高齢社長の仕合わせな日々 704 | 2025年9月3日

誰にでも話掛ける質(たち)

 東北新幹線で隣に話しかける。「この蒲鉾会社の社長は元アルバイトのおばさんだったんですよ」。私は鐘崎製の大きな笹かまぼこ「大漁旗」を見せながら話し掛けた。

 「えっ」と驚いて隣の60過ぎの男は笹かまの袋の製造元を見つめた。「私は大漁旗が好きで、仙台からの帰り道はこれを肴に缶ビールを空けるんです」。

 「おばさんということは女ですよねえ」「社長向きの人は結構いるものです。男女(おとこおんな)関係ありません。私は仙台に一泊遊びに行って帰るとこです」。

 「私は定年後の再就職の面接を受けに東京に行くんです。今62です。70まで働くつもりです」「それはいい。私は77歳で印刷業をやっています。60代であれば心身ともに充実でしょう」。

 こんな調子で雑談していれば「あっ」という間に東京駅だ。