高齢社長の仕合わせな日々 668 | 2025年7月9日

84歳老婦人の文章に魅了される

 ヨコハマ文芸と言う同人誌の3頁のエッセイ「銀ブラ」を読んで驚いた。

 幼馴染の聖子ちゃんが持病が良くなって、2人でうな重を食べに銀座に出てきた。はしゃぐ2人の様がさもありなんと繰広げられる。その筆致を1語1語噛みしめて読んだ。「地方の同人誌にこんな見事な文章を書く投稿者がいたのか」。

 後ろのページをめくってみると同人誌世話人代表交代の記事が載っていた。高齢のため役を下りたいと言っている人がなんと「銀ブラ」の投稿者・桐本美智子さんだった。

 桐本さんはガラス絵の作家であり作品は同誌の表紙を飾っていた。「桐本さんが6年に渡って年2回発行のヨコハマ文芸を作ってきたのだ」と分かった。

 文章とはその人の全人格を表す。良き人が運営する同人誌はこれまで健全に発行されてきたのではないだろうか。知人が持って来てくれた初めて見る同人誌で私は気持ちの良い感動を得た。