月: 2025年9月

活舌(かつぜつ)が命

 活舌=言語明瞭に相手に分かるように喋ることを言う。例えば、人気の漫才コンビ「サンドイッチマン」のやり取りには言い間違いがない。愚痴の科白も言っていることは分かる。

 言葉のやり取りはトレーニングの賜物であることが分かる。活舌よくしゃべるために必死に練習したことだろう。芸人、俳優、政治家。あらゆる職業の人に活舌の良さが求められている。

 私は上顎が入れ歯というハンデはあるが、声の大きさで活舌の良さを出そうとしている。しかし上手く行かない。言語明瞭とは行かない。それでも「渡辺は活舌はいい」と言われたい。

あさりラーメンを完食

 私はラーメンが嫌いだ。注文するラーメンの麺は全部残してしまう。麺自体が旨いと思わないのだ。ここ数年ラーメンを完食していない。

 9/22(月)戸越銀座商店街に第2京浜から東に入った所にある「麺や 美風」であさりラーメンを食べた。これは出汁が出ていて「これは旨い」と思った。出汁はアゴ出汁だ。海の香りがしていて夢中になって食べた。

 大きなあさりが10個ほど入っていて食べ応えがあった。店を出るとき「こんなにあさりを入れたら赤字だろ」と言ったら「そこはうまくやっています」と店長。

 ラーメンで海の香を嗅げるなんてこんな有難いことはない。チャーシューなどは食べたいと思わない。肉より海のものだ。

「値上げ」言えないお坊ちゃま

 王子段ボール㈱で「段ボールシート代10%UP 」をお客様にお願いしている。その値上げが遅々として進まない。

 王7人の営業はお客様にマイナス情報をあまり言った経験のない男たちだ。「だまって請求書に10%UPの額を書込め」と私は言っているがなにせ育ちがいいから先延ばししている。

 世の中は「値上げ・値上げ」で沸き返って、人々は値上げに無抵抗の潮流にある。段ボールシート代の仕入れ価格は10%上がっているにも拘らず請求値に転嫁できない営業には困ったものだ。

 世の倒産会社は「値上げを請求できない企業」と帝国データバンクは分析している。王が値上げできない倒産会社になったらたまったものではない。

ズボン総丈が12㎝減った

 ズボンを引きずって歩いているような気がしてならなかった。身長は170㎝→169㎝に減った。77歳で年とともに体は順調に縮んでいる。情けないが体形はどうなろうとも健康でありさえすればいい。

 最近のGOOD NEWSは体重が92㎏→87㎏になったことだ。夕食を摂らないとウエストが減り、これで昔はいていたズボンがはけるようになった。

 ズボンの上端から下端までの総丈は109㎝→87㎝に減った。手直しは上野松坂屋デパート5Fのお直し専門店でやってもらっている。総丈を減らすズボンは9本ある。2、3本ずつお直しの出し入れをやる時は隣の食堂「銀サロン」でクリームソーダを飲む。

 1人で飲むクリームソーダは美味しい。  

料亭文化残る静岡市

 全国の芸者の数が激減している。それは芸者遊びの衰退が原因だが、それに伴って料亭が次々廃業に追い込まれた。芸者が芸を見せるところが無くなり、職場を失った芸者のなり手も居なくなったのだ。

 ところがである。人口67万人の静岡市にはいまだに「昼の芸妓の踊り鑑賞会」が6軒の料亭で開かれている。私は9/16(火)、清水区のなすび総本店の会に参加した。

 清水区銀座の清水芸妓置屋協同組合には現在9人の芸妓がいる.そこで踊り、地方(じかた)(三味線)の腕を磨いている。

 「料亭がどうして今でも成り立っているのか」タクシーの運転手さんに聞いたら「やはり料理が旨いからだ。何らかの会合があれば静岡の人間は料亭を利用する」という。

 料亭の方でも昼の弁当を販売したり、食堂のような利用を一般客に勧めたりしている。やはり売上を上げるためには独立採算でアイデアを出し合っている。たくましい」と思った。

 鑑賞会の客9割は老婆、おばさんだ。男は少ない。女は「ランチする」気分で来ている。健全だと思った。

SUICA忘れて大ピンチ

 静岡県清水市に1泊2日で行ってきた。SUICAカードを忘れて出たため

①30%引きの大人の休日倶楽部切符購入で品川駅でJR入場券を買って入らなければならなかった。

②コカコーラを買うのは現金で小銭がお釣りで返ってきた。私は5円、1円玉が財布に残るのが嫌だ。

 この辺から頭が混乱してきた。東海地方ではSUICAは買えない。当地で買えるJRカードTOICA を買って急場をしのいだ。

 私はPapayは使ったことがない。通常生活はすべて電子決済はSUICAだから半身不随になってしまった。折角の清水芸者の踊りを見る会も上の空だった。

 「SUICA無しでは生きていけない」とさえ考えた。

 再発防止は①家を出る前、必ずSUICAを持っているか確認する。②Papayを使えるようになる。電子決済は2方法でできるようにする。

文章に「数字、固有名詞」入れる

 言ったことを分かってもらうには「文章には数字と固有名詞を入れろ」と私は言っている。

 例えば「○○さんは中途で仕事を打ち切って帰ってしまった」では分からない。「○○さんは昨日△△様の仕事を50%しか終わらせないで退社した。後工程は仕事に着手できなかった」という。俄かに実情が浮き上がってくる。

 言うべきことをオブラートで包んだような言い方は解決には繋がらない。互いに単刀直入に言う社風を作りたいものだ。

 抽象的表現で世を渡って行こうとすれば、言っている本人が核心を掴まないままで「問題は終わった」と考えてしまっているのだ。長い会社生活の中で知らないうちに問題解決能力のない人間を作っている。恐ろしいことだ。

 原因を明確に指摘する社員が優秀な人材なのだ。明確な原因をテーブルに置くことによって再発防止策も明確になる。

 これによって耕王で多発した製品事故が激減した。激減によって利益が見込まれるようになった。

粋な「いとこおじ」の思い出

 父・昌夫の1つ上の従兄弟(私からすれば、いとこおじ)の内藤健一郎さんが松坂屋、上野風月堂など上野界隈の喫茶店良く連れて行ってくれた。内藤さんは㈱カラープロセスという製版会社をやっていて1男2女が居たが、3人は分かれた奥さんが引き取った。

 仲の良い父と内藤さんは着るものも粋だった。酒がダメでその代わりヘビースモカーだった。2人の共通点は年中喫茶店に入り浸っていることだ。「いつ仕事をしているのか」周りの人は不思議がった。

 私が30歳で耕文社の社長になった時、茗荷谷のレストラン「土味」でお祝いのご馳走をしてくれた。その美味しさは忘れられない。なぜ長い間私に目を掛けてくれたか分からない。

 カラープロセスは内藤さん92歳の時「終業通知」が出され、内藤さんは94歳で亡くなった。私にとって内藤さんはありがたいいとこおじであった。

「太陽はひとりぼっち」音楽が好き

 シャカシャカしたUPテンポの音楽が好きだ。いかにもヨーロッパ的だ。同じアランドロン主演の「太陽がいっぱい」の流暢なテーマ音楽より遥かにいい。

 21歳の時、ゴム草履にリックを担いで50日間ヨーロッパ1人貧乏旅行に行った時、中年のカップルがUPテンポでジルバをイタリアの街中(まちなか)で踊っているのを見て感動した。

 ただ体をくっつけて動いているだけなのだが、そこにはリズムがあった。音楽はシャカシャカしたUPテンポだ。路上でゆっくりしたワルツを踊られても困る。文化を感じた。

 日本で言えば「浪花節だよ人生は」がいい。作詞:藤田まさと、作曲:四方章人で歌手16人に歌われ、レコード会社13社で競作発売された。初めの出だしからUPテンポの伴奏がいい。伴奏者にとっても演奏のやりがいのある曲である。

 「太陽はひとりぼっち」のガシャガシャいうリズムはあまりにもフランス的なUPテンポの気持ちのいい名曲である。

ブログは「私は」で始める

 私はブログを書くにあたって1つ決めたことがある。それは「世の中で起こったことの評論はしない」だ。マスコミで報じられていることは書かない。

 すべての文章は「私が」「私は」「私の」から始める。

 マスコミは世の中で起きたことを報じるし、その速さ・正確さを競う世界だ。若い頃はその評論家的姿勢が嫌でしようがなかった。

 「私は10万円損した」「千円札を拾った」と書くのは自分のことだから問題ない。

 しかし「○○さんの多大な所得を論ずる」「違法な所得隠しを指弾する」などと社会正義を振りかざした文は私の忌み嫌うところだ。他人事をあげつらうのは嫌だ。

 29歳で新聞記者から印刷業に転職して最も気楽になったことは会社のお金の出入りだけを考えていればいいことだった。他人のことではない。自分に係わる事実だけを発信していればいいのだ。その世界は実体感があってこころよい。

 他人の行為を評論しないで済むのは助かった。やることなすこと全部自己責任の範囲内を喋っていればいいのだ。自分を主役にしておけばいい。自己開示に専念していればいい。気楽なものである。

値上げは大事なマネジメント

 今の私の課題は王子段ボール㈱のシート代を10%上げることだ。

 これまで段ボール箱単価を安く抑えて新規お客様を獲得してきたが、方針転換だ。シート単価をマーケットの動向に合わせて変動させ価格を決め、あとはお客様の判断を待つ。

 王の値上げを見てお客様はびっくりしてしまうが、イメージチェンジである。値上げをどういう手順でやるか。ここが工夫のしどころだ。面白い場面である。

 まず丸投げの価格構造を勉強した。担当の菅原功さんが地方の外注さんから見積りを取り、それに中間手数料を乗せてお客様に見積りを提出していた。中間手数料は菅原さんの判断に委ねていた。

 これを「外注さん見積り×決まった中間手数利率=お客様への提出見積り」に定式化した。この額でお客様が了承してくださるかは分からない。「そんな額であれば他に頼む」とおっしゃられるかも知れない。

 まずここから固めてシート代10%値上げを実現する積りだ。

冷水に酢は最良の飲み物

 酢を入れただけで自動販売機で売っている1本180円の夏の飲み物になる。しかも成分がハッキリしている水と酢である。のどごしが良く後味がスッキリしている。

 「ビールを飲みたい」と思った時、代替え飲料として思い浮かべれば冷水酢は十分に代替えを果たせる飲料だ。

 大衆中華の①酢 =日高屋のことである。

 9/6はコップ5杯の水に、入れ放題の酢を入れた。酢の取り過ぎだと思ったが体調に変化はなかった。酢だから気分もいい。注文したのはニラレバ定食(810円)。チェ-ン飲食店の入れ放題の薬味(やくみ)は日高屋の他

 ②ネギ =立ち食いソバの小諸そば

 ③紅ショウガ =牛丼の吉野家

などある。提供する方も大量に食べても害のない食材をテーブルに乗っけている。

しかもこれらには薬効がある。店のサービス品として私はありがたく頂戴している。

 私は酒を飲むのを止めて1ヶ月になる。冷水酢があれば酒を飲みたいとも思わない。

親切な2人の女

 9/6(土)品川駅で新宿方面行きのホームに行くため手すりに摑まりながら降りていると4m先で乳母車をたたんで子供を抱えた母親に「(乳母車は)私が持ちます」と言って手伝っている30過ぎの女がいた。

 ホームに降りてから私は女に近づいて「あんた親切だね」と言った。「見ていたんですか」と大声で女。顔は喜色に溢れていた。私はそれだけ言ってその場を離れた。

 9/7(日)大崎駅近くのスーパー・ライフで私が大量の食糧を抱えていると、後ろから来た女が私の籠と台車をもとの位置に戻してくれた。

 私は女に顔に近づけて「年寄りは大切にしろよ」と言った。女は驚くような奇声で「当然ですよ」と言った。笑っている女の後ろの方で亭主らしい男がボーッとして立っていた。

 2人ともいい女だった。私は先を急いだ。

値上げの腕を磨く

 価格が倍になっても驚かない。何が値上げになるか分からない。値上げになったら受け入れるだけ。今の購買者の心境だ。

 王子段ボール㈱は長らく売値の値上げはしてこなかった。「他社が値上げをしている時に価格据え置きでやって行けば、仕事はこちらに流れてくる」という下読みがあった。

 ここ5年間で段ボールシート値上げが2回(35%、10%UP)あったが王は沈黙していた。おかげで新規お客様が増えたが、社の利益が圧迫されてきた。今年5/20決算の経常利益率は2.6%に落ちた(前年7.5%)。

 「値上げしない分は効率UPで乗切れる」と踏んでいたが、そうでもなかった。段ボール箱製造でシート仕入れ額が46.6%占める。どうしてもシート値上げ分は価格に反映させなければやって行けない。

 同じ業界の㈱トーモクさんは値上げのスピード完了では模範企業だ。他社より利益を数か月早く計上しているから経常利益率は2%ほど高い。私もトーモクさんを見習わなければいけない。

 王にはPSを使った値上げ方法がある。それで値上げの腕を磨くつもりだ。

ローマの休日に没入

 YouTubeでローマの休日(1953製)を見てである。白黒映画を見ているとつくづく「映画とは人々に夢を与える産業である」と思う。脚本に乗せられて自分が登場する美男になったつもりになってしまい夢心地でストーリィにはまり込んでしまう。

 今、眩暈(めまい)でろくに歩けない77歳の老人(私)が胸をときめかせて物語を凝視しているのだ。

 23歳で新聞記者になった自分と、王女とローマ市内を駆け巡るアメリカンニュース社の記者グレゴリィペックが重ね合わさり、私はとんでもない勘違いの中で陶酔しているのだ。

 映画制作者にまんまと()められたのである。嵌めてくれた人達の腕に驚く。変化のない日常生活から夢の世界に(いざな)ってくれた。ローマの休日は私を含め多くの人達を夢見させてくれた。

 やはり大変な名作である。

誰にでも話掛ける質(たち)

 東北新幹線で隣に話しかける。「この蒲鉾会社の社長は元アルバイトのおばさんだったんですよ」。私は鐘崎製の大きな笹かまぼこ「大漁旗」を見せながら話し掛けた。

 「えっ」と驚いて隣の60過ぎの男は笹かまの袋の製造元を見つめた。「私は大漁旗が好きで、仙台からの帰り道はこれを肴に缶ビールを空けるんです」。

 「おばさんということは女ですよねえ」「社長向きの人は結構いるものです。男女(おとこおんな)関係ありません。私は仙台に一泊遊びに行って帰るとこです」。

 「私は定年後の再就職の面接を受けに東京に行くんです。今62です。70まで働くつもりです」「それはいい。私は77歳で印刷業をやっています。60代であれば心身ともに充実でしょう」。

 こんな調子で雑談していれば「あっ」という間に東京駅だ。

夏はほうじ茶

 夏は何といってもほうじ茶がいい。ほうじ茶は緑茶を(ほう)じたお茶である。香ばしい香りが軽く、夏の飲料としては最適だ。

 7年前の夏、若い営業と2人で「段ボール箱の注文はありませんか」と飛び込み営業を北区でしていた。小さな事務所に老夫婦がおり「よくぞ訪ねてくれた」とばかりに熱いお茶で歓待してくれた。

 1口飲んで驚いた。ほうじ茶が香ばしく旨いのである。「こんなに旨いほうじ茶は初めてだ」と内心思いながら「私は70歳です。2人で飛び込み営業をしている」と説明をした。

 「大変ですねえ」老夫婦は同情した顔つきで私を見つめた。私は「こんなに旨い茶は初めてだ。どうやって入れたのか」と質問した。「ただ茶葉を多めに入れただけだ」と奥さん。ほうじ茶は茶葉を多く入れればそれに比例して旨くなるのだ。

 飛び込み営業をやっていると飛んでもない発見に遭遇することがある。だから飛込み新規開拓営業は止められない。

値上げはPS入力と付加率開示でやる

 段ボールシート値上げを営業に無理のない状態で完了させたい。例えば単価10%UP値上げをする時、

①見積りを10%UP ②お客様了解を得る③精算見積りを承認してもらうーといった手続きがいる。

 しかし当社の場合は

①PSに10%上がった段ボール単価を入れる。

②合計見積りが出る。それが営業付加率-15%以下なら合格。―15%以上なら不合格。

③お客様了解は取らなくていい。一方的に価格を通告する。

④お客様に新単価を認めてもらう。

 という手順だ。これだけ強気なのは「スピード応対というお客様サービスをしている」という自信から来る。

⑤そして現在―25%という極端に悪い営業別付加率を毎朝開示することで早急に改善させる。

この手順で行けばこれから発生する第2、第3のシート値上げにもスムースに対応できる。

PS=プリントサピエンスという印刷業に特化したパッケージソフト。これに単価を入れれば見積り―作業指示書―請求書の一連の動作が自動的に出力できる。