新規開拓をやらないのは営業ではない。物を運ぶただの配達人である。「私営業やってます」と胸を張って言う人はほとんどがルート営業だ。
私は印刷業に転職した29歳の時から飛び込み営業をやってきた。多く飛び込んだ割には成果が上がらなかった。深刻さが足りなかったのかもしれない。
印刷業に止まらずあらゆる業界で新規開拓は重要だ。建設、流通、機械部品製造など。三菱UFJ銀行では新宿に新規開拓専門の部隊がある。当社にもやって来た。
私は70歳の時若い営業と2人で荒川区で段ボールの飛込み営業をやっていた。「足立区の段ボール会社の者です。段ボール箱の注文はありませんでしょうか」。店に居た老夫婦が歓待してくれて濃い麦茶を出してくれた。その時の極端に濃い麦茶の美味しかったのには感激した。今でも忘れられない。
「おいくつですか」「70歳です」と私。「大変ですねえ」と笑いながら私を見ていた。こんな1コマも忘れられない。
新規開拓が平気になると怖いものが無くなる。「今の仕事が無くなったら新規開拓で補填すればいい」と考えるからだ。