これには驚いた。2024.1月に金融機関からの借入ゼロになった王耕は鉦や太鼓をたたいて喜んだ。「現預金がいくら貯まったとはいえ株や債券で運用すべきではない」という西沢良一顧問会計士の指導により当座預金にチマチマ貯めている。現在の王耕合わせた現預金残は3億円である。一方アスクルは桁違いの580億円である。
現金を貯めるのは代表の性格による。貯める人間は貯め、貯められない人間はいつもスッカラカンだ。貯っていく過程は周りには分からない。アスクルは「いつの間にか現金残が580億円になった」という感じだろう。
アスクルは現金の使い道を①倉庫建設 ②営業所開設など挙げているが580億円に比べれば掛かる費用はたかが知れている。現社長のもとでは「出金(でがね)は最小限に抑制され」結局は更に現預金は増え続けるであろう。
そこが面白いところだ。社員は血を吐くような努力をしている訳ではない。すべてが「いつもの通りにやっていると現金は増え続けてしまう」結果になる。
昔から思っていたことは「世の中には①土地を買う人と②売る人の2種類しかいない。自分はどっちに入るか」。こう設問してきた。
しかし問題はそれ以前にあった。印刷業から利益が出ないのだ。どうやったら利益が出るようになるのか分からなかった。利益が出ないから借金返済の自信もない。幹線道路沿いに土地を買う決断もできなかった。