月: 2025年6月

盛り上がらぬ段ボール需要

 3年目に突入する段ボール需要の低迷だ。週刊ニュース社によると大手段ボールメーカーの稼働日数は前年より微減している。

 低迷の理由は①食料品の値上げだ。値上げが長期にわたって続くと②食料品の売れる量低迷➡③段ボール箱を使わなくなり④段ボール業界低迷だ。

 世の中の動きがもろに反映している。

 王子段ボールとして何をやるべきか。それは新規開拓だ。今のような状況は好機である。

 お客様を選ばず片っ端から営業をかける。一旦、王のお客様になったら王のスピード応対が普通のことになる。

 スピード応対の中味は

①返電は1分内

②見積り提出は当日中

③見本提出は翌日中

 スピード応対以上の時間を要する業者ではお客様が満足いかなくなる。そこで「やっぱり王子段ボールにしよう」ということになる。

 お客様満足度が上がっていけば、当社はさらに新しいサービスを開発していく。

日本公庫があなたのお店をサポート

 こんな広告が日経MJ の6段で載った日本政策金融公庫(日本公庫)は長い間耕王ともに融資をお願いし助けてもらってきた。

 「預金をしなくてもお金を貸してくれる銀行」と言うのが第1の特徴だ。2008年に①国民生活金融公庫②農林漁業金融公庫③中小企業金融公庫が統合して㈱日本政策金融公庫を設立した。耕王ともに③の中小企業金融公庫のお世話になってきた。

 今は耕王ともに借入ゼロになり接点が無くなったが、勉強会・懇親会には参加したいと思っていた。ところが、借入ゼロの会社が参加するのはイヤミに思え、足が遠のいている。いずれ資金需要が出てきたらお願いに上がるつもりだ。

 公庫は企業にとっては資金調達の「最後の砦」と言われているだけに当社としても軽々に離れるわけにはいかない。

 なお、前身が日本開発銀行の㈱日本政策投資銀行は別の法人である。融資対象企業の売上規模が日本公庫の取引先のおよそ100倍である。

同人誌から作家が出るかも

 同人誌の発刊が盛んだ。私の手元に香川県の「四国作家」(年1回)、横浜市の「ヨコハマ文芸」(年2回)なる同人誌がある。いずれも素人が健筆をふるっている。

 読むと相当ひどい文章もあるが、74歳の老婦人の友との交流を書いた随筆は、その文章の巧みさに感服した。落ち着いてゆっくり読めるもので恐ろしいことに1語たりとも余計な言葉はなかった。

 こういう人が同人誌の常連になって行けば誌自体が高級なものになって行く。それに「同人誌出身の74歳老婆が直木賞受賞」なんてことが起きるかもしれない。こんな事態になれば嬉しいことだ。

 音楽・絵画・文章の3つの芸術に共通の接頭語がある。「美しい」と言う言葉だ。美しい文章とは無駄な言葉がなくてテンポよく読める文章である。世の中に美しい文章が氾濫すれば、人々の文章への美感覚は大幅にStepUPするのではないか。

 なお、良い文章とは「分かり易い文章」を言う。は不変である。

6/21は夏至である

 昼間が1番長い日。私が1番好きな日だ。今日を境に日1日と昼間の時間は減って行く。それを考えると寂しくなって行く。

 ちなみに今年の冬至は12/22(月)である。私は毎年夏至と冬至とにらめっこしながら過ごしている。

 転輪の運行には逆らえない。

残った料理が勿体ない品川法人会

 6/20品川法人会の情報交換会(懇親会)に参加した。私は法人会の料理が美味しいから毎年参加している。量も多い。昼抜きで行ったが食べ切れない。刺身、野菜の煮物、サザエ、焼き鳥。ありとあらゆるものが並べられている。夢中で食べたが間に合わない。

 参加者は昨年より20%ほどすくない。

 法人会は地元の商工業者の納税意識を高めるための集まりだ。いわば国税庁の御用団体だ。私はきちんと納税することに異論はない。企業は納税をきちんとやるのが社会的義務だ。前年より多く法人税を納めれば私は嬉しい。

 よく節税と言われる行為は納税の繰り伸ばしに過ぎない。今期3千万円支払わなければならないところ、うち2千万円を2-4年先に払うという風にするだけだ。

 架空の支払先・領収書を使うことを脱税という。企業の経営者にとって脱税ほど恥ずべき行為はない。

私が脱税で摘発されたら会社を清算する。

 情報交換会の料理はかなり余った。量は半分で良かった。国税庁はサステナブルを実行し食材を捨てることを避けなければならない。サステナブルの食の第1目標は廃棄食料を無くすことだ。

如水会館の弁当はひどい

 6/13前の職場(毎日新聞社)の同僚ら8人で昼食会を開いた。千代田区一ツ橋の一橋大学同窓会会館の如水会館15階の立派な部屋だったが、出された弁当がひどかった。

 会費は4,500円、薄い肉の揚げ物にキャベツが少々、コンビニの弁当の方がよっぽど益(ま)しだった。

 道路挟んで向かいの学士会館が建て替え中のため如水会館は大繁盛。

 如水会館の調理は東京会館と同じだそうだ。私は東京会館の洋食堂プル二エによく行く。プルにエの料理は旨いと思っている。如水会館の弁当との落差はどうして生じるのか。

 今度如水会館の弁当を頼むときは、調理はどこでやるのか確認する。

改装された銭湯多い台東区

 鶯谷駅近くで食事するためその前に近辺の銭湯に入ることにした。駅前交番で教えてくれたのが「萩の湯」。駅北口から2分ほどの所にある近代的銭湯だった。あいにく月1回の定休日にぶつかってダメ。  

 タクシーを拾い日暮里駅繊維問屋街入口にある「斉藤湯」に入った。ここも中は綺麗に改装され1部の隙も無かった。「改装を進める」とは店主の跡継ぎがしっかりいるということだ。

 重労働の銭湯経営に太田、品川区の銭湯では後継者が決まっていないようだ。若い後継者は20年、30年先を見越して順次改装を進める。それが「清潔な銭湯」に繋がり店はますます繁盛する。

 今後銭湯に入りたくなったら鶯谷に行く。

馬鹿にならない不動産収入

現在耕文社では微微ながらも不動産収入があり、それで息をついている。

一覧で示すと

                耕文社不動産収入    万円
  年収入固定資産税
1大井町駐車場480182
2相模原駐車場   13060
3スマホアンテナ150 
760242

金額はわずかだが私にとって心の拠り所だ。昔、不動産は上がると見込んで買った土地もほとんど値上がりしなかった。

ここで値上がりする不動産の特徴を言うと

1、まず場所だ。借地権の土地は止めるべきだ。

2、私道のある所もダメ。前面道路が6メートル以下もダメ。

3、商業地域がいい。

 昔は貧乏だったから質のいい土地は買えなかった。でも値上がりしない残った土地は私の大事な財産だ。愛情さえ感じている。

 2カ所とも野天の駐車場だ。「生き物に不動産は貸すな」と言う言い伝えを守っている。鋼鉄製の車に場所を貸しているのだ。

寿司食い過ぎで気失う

 神田駅北口の江戸っ子寿司の回転コーナーで画面で注文しているうちに前後左右が分からなくなり大量注文してしまった。個数にして40。

 1つ1つ食べているうちに「まだある。まだある。何とかしよう」としながら2つを残して席を立った。体が突っ張って何もできない。ほうほうの手で品川駅にたどり着き自宅の煎餅布団に倒れこんだ。

 そこで意識が途切れ、目を開けたら夜の7時。3時間眠った。なんと非生産的な午後だろうか。

 何もする気はしない。それからまた眠った。

 私にとって昼飯は1日のピーク。なにを食べるかが1日の最重要課題だ。1番穏当なのが立ち食いの小諸蕎麦の「モリ・親子丼ランチセット820円」。

 この日の回転すし代は5,000円だった。

パッケージ受注に軸足

 6/13(金)の役員会で今後パッケージ売上増に集中することが決まった。

 今まで①シール②パッケージ③手提げ袋④カレンダーの4商品に力点を置いて受注増を図る方針であったが、ここに来てマーケットの大きさ、技術の深さからいってパッケージの研究開発の重要性が出てきた。

 例えばパッケージ資材の板紙にしても

 ㋑コートボール

 ㋺特殊板紙(特板)

 ㋩高級白板紙(高板)がある。

 パッケージで営業を掛ける際この3種の見本提示が必要だろう。

 幸い耕にはパッケージデザイナーの富吉孝洋さんがいる。お客様の漠然としたパッケージ形状デザインを瞬時に白の形状見本として提示できる。これには担当者様は喜ぶ。お客様社内・その先のクライアント様に説得力を持つからだ。

 また王子段ボール㈱という段ボール箱製造の専門子会社があり、管理部長の菅原功さんは外注発注に精通している。

 これらの強味を結集していけばかなり具体的提案がお客様にできる。

外注さんと懇談する良い習慣

 ㈱耕文社管理課は来訪した外注さんと懇談することが多くなった。6/12も来訪した卓上カレンダー・リング製本の外注さん2人を囲んで4人の管理課員全員が40分ほど懇談していた。管理課は用紙・外注発注の部署である。

 私の経験から専門家の話を聞けば大概のことは分かってしまう。PP加工の外注さんに①乾く時間②PP濃度の加減③PP液の種類―を聞けば外注さんは自分の専門領域だから熱心に教えてくれる。

  一連の話で専門家と同じレベルのことをタダで習得できる。こんなチャンスはめったにない。折角来てくれた外注さんを離す手はない。

 私は前々から「話を聞いたらどうか」と管理課員に声を掛けていたが最近になって自分から聞こうという雰囲気になった。

 私の印刷知識はほとんどが機械メーカー、資材販売店、外注さんから教わったものだ。強烈な印象として残っている。それが今までどれだけ役に立ってきたことだろう。

 所詮、専門家にならなければ良品は作れないし、利益も出ない。

新規開拓やってこその営業

 新規開拓をやらないのは営業ではない。物を運ぶただの配達人である。「私営業やってます」と胸を張って言う人はほとんどがルート営業だ。

 私は印刷業に転職した29歳の時から飛び込み営業をやってきた。多く飛び込んだ割には成果が上がらなかった。深刻さが足りなかったのかもしれない。 

 印刷業に止まらずあらゆる業界で新規開拓は重要だ。建設、流通、機械部品製造など。三菱UFJ銀行では新宿に新規開拓専門の部隊がある。当社にもやって来た。

 私は70歳の時若い営業と2人で荒川区で段ボールの飛込み営業をやっていた。「足立区の段ボール会社の者です。段ボール箱の注文はありませんでしょうか」。店に居た老夫婦が歓待してくれて濃い麦茶を出してくれた。その時の極端に濃い麦茶の美味しかったのには感激した。今でも忘れられない。

 「おいくつですか」「70歳です」と私。「大変ですねえ」と笑いながら私を見ていた。こんな1コマも忘れられない。

 新規開拓が平気になると怖いものが無くなる。「今の仕事が無くなったら新規開拓で補填すればいい」と考えるからだ。

休暇理由を聞いてはいけない

 部下から休暇届けが出てきたら上司は黙って受け取る。休暇の理由を聞いてはいけない。

 または理由を言ってから休暇申請する部下には「黙って休暇届を出せ」と言う。

 上司が「理由は何だ」と聞けば「体調不良です」と言うにきまっている。あえて部下にウソをつかせる必要はない。部下の私的都合を聞いてはいけない。淡々とやり取りしていけばいい。

 他社の例で、20人のアルバイトを使っている職場があった。職場長の所に「夫が癌に罹った」「息子が失業した」などと家庭内の困ったことを相談しに来るアルバイトがいて、職場長は誠意をもって話を聞いてきた。

 そのうち職場長は頭が混乱してきて「彼女はこんな問題を抱えているんだ」と私に言う。

 この時「部下の家庭内のことは一切耳を貸すな」と忠告した。「部下に付け込まれているんだぞ」。仕事と家庭は別である。「会社ではあくまで仕事の話だけにしろ」と私は言った。

長良川の鵜飼い見た

 6/6(金)岐阜県長良川の鵜飼い見物をした。昔は30人いた鵜匠は現在6人。鵜舟は上流に行き1列になって下流に鮎を追い込む。観光客を乗せた船の目の前で鵜飼いが始まる。

 鵜飼いは全国で11カ所行われているが、鵜匠は世襲制で、宮内庁職員であるのは長良川だけ。鵜には飲み込んだ鮎をすぐ殺す仕掛けがあり、鵜がとった鮎は新鮮であり特別な人にしか行き渡らない。我々の口には入らない。

 観覧船には幇間(たいこもち)、舞妓が乗り込み、芸を見せてくれ華やかな観覧であった。

 幇間は浅草に6人いるのは知っていたが、岐阜にも2人いて全国で8人いる。

 同乗した鳳川(ほうせん)喜久治さんは浅草幇間と違って、茶道、書道や三味線を弾くなどその一挙手一投足が幇間芸に徹した芸人だった。

 浅草の若手幇間は喜久治さんの所に修行に来るという。私は三味線を分解して箱に詰める動作などその手際の良さを隣で惚れ惚れと見ていた。

 おもしろうて やがてかなしき 鵜舟かな

                松尾芭蕉

王耕利益は予想の半分

 2025年5/20決算の見通し数字が出た。王子段ボール㈱が2500万円、㈱耕文社が8000万円の経常利益。売上は両社とも前年並みであった。

 売上増は期待していなかったが、利益が思ったほど出なかった。社員のアイデアを毎月積上げて行けば王が5000万円、耕が1.2億円の利益が出ると見込んでいた。ところが蓋(ふた)を開ければ見込みの半分であった。

 その原因は「利益への集中」が足りなかったことにある。

 両社では原価計算は表立ってはやっていない。月の損益表から課ごとの反省点を挙げて改善していくやり方だ。

 例えば営業の利益は個人の付加率で見て行く。2%しかない営業には「目標は10%だが、とりあえず5%にしろ」と言う。

 利益の出ない工場の課・係には1人当たりの1日売上目標を1.2倍にするが「○〇までに△△の売上にしろ」とは言わない。「課・係の月の損益を改善しろ」と言う表現だ。これだと社員1人1人に対するプレッシャーが曖昧になる。社員の気持ちは楽になる。

 そこが付け目でやっているが、長の改善点指示の言葉が不明確だと効果が出ない。今期の問題はそこにあった。

 決算の反省点から「月次損益が出たら翌日には長が課・係の改善点を発表する」をやる。

「新聞之新聞」が面白い

 昨年(2024)7月から定期購読(週2回発行)している。私は50年前の20代の頃新聞業界に居たせいもあるが新聞各社の動向を上から眺めている業界紙「新聞之新聞」(本社、文京区千駄木)を興味深く読んでいる。

 若い頃は下っ端で上を眺めて新聞社の経営を想像していたが、今では新聞之新聞を読んで鳥瞰的に業界を眺めている。

 例えば八重山毎日新聞社創刊75周年を祝う記事は沖縄県石垣市で開かれた会のあいさつの詳報では「75年前は数紙の新聞が創刊されたが1番政治色の薄かった当紙が残った。これは創刊時の社長の公平無私の報道が市民に支持された結果だ」地域紙の当紙が生き残った理由が述べられていた。八重山毎日新聞発行部数は公称16,000部。

 新聞之新聞社が一声かければ在京各紙の○○部長、社長が駆けつけてくる。そこで新聞業界の動向が侃々諤々(かんかんがくがく)述べられる。

 印刷と同じで新聞業界の環境は厳しいだろうが、とりあえず現経営層が方針を述べている。この年(77歳)になって各紙経営陣の意見を拝読できるとは嬉しいことだ。

工場怪我は自身の責任

 6/2王製函課員が指に怪我して近くの敬仁病院で3針縫ったと報告があった。私のその時の応えは「ふざけるな。指に怪我して勲章でも取った気でいるんだろう。また怪我するようだったら辞めてもらう」だ。

 耕印刷課でも前月(2025.5)機長が怪我した指にぎょうぎょうしく包帯をして報告に来た。その時も同じようなことを言った。

 腕1本失くしたなら別だ。今の機械は安全装置がついている。ほとんどが本人の「不注意による切り傷」だ。

 「痛くないか」と言って包帯の上をさすってやったら逆効果だ。猫のように甘えてくる。こんなことに付き合っていられない。すべて自己責任である。

 緊張して機械装置に付いていれば、事故は起きないし良品が生産できる。

伝統の料理・西新井清水屋

 5/30(金)西新井法人会(足立区)の総会後の祝賀会に参加した。王が法人会に入っているための例年の参加である。

 料理は西新井大師門前で330年料理店をやっている清水屋。毎年のことながら出される料理が旨い。今年はもつ煮の品のいい味付けには感心した。

 寿司、天ぷらは定番のメニューだがどれも水準以上だ。清水屋の料理を食べられるだけで法人会に入っている意味がある。

 12代女将の清水洋子さん(80前)は上等な洋服で挨拶に回っていた。西新井門前には大きな料理店が2軒あったが、1軒は老人介護施設に代わり残っているのは清水屋だけだ。時代の流れで仕方ないことだが西新井大師=清水屋。これからも私たちに伝統の味を提供してもらいたい。

 13代目の清水篤さんは調理場にいるとのこと。