静岡県熱海市熱海銀座の横道を入った所に喫茶「ボンネット」がある。そこの店主増田さん(97)は特攻帰りだ。1945年出撃直前に終戦になった。
12/2 顔を見に寄ったら元気に店内を動いていた。「77歳じゃ小僧子だ。健康に注意しろよ」。何とも面白くない私への第1声だ。「爺さん元気で何よりだ。俺は嬉しいよ」「俺は爺さんじゃない。変なこと言うな」。会話はまるでかみ合わない。
ボンネットとはヨーロッパの婦人がチョコンと乗っける帽子だ。終戦後洋画で見て「これだ」と思い店名にしたという。メニューはハンバーグ定食、コーヒー、その他。
「今日は3時で店は閉める」。席は空いているのに入り口のドアには「満席」の貼紙。特攻帰りの店主なら何をやってもOKだ。
70代の奥さんらしい人が料理とコーヒーを入れている。運んでいる老女がもう2人。「店員を増やしたのか」「あれは客だ」と店主。「爺さんに丸め込まれてタダで働くなよ」と私は老女達に忠告した。殺伐としたやり取りが続いて私は早々に退出した。
最近は特攻帰りの喫茶店として熱海市内で有名である。