YouTubeでローマの休日(1953製)を見てである。白黒映画を見ているとつくづく「映画とは人々に夢を与える産業である」と思う。脚本に乗せられて自分が登場する美男になったつもりになってしまい夢心地でストーリィにはまり込んでしまう。
今、眩暈でろくに歩けない77歳の老人(私)が胸をときめかせて物語を凝視しているのだ。
23歳で新聞記者になった自分と、王女とローマ市内を駆け巡るアメリカンニュース社の記者グレゴリィペックが重ね合わさり、私はとんでもない勘違いの中で陶酔しているのだ。
映画制作者にまんまと嵌められたのである。嵌めてくれた人達の腕に驚く。変化のない日常生活から夢の世界に誘ってくれた。ローマの休日は私を含め多くの人達を夢見させてくれた。
やはり大変な名作である。