高齢社長の仕合わせな日々 697 | 2025年8月26日

夏は氷イチゴ

 私はコーヒーがあまり好きではない。持ち出し用の紙製のコーヒーカップを持って歩いている人間を見ると「あの馬鹿」と思う。コーヒーを飲むくらいならスーパーでトマトジュースの紙パックを買った方がいい。安いし栄養もある。

 夏は何といっても氷イチゴだ。氷と書いた旗がひらめいていれば、私は飛び込む。「水村山郭酒旗の風」(杜牧の詩・江南春)である。「酒」を「氷」に入れ替える。

 新橋駅のSL広場裏の路地に入ると3軒目の店名は「WINE BARマイアミパティオ」。氷の旗がひらめいている店に勇んで入る。広い店内の客もまばらだ。そこでアイスクリームの乗った氷イチゴ(750円)を注文。これで暑さ除けの体制は十分にできた。マイアミパティオで1人、良い午後を過ごせそうだ。

 と思いきや、14時過ぎには60代70代の男たち20人が集まって来て何やら情報交換をしている。彼らで店中が一杯になる。「あの連中は何なんだ。不動産屋か」と聞いても店員は目を伏せるだけ。

 新橋は昔、総会屋くずれのような男たちがゴロゴロしていた。怪しい男たちが生息している新橋は面白い街だった。

 当社のお客様に新橋の小さな出版社があった。夕方5時になるとそこの社員たちは事務所でサバの缶詰を開けて1杯始まる。当社の営業は夕方5時までに用を済ませなければなかった。

 「ここも安住の休憩場所ではなさそうだ。他の『氷』の旗目指して又新橋を彷徨(さまよ)おう」。