高齢社長の仕合わせな日々 705 | 2025年9月4日

ローマの休日に没入

 YouTubeでローマの休日(1953製)を見てである。白黒映画を見ているとつくづく「映画とは人々に夢を与える産業である」と思う。脚本に乗せられて自分が登場する美男になったつもりになってしまい夢心地でストーリィにはまり込んでしまう。

 今、眩暈(めまい)でろくに歩けない77歳の老人(私)が胸をときめかせて物語を凝視しているのだ。

 23歳で新聞記者になった自分と、王女とローマ市内を駆け巡るアメリカンニュース社の記者グレゴリィペックが重ね合わさり、私はとんでもない勘違いの中で陶酔しているのだ。

 映画制作者にまんまと()められたのである。嵌めてくれた人達の腕に驚く。変化のない日常生活から夢の世界に(いざな)ってくれた。ローマの休日は私を含め多くの人達を夢見させてくれた。

 やはり大変な名作である。