月: 2024年8月

ゴム長靴で出勤

 台風10号の接近で8/30 ゴム長靴を引っ張り出して出勤した。「今時ゴム長靴で歩いているのはヤッチャ場ぐらいですよ」と人は言う。しかし私はゴム長靴を履く機会を虎視眈々と狙っている。「今日がその日だ」と思い勇んで履いた。

 北国の雪の多い地方で1番安全な履物はゴム長靴だ。靴の裏の切込みが深いので滑らない。ファッションよりも安全の方が優先する。歩幅を狭くしてチョコチョコと地面を見ながら雪道を歩く姿は素朴でいい。いかにも「生活している」という感じがする。

 最近は丈の短い普通の通勤靴のような雨靴を見かける。これでは雨雪に対抗する効果が出ない。やはり豪雨・大雪にはゴム長靴が最適である。

耕営業品目首位がPOPに

 何十年と営業品目の首位 はカタログだった。6,7,8月の売上を集計したらPOPが7200万円、カタログが7000万円で首位交代した。これは途轍もなく良いことである。

 マーケットはカタログ・出版印刷が減り続けている。これを乗越えるには営業品目を替えないといけない。減るものを一生懸命に追いかけても無駄な努力である。

 お客様に「斬新なPOPが欲しい」と言われたらデザイナーは目立つPOPを提案する。工場は驚くような短納期で作り上げて納品すればいい。そうすればお客様は「また耕文社を使おう」と考えてくれる。商売の面白味はそんなところにある。

 POPはオフセット印刷機ではなくオンデマンド印刷機で印刷することが多い。少部数で微妙な色使いができるからだ。8月中旬に耕は菊全4色機を売却した。停止している設備を無くすためだ。

 現在、新聞社の輪転機が販売部数減のためフルに動いていない。私だったら輪転機の台数を減らす。会計上どんなに損失が出ようとも、まず設備を減らすことが社員が健康的に働けるようになる第1条件だ。

 POP首位になった耕はためらうことなくPOPの更なる売上増を図ればよい。

御徒町は快い街

 快い理由は松坂屋上野店があることだ。空襲の被害も軽微であったため戦前の建物に古色蒼然たる売り場がある。歩いているのは年寄りばかり。デパートの階段の縁に座っているだけで心が落ち着く。

 8/26 近くの吉池ビル7階にあるユザワヤでズボンを作ったので受け取りに行った。担当者がいないため出来上がったズボンがどこにあるか分からず無駄足だった。

 私はユザワヤで背広、Yシャツ、ズボンを作っている。縫い目がしっかりしていて頑丈だからだ。最近は人員削減で担当が居なくて不便なことが多いが店内で材料を物色している裁縫好きな婦人たちを見ているだけで気分がいい。

 松坂屋地下で今川焼を2つ買って食べ、果物ジュースを飲み、隣の吉池で出している路面小屋で氷イチゴを食べ大満足の御徒町駅前のひと時であった。

日本政策金融公庫をHPから外した

 長いことお世話になってきた日本政策金融公庫東京支店を王耕HPの会社概要・取引金融機関から外した。

 理由は同公庫が「小粒の会社相手の融資が仕事だ」と言われたからだ。言ったのは年売上400億円の建設会社役員。耕文社の年9億円の売上と比較したら40倍だ。その建設会社は日本政策投資銀行と付き合っているという。投資銀行の前身は日本開発銀行と分かって「なるほど」と思った。

 お金を貸してくれる銀行に対し借りる方が格付けするのもおかしな話だが、とりあえず王耕の取引金融機関は①みずほ銀行五反田支店 ②商工中金大森支店の2行にまとまった。

 決済はみずほ1行だけだ。1行の1日の出入金を確認するだけで経理日報は作れる。経理担当は楽だし間違いが発生しにくい。商工中金は特にお願いすることはないが「イザ」という時に手を差し伸べてくれる銀行だ。

 なお耕の本社敷地と建物は政策金融公庫の担保に入っている。

サンドイッチマンに笑いのヒントある

 関西大学で開かれた日本笑い学会全国大会に8/24参加した。学会は創立30年を迎え会員数は全国で550人。笑うことで健康的な生活をしたいと思っている人たちの集まりだ。本部が大阪市にあるため催事も関西が多いのが魅力だ。

 私は11年前65歳の時に入会した。当時交際範囲が広がらないので最初は「地名研究会」に入ろうと思って探したが適当な会が見当たらず第2候補の「笑い」をテーマにした笑い学会に入会した。

 笑いとは難しいものである。腹の底から笑えなければ駄目だ。サンドイッチマンは笑える。1日に3回はUチューブでサンドイッチマンのコントを見ている。

 見ているうちに笑いを引き出す基本原則が思い浮かんできた。

①キャラある人でないとだめだ。

 漫才・コントの台本を書いている富澤たけしは自分の相方は「面白いキャラを持っている伊達みきお以外ない」と思い、その気のない伊達の心変わりを3年も待った。伊達の父親は仙台1の地銀七十七銀行の行員。

②発言は言語明瞭に。

 発言は、ドモっても言い間違えてもいけない。サンドイッチマンに不明瞭な発言はない。大声でかなり練習してきたはずだ。

③台本は富澤が書く。

 演者が台本を書ければ話の範囲はグッーと広がる。危険用語も下ネタもOKだ。健康的に演じれば不潔さは残らない。

④話の導入法が決めてある。

 「○○やっている時が1番興奮するね」は○○を変えるだけで話はいくらでもできる。

 笑い学会では「サンドイッチマンを勉強すれば笑いのヒントは見つかる」と言いたかったが、よそ者の私は懇親会でも終始仏頂面で黙っていた。

伊達政宗の殉死者は18人

 2024.8.22、3日間の仙台訪問の最終日、伊達政宗を祀った仙台市青葉区の瑞鳳殿に初めて行った。廟の周りには18の石碑があり60歳で死んだ政宗の家臣の殉死者の碑だった。政宗が開明藩主と思っていた私にはちょっとした衝撃だった。

 当時としては当然の殉死であっただろうが政宗は生前「殉死は不用」と言えなかったのか。

 重臣の長男が38歳で死んだ時、政宗は切々と哀悼の長い手紙を重臣に送っている。津波が仙台平野を襲った時は米作復興の先頭に立ち海水が米作に弊害にならないのが分かり仙台藩が江戸への有力な米供給基地にした。

 それほどの人が「殉死は不用」と言わなかった。気の毒なのは家臣だ。殿様が死ぬと自分まで死ななければいけないーとはなんとも切ない宿命である。

 殉死の決まりは江戸中期に廃止となった。

助成金は麻薬

 「魅力ある職場づくり支援助成」など品川区で新たに公表した助成事業が8つある。この他、都のIT化推進助成など1億円を超える大型助成はすでにある。

 当社=㈱耕文社、王子段ボール㈱=はここ10年間、これらの助成を1件も受けていない。理由は①手続きが面倒だ。②助成慣れしてしまうのが怖い。③メーカーから正規価格で買うのが馬鹿々々しい-からである。

 年に1億円以上の助成を受けて設備を買っている印刷会社社長が私に受けるコツを教えてくれた。「申請書にグラフと表、それにカラー写真を付けると助成当選率がグッと上がる」。その社長は「余計な機械を買ってしまったことが何回かある」と自戒していた。

 問題はそこだ。稼働しない設備を工場に置いてはいけない。全設備がフル稼働してこそ優良工場なのだ。設備は少なめの方が良い。「助成が受けられる」と思えばどうしても設備過剰になってしまう。

 当社は設備が足りない状態で社員はどうにか精神的安定を保っている。「機械が欲しい」と言ってくれば私は「手でやれ」という。当社は健全企業だ。

野菜を摂るならタイ料理

 8/16目黒区下目黒1のタイ料理「バンコックオリエンタル」に昼食で入った。この日は台風7号が来て雨模様だったが俄かに「トムヤンクンを食べたい」と思い権之助坂の途中にある店に飛び込んだ。

 バイキングで1人1750円。肉料理は少なく野菜の沢山入った大皿料理が多かった。おかずを取り集めてみるとパクチイをはじめ結構野菜の種類も多い。

 「老人は野菜だけ食べていればいい」と日ごろ思っているが1日の摂取量はそれほどでもない。「これでは長生きできない」と諦めていた。

 打開策が見つかった。「タイ料理を食べればいい」。都内にはタイ料理の名店が多い。例えば北千住の宿場通りにある。あそこのトムヤンクンは絶品だ。週2回の昼食タイ料理で私の栄養のバランスはとれそうだ。

声の大きな社員は優秀

 最近、声の大きな社員と蚊の鳴くような声の社員と比較するようになった。結論から言えば声が大きいことはマイナス面ゼロである。

 声の小さい社員はボロボロ悪い点が出てくる。    

①アイデアがない。

②善悪の判断を表明しない。

③自分のやったことに自信を持っていないーだ。

全く使いものにならない社員像が出てくる。

 それでは小声の社員はどうしたらいいのか。簡単である。無理して大声でしゃべればいい。芝居をしているつもりでやるといい。ひたすら大声を出し続ければいつの間にかそれが通常の姿になる。私が好例だ。自信のなさそうなオジサンが大声を出すだけで如何にも「腹に一物ある男」に変身できたのだ。

 気が挫けて如何にも自信無げな男に戻りそうになったら、また大きな声を張り上げればいい。大声を出すだけでまた復調する。

切実な思いで受ける銀行借入

 銀行からの借金がゼロになって私はタガが外れてしまった。いわゆる「お金の有難味」が分からない状態になってしまった。

 切実な思いでお金を借りている他の事業主とは話の波長が合わない。「私が支店の行事に出るのは借金があるからですよ」とおっしゃるが、私は「融資先の皆さんと会えるのが楽しいからだ」というレベルだ。すべてが遊び半分なのだ。恐ろしいことである。

 それでも日々お金がかからない方法を模索している。これは性分のせいだ。どんな状況になろうがスーパーに行けば1日経った30%引きの菓子パンばかりを買い物籠に入れる。

 ここ8ヶ月売ったもの 買ったものは以下の通りだ。

2024.1.1以降 買った物、売った物
買った物売った物万円
1エアコン10台 耕5601菊全4Cオフ
セット印刷機 耕
3,500
2印刷機冷却機 耕98
3LAN工事    耕82
4パソコン入替 耕827
       王357
 1,924

 いずれも職場環境改善とIT化推進のために買ったものだ。決して惜しくはない。菊全4Cオフセット機は止まっている印刷機を無くすための売却だ。

墓参りすると気持ち良くなった

 恐ろしいことである。高齢化と共に墓参りが嬉しい行事になってきた。8/13 文京区白山の日蓮宗蓮華寺の墓に参った。ここには父母と父の父母の骨がある。

 父の母が晩年、一緒に墓参りに行くと墓地の中で祖母の足が途端に速くなる光景を見ていた。「死期が近づくとああなるのか」と孫の私は眺めていた。

 96で3年前に亡くなった母も祖母ほどではないが張り切って墓参していた。帰りには近くの焼き肉屋でランチを食べるのが恒例だった。

 人生順繰りである。私はいくつまで元気でいられるか。分からない。

新規・事故表は12か月表示

 お客様・外注さん開拓、事故報告書を12か月表示することにした。理由は社員の12か月のプラスの結果、マイナスの事実を残しておきたいからだ。

 外注さん新規開拓の実績が12か月表示されれば開拓者の功績が12か月は社員の目に触れることになる。事故発生者は12か月間表に載り続けることでその間抜けさを指弾され続ける。

 全体朝礼・日銭朝会資料がすべて単月の結果報告に終ってはいけない。褒め称えるものは12か月間称え、反省を促すものは12か月反省させなければならない。

 全体朝礼、日銭朝会のフォーマットを微改善することで私が表で知らしめたいことを印象付けたい。

レコードで音楽聞く喫茶

 渋谷区渋谷3の金王神社の鳥居の前の通りにあるRECOCOという店に8/8入った。2人掛けのテーブルにはレコードプレーヤーがありヘッドホンが2つあった。ジャケットの棚から好きなものを持ってきて聞くシステムだ。料金は飲み物込みで1人3,000円。

 私はビートルズを持ってきて聞いた。音の良さに驚いた。「ビートルズの音楽はこういうものだったのか」。伴奏がいい。歌声もマイルドだ。8曲ほど聞いたが飽きない。

 店内は若い女ばかりだ。76の爺さんが1人ポツネンとヘッドホンをつけているのは哀れさを感じるだろう。

 この店に入ったのは便意をもようしたためだ。どこでもよかった。便所を出た後だから一層ビートルズをゆっくり鑑賞できた。

 街中を歩いていると意外なものにぶつかる。「こんなの初めてだ」というところにわざわざ入ると新しい感動に巡り合える。

オンデがCTP売上超える

 8/6のオンデマンド印刷が28万円(仕事11件)CTP売上が23万円(10件)だった。オンデが増えると印刷マーケット縮小の波をかわすことができる。耕が救われる道はオンデマンド印刷の売上を増やすことだ。

 オンデの仕事はシール、POP、特殊紙の少部数納品などある。CTPでは色校正を取って校正紙を製品として「5部納品」といったケースもある。需要の少部数化の流れに合わせて生産体制を整備して行けば間違いない。オフセット印刷による大量部数生産の時代は過ぎた。

 ポリプロピレンなどの特殊素材に10部ほど印刷する仕事が来れば嬉しい。無くならない印刷物であると同時に耕が作れる種類が増えることになるからだ。

ラジオ体操は猿股1丁がいい

 6:30からラジオ体操をやっている。どうも服が邪魔だ。そこで猿股1丁でやるようにした。これで実に快適に体が動く。出勤社員のいない営業部の真ん中でやる。

 私はラジオ体操第1と首の運動までをやる。第2はやらない。面倒だからだ。首の運動は重要だ。頭への血行は命綱だ。

 私は56歳の時50肩で苦しんだ。どうやっても左腕の付け根が痛い。自転車通勤時に腕を振り回したり、寝ながら筋を伸ばす運動をしてもダメだった。そこで始めたのが我が家の広いバルコニーでのラジオ体操だった。

 1ヵ月やっているうちに痛みは取れ、副産物として頭の中が俄かに整理整頓された。これには驚いた。物事の判断が速いのだ。○○の問題が起きたが原因は△△だ。□□をやれば解決する。と分かってしまうのだ。

 世の中を眺めていて急に目の前の風景のピントが合ったのだ。明確に「世の中はこういうものだ」と分かってしまったのだ。これが2004.10.17 私が56歳の時だった。私はこの日を「開眼の日」とした。

 それからが楽だった。問題が起きても原因を特定できて解決策を決めるのが恐ろしく早くなった。ウダウダ迷うことが無くなったのだ。以後会社の業績も急激ではなかったが1歩1歩改善に向かった。

 ラジオ体操は私に開眼の契機を与えてくれた。「今後困ったことがあればラジオ体操が問題解決の助けを与えてくれる」と思っている。猿股1丁でラジオ体操を快適にできれば私は退歩することはない。

分かり易い表で目標管理

 王耕の全体朝礼資料は分かり易い表でなければならない。

①その月の特徴は何か

②誰が成果を上げ、誰がダメだったか。

 この2点が分かる表にする。

 そのためには文字を減らす。例えば売上数字の順位付けなど比較項目は売上1つにする。誰が見ても実態が率直に表現されていれば公平だ。

 私は毎月の全体朝礼資料に手を加えている。例えば売上額と勤務時間数の2種を掛け合わせた表は見づらい。売上順位表だけで十分だ。

 少しでも見やすい表にすれば理解してくれる社員は増える。そうすれば売上・利益ともに増える。こんなに楽な目標管理はない。

特別清算になった三菱航空機

 私の毎日の愛読書の「帝国データバンクの日誌TEIKOKU NEWS」に載っていた。負債は6413億円。天下の三菱にしてこんなことが発生するのだ。

 部外者として評論家的に言わせてもらえば三菱航空機は「型式証明を取る」ことを目標に掲げるべきであった。

 目標は①具体的に②身近なものに設定すべきである。ゼロ戦戦闘機を開発した過去の栄光に浸ることなく、航空当局の指示に従った型式証明を取ることに全力を集中すべきであった。

 目標は具体的になると関係者は理解して力を発揮してくれる。「日本の航空機産業発展のために」などと言い出したら部下は何をやっていいか分からない。

 私には他山の石である。「他人のつまらない言行、誤りや失敗なども自分を磨く助けとなる」という意味。いかに噛み砕いて周囲に分かってもらえる目標設定をするかがプロジェクト完遂の分け目である。