タクシーの運転手さんの言ったことである。私の出勤はタクシー1,200円だ。品川駅から電車で来ると大崎駅から10分歩くのが面倒なためだ。
タクシーに乗るとおしゃべりな私はまず自分のことをしゃべる。「心不全だから足元がふらつく。年のせいか食べたいものがなくなってきた。最近旨いと思うのはコンビニで買ったお握りだ」。
「私は女房が持たせてくれる握り飯が1番旨い。海苔が多めに包んである。なんで握り飯はあんなに旨いのか分からない」と運転手さん。「その通り。お握りは旨い。76歳になって食べたいものが急に減ってくる。お握りに助けられている」私。
兎も角こちらが声掛けすれば運転手さんは応えてくれる。嫌なら無視してくれて結構。
会話には老若男女はない。私は誰彼構わず話し掛ける。運転手さんは最後すっきりしたような表情で「ありがとうございます」とおっしゃる。