年前、整理本部に勤務中、夕に仕事に入る前先輩記者達と連日食事をしたところだ。

 整理とは来た記事に見出しを付け1頁にレイアウトする仕事だ。当時まともに記事が書けなかった私は整理に異動になって整理でも上手くいかず悶々としていた。その苦しい時期に通った食堂街だ。

 自律神経失調症気味だった私は2年半整理本部に居て29歳で毎日を退職し親のやっている印刷会社・㈱耕文社にもぐりこんだ。

  47年後、私は76歳。王耕は借入ゼロ。自身、経営のアイデアは次々に湧いてくる仕合せな日々を送っている。この日ニュートーキョーで食べたカレーは千切りのキャベツが沢山乗って旨かった。

白いネット帽で歩き回る

 4/16(火)静岡市市民ホールの徳川家臣団大会の講演会場から宴会場の浮月楼に行く途中、歩道で後ろに倒れてしまった。浮月楼は徳川慶喜15代将軍の屋敷跡の料亭。

 血だらけになり救急車で静岡赤十字病院に運ばれ後頭部を1か所縫ってもらった。頭は包帯で巻かれ白いネット帽をかぶらされた。このため大会の宴会には欠席。残念なことをした。

 白いネット帽は傍から見ると目立つが、被っている本人はさして気にならない。平気で街中をうろうろできる。

 今回の教訓=フラフラになったら路上にへたり込むーである。

 無理して立っていようとしてバタンと倒れるのは危険だ。路上に寝てしまってもよい。まずしゃがんで道路に手をつき安全に倒れるようにする。

 転んで6日後の4/22(月)第三北品川病院で抜糸してもらった。ようやく頭を洗えた。

2機高度を㍍で分けろ

 海上自衛隊のヘリが鳥島沖の海上で衝突した。潜水艦探知のためとはいえ2機が同じ高度で飛べば衝突の危険は100倍に達する。

 例えば複数機で行動するときは各機の飛行高度を決めて探索することはなかったのか。高度差を50㍍保ってもいい。いくら自衛隊とはいえ自機の安全が最優先されるべきだ。安全飛行の前提でこそ防衛活動を行える。

 私の性癖からつい再発防止策を考えてしまう。事故防止のための飛行訓練であったはずだ。

 私は23歳の時、神奈川県山北の水害に取材に行った。行きは毎日新聞横浜支局の古い日産セドリックで行ったが帰りは自衛隊のヘリコプターで街中まで送ってもらった。初めてのヘリ乗機で余りに大きい左右の傾きと高度の上下移動に必死に機にしがみついていた記憶がある。

 「ヘリコプターとはこんなに自由に空を飛べるものか」と驚いたものだ。ソナー探知であれば高度を保って安定的に飛行するのが訓練ではないか。なにも2機が同じ高度で飛ぶ必要はない。危ない。

足元固めるのが企業強化のコツ

 強くなった日本製鉄が注目されている。橋本英二前社長のやった①高炉削減、②高品質鉄鋼の値上げーが大幅な損益改善になった。利益を確保できると次のことに手を出し始めた。USスチールの買収である。

 歴代社長は①外国企業との提携②社内空気の改善ーなどやったと言っているが、どれもピント外れだ。社の損益の改善だけをやればいい。利益さえ出れば次への方針も生まれてくる。

 橋本前社長はピントの合った目標に向かって1つ1つクリアーしていった。多くのことをやる必要はない。利益の出る体制さえ作ればいいのである。

印刷業界は「これじゃダメだ」

 印刷業界各社の情報盛り沢山の月刊誌を見ていつも思うことだ。

 ポイントは①直請け ②下請けかーである。99%の業者さんが②下請けで売上増を目指している。これは利益増に結び付かない。加工単価が発注者さんに握られているからだ。

 言われた単価で受注しても利益は出ない。「当社の単価は○○円です。それでお願いいたします」と言って通らなければ撤退すればいい。

 ここで改めて①直請け ②下請けーの定義をする。

①直請け=単価決定権が請負業者にある。

②下請け= 〃    発注者にある。

受注体制を②から①に変更しなければ利益出る会社は作れない。

王の受取手形は現在2枚

 驚いた。王子段ボール㈱の受取手形は社内金庫に2枚(①額面26万円、落ち日4/30 ②18.7万円、4/30

)になってしまった。2012年王子買収時は80%が手形回収であった。余りの良い方向への進展につい頬が綻(ほころ)んでしまう。

 「段ボール箱なんざ現金で買うものだ」とうそぶいている私だが、実際に前金で買ってくださるお客様は神様だ。

 王は前金のお客様が927社中172社ある。実に18.5%のお客様が前金で段ボール箱を買ってくださっている。

 耕のお客様895社のうち前金は4%の36社だ。この差は王の方が与信管理が進んでいるということだ。

 100万円売上たら100万円回収するのが商売の鉄則だ。鉄則が王の方が進んでいる。その分私は枕を高くして寝られる。

5年間ポイント未使用

 午前5時過ぎ五反田マルエツで売れ残り3割引き菓子パンと牛乳を買って会社で食べるのが私の朝食である。

 五反田で早朝開いているスーパーはマルエツぐらいで週2回4,000円ほど買い物をしてきた。

 ポイントは1年経つたびに消えていくと初めて知った。年で100回買物をしたとして年20万円遣っていた。20万円×5年=100万円のポイント未使用だった。

 「ポイントなんか問題にしていない」と偉ぶっていたのがいけなかった。「大変無駄なことをした」と反省した。気づいたら吉日だ。これからは小まめにポイントを使うことにした。

9年ぶり黒字化したさいか屋

 日経MJ(4/12)によると川崎、横須賀に店舗を持つ百貨店さいか屋が健康食品大手AFCに買収され3年目に黒字化した。売上は200億円→50億円に下がったが2024予測では10億円近い黒字を計上できる。

 浅山忠彦AFG会長(82)の口癖は「1等地にあって顧客基盤があるから儲からない訳がない」という。

 私が毎日新聞に入って3年目26歳の時に神奈川県立横須賀高校の連載をやった。進学校だった横校の卒業生に岡本伝之助(1896-1982)元さいか屋2代目社長がおり、葉山のご自宅に伺った。

 広い応接間、和服姿で現れた岡本さんは物静かな紳士であった。まるで別世界に迷い込んだような気分になり私の取材も上滑り気味だった。後日自宅に岡本さんから電話が入り「当時の記憶が違っていた。私は応援をしていただけだ。主役ではない」と横校でやった催しの訂正連絡が入ったのには感激した。

 横須賀、川崎に行くたびにさいか屋ビルを見上げながら「頑張れ、立ち直れ」と心で叫んできた。どんな形であれさいか屋の看板で黒字化したことはとてつもなく嬉しいことだ。

業者減少で来る仕事増える

 印刷業者の減少が続いている。かつての「仕事の奪い合い」よりも「やる所がないから請けてくれ」といった話を耳にするようになった。ありがたいご時世になったものだ。

 印刷発注担当者様の使用業者数が限定されてきたことで王耕営業は多少気持ちに余裕をもってお客様に応対できるようになった。大日本印刷と凸版がオフセット印刷から大幅に身を引いたことが大きい。

 ただし王耕最大の特徴「スピード応対」はいささかも変更なしである。

 福田さん担当のシャルマン様発注のプラスチック段ボールは10色あるうちの3色で作ることが決まった。お客様の選定である。この通称「プラ段」は栃木県の外注さんの大橋紙器さんに丸投げだが王の立派な営業品目になりつつある。

 環境は王耕にプラスに動いているが、王耕社員は決して手を緩めてはいけない。「これでもか これでもか」とスピード応対に磨きをかけていかなければいけない。

アジア時報請負って47年

 私が毎日新聞社を退職したのが1977年8月31日。当時仕事が上手くいっていなかった私は父親のやっている印刷会社㈱耕文社に拾ってもらい新規開拓の飛び込み営業をやっていた。

 新聞社の先輩から「アジア調査会が新しい印刷会社を探している」という連絡をもらった。1も2もなく手を挙げて「大変名誉なこと」としてお請けした。以来47年。この間時報を読むことはなかった。最近になってにわかに論文に興味を持ち出した。面白い。

 知っている記者から教わったニュースソース(情報源)を加味しつつ読むと論文が躍動しているように思えてくる。論文は発言と違って責任を伴う。書かれたことは検証しやすくいつまでも残る。筆者が責任を持った文章は重みがある。

 翻って王耕の伝言板は書き放題、書き得の欄である。特に内容に責任追及されることもない。社員の文章作成能力は確実に上がっている。これは嬉しい成果だ。

 一方、アジア時報は専門家の論文集だ。重みのある月刊誌の編集・印刷をさせてもらっている。やっぱり名誉ある仕事である。

上乗せアイデアが面白い

 耕で菊全判4色オフセット印刷機2台のうち1台を売却する計画が進んでいた。これに対し売却は半裁機にした方がいいという案が出てきた。それぞれには理由があって話を聞くだけでためになった。

 アイデアとは1発勝負ではない。反対意見も出て、練りに練った結論が出れば大成功だ。

 問題は最初のアイデアが出るかどうかなのだ。この場合耕にある3台の4色オフセット印刷機のうち1台を減らすーというのが最初のアイデアであった。「そういう手もあったのか」と思わせるアイデアであれば十分に価値がある。

 最終目的は毎月大赤字の印刷課の利益出しだ。アイデアの決定を1週内でやれれば合格である。

価値ある役員外出席者

 役員会に10人ほどの役員でない人の出席をお願いしている。これは会社に不満・提案を持った人が出席して思いのたけを発言してもらうためのものだ。

 4/5(金)新任課長の前田猛さんが出席して「私は係係長(職位手当1万円)だったが課長(職位手当5万円プラス管理職手当3万円)に昇進して7万円昇給すると思っていたら3万円しか上がらなかった。これはどういうことか」と詰問があった。これは上司の澤本工場長の感違いですぐ修正することになった。

 このように社員の不満が噴出する場になればいい。不満が表に出る場は大事だ。その場で解決できる。

 そこで重要なのが議事録に残すことだ。「解決したから」と言って議事録から外してしまうと痕跡が残らない。1カ月経つと「会社の不備の実録」が忘れ去られて行く。これでは役員会を開いた意味が無くなってしまう。

 私にとって役員会が突拍子のない提案・意見の出る場になればますます価値ある会議になっていく。

冷や奴、もずく酢が旨い

 食べたいものが無くなっている昨今だが、「冷や奴を食べたい」と思いながら帰宅することが多い。スーパーで買った小分けした豆腐に醤油をかけて食べると大豆の香りが立ち上ってきて一層食欲を引き立てる。絹漉でも木綿でもどちらでもいい。調理の手間はゼロ。噛んだ時の感触がいい。

 更にもずく酢のパックを開けて水を飲むように流し込む。酢の香りがいい。胸が下りる思いがする。

 食べていると止まらなくなる。冷や奴3パック、もずく酢4パックと流し込む。旨いと思う。たった2つだけだが食べたいものができたのは生活に張りができた。

安値販売は続かない

 商売の道筋には①安値大量販売 ②適正価格販売ーの2つがある。この場合の正しい道は②である。②で売るにはお客様に納得してもらわないと在庫の山になってしまう。

 プリントパック社さんが名刺100枚480円で販売してそれがどれほどの利益につながるか。100人に売ったとして480円×100人=48,000円。これでは利益は出ない。

 安値販売は続かないーの言葉に帰るべきだ。少しずつ価格UP にもっていく 努力が必要だ。安値大量販売の1番悪い点は社員が疲れ果ててしまうことだ。購買者も480円にはこだわらないだろう。100枚=1,000円でもいいと思っている人も多いかもしれない。

 なにも自分から安値を言い出して自分を縛る必要はない。

方策は

  • サービスの上積み
  • 価格UP

に力を入れるべきだ。

外注さんに負担掛けないの②止

 ニデック(旧日本電産)子会社が型600個を10年外注保管させている問題は発注者側が「自分が改善する」という強い意思がないと進展しない。

 耕文社が外注さんに保管をお願いしている型は6社で、1社当たり254―32個だ。うち1社は「近々廃業する」という。戻された型を見て担当課員は「要らない型が多いのには驚いた」という。要するに外注さんの型保管には全く無関心だった。

 改善策は2年に1回、期日を決めて型を引揚げて不要な型は管理課員が廃棄、使う型だけ外注さんに戻すーことにした。少しでも外注さんのお役に立つことであれば実行する意味がある。