4/5 埼玉県熊谷駅から秩父鉄道で長瀞に行った。私は長瀞が好きだ。こじんまりとした観光地で北の山に登れば宝登山神社、南は渓谷の長瀞岩畳だ。
6年前神社の前の広場で「小遣い稼ぎでやっている」と言うお婆さんがドラム缶に炭を入れて鮎を焼いていた。横に座り込んで40分ほど話し込んだ。この間私が来客の邪魔をしていたのか1本も売れなかった。
私は1本(500円)だけ買って美味しく食べた。「なんであの時4本買って好きなだけ食べなかったのか。カネを惜しんで婆さんの売上に貢献しなかったのか」と長い間悔やんでいた。
今回は足が悪いために山には登らず南側の渓谷に行く途中の食堂で鮎3本食べた。観光案内所に行って「神社の前で今日はお婆さんが鮎を焼いていないか」聞いたけど「分からない」という。時が過ぎれば状況も変わる。
6年前は「鮎を焼いていると嬉しい」という婆さんとの会話が楽しかった。その思い出だけで充分と思うべきかもしれない。
長瀞は焼きだけの加工業者の集まりだ。滋賀・琵琶湖、岐阜、高知・四万十川、宮崎など全国から鮎を仕入れて食堂で出したり、甘辛に煮てパック販売している。