高齢社長の仕合わせな日々 508 | 2024年10月9日

二重言葉の怪

 男の武士の侍が、馬から落ちて落馬して、女の婦人に、嘲笑されて笑われて、腹を切って切腹した

 よく引き合いに出される二重言葉の好例だ。上の例文の5文節すべてが二重言葉だ。読む方にすれば「なんて面倒臭い文章だ。くどい」と思うだろう。

 一言で言うべきことを2語で言うから嫌われることになる。特にビジネスの世界では要領の悪い人間は敬遠される。時間ばかり掛かって結論になかなか到達しないからだ。

 王耕の社員が使う二重言葉に「見積りを依頼された」がある。これは「見積りをもらった」と書けばいい。名詞を動詞化した言葉は二重に使わない方がいい。その都度当人に注意している。

 かく言う私も時々「改善して早急にやらなければいけない。時間短縮は当社の生命線だ。しなければいけない効率UPのテーマは多い」などと書く。これは抽象的ビジネス用語を並べているだけで具体例がないから何が何だか読者は分からない。

 良い文章は以下のように書く。

 改善項目は ①オンデマンドGのスペースを2倍にする。D=10/31 ②納品係の保管表を完成する。D=10/11

 固有名詞と数字を入れて文章にして初めて読者に分かってもらえる。