月: 2026年2月

「包丁は砥(と)ぐもの」止まらない講釈

 蒲田駅西口のサンロードアーケード街に商品棚がスカスカの金物屋がある。(有)八木商店。60過ぎの店主が小柄のおとなしそうな老人を相手に「そもそも刃物とは…」の話をしている。話は延々と続く。何しろ専門家の話だから無駄ではない。老人は黙って聞いている。店主の話はますます熱を帯びてくる。私は後ろで立って聞いている。老人は研ぎ終わった包丁をありがたく受け取って店を出た。

 今度は私の番だ。「この店は燕三条の製品を扱っているのですか」と聞けば、店主の話はスタートする。「そうだ。燕三条の製品を扱っている。私は燕の人間ではない。調布の出身だ」。奥さんの作ってくれた「弁当を持って毎日店に出勤している」という。

 話は止まらない。砥石の質問をすると「荒砥石、中砥石、仕上げ砥石とあるが1つあれば十分だ。包丁が切れなくなったら砥げばいい。それだけだ」。

 どうやら口数は多いが正直な人間のようだ。私は内心「いい暇つぶしの場所ができた」と思った。

軽の運転は右足だけでやる

 車のブレーキとアクセルは右足だけで踏込み、左足は使わない。此の運転方法を知らなかったために車庫入れで駐車場のコンクリート壁に2度ぶつけた。  

1回目は昨年(2025)10月、タクシー仕様のトヨタクラウン。トランクが閉まらなくなった。2回目は今年(2026)1月に買換えたばかりの軽ダイハツミライース。左後ろのランプが壊れてしまった。

 軽は普通車以上に2つのペダルが接近しているために私は「左足も使わないといけない」と思い込んでいた。大型トラックのベテラン老ドライバー(72)は「私もブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだことが2度あった」と言っていた。よく店に突っ込む車があるがこの誤動作の結果だ。

 ベテランドライバーに「車のブレーキとアクセルは右足だけで踏込み、左足は遊ばせて置く」を教わったから私の気持ちは決まった。あとはひたすら時速30㌔以下の低速安全運転に徹するだけだ。

増収より増益を優先

 「売上増(増収)と経常利益増(増益)はどちらを優先するか」と言えば私は増益を優先する。たとえ売上減となっても増益になってさえいれば会社は安定する。逆に増収を追掛け過ぎると中味がスッカラカンになる恐れがある。そうなると飛んでもない方向に向かっていく可能性がある。

 ➀利益度外視した安値受注 ②与信管理不備の貸し倒れ多発 ③在庫増に無関心の棚卸額の激増-が会社を危うくする3要素だ。毎月➀-③をチェックする必要がある。この3チェックをやった上での増収を目指さなければいけない。

 ある意味では簡単だ。➀-③をやってさえいれば、あとはアイデアの出放題で増益になる。耕王はこの手順で経営が進んでいる。

 増収は戦略ポイントを1つ決めてかからないと実現は難しい。耕のポイントは「チェーン店の獲得」である。これには副題がある。「広告代理店を挟まないチェーン店販促部との直接取引」だ。

 この戦略ポイントが明示されたのが2026.1.1。本日で2ヶ月経っているがまだ新規はゼロ。

 慌てる必要はない。商売の鉄則である1、新規開拓 2、スピード応対をやっていればお客様は賛意を示してくださる。それからが耕の活躍時だ。                          

来客はインスタントコーヒー全部飲む

 面白い傾向を発見した。

 耕王で来訪されたお客様にインスタントコーヒーを紙コップに入れて出すとお客様退出時には紙コップは一律空になっている。全部飲んじゃうのだ。従来のお茶のペットボトルでは必ず飲み残しがあった。

 これはどういうことか。出しているインスタントはネスカフェ製で私はそれほど旨いとは思っていなかった。皆コーヒーに慣れた生活をしているせいだろう。

 よく takeout用のカップを持ち歩いているのを見かける。私は「それほどコーヒーが大事なのかよう。馬鹿々々しい」と声を掛けたくなる。勿論そんな野暮は言わない。

 他人が好きなようにやっていることに茶々を入れる積りはない。「放って置く」のが資本主義の強味である。各自が好きなことやり、飽きたら止める。ただそれを眺めているだけで良い。楽である。

 お客様がインスタントコーヒーを飲干したら、それが現実である。また出せばいい。ただそれだけである。

阪急百貨店食品館で豪華なお買物

 大井町駅西口にある阪急百貨店食品館は並のスーパーとは違う。鮮度のいい野菜、極端に大きい鯛のお頭、珍しい小魚の甘煮。まさにデパートの食品館だ。こういう施設があることで大井町の格が上がっている。戦後の「汚らしい街・大井町」が様変わりした。

 大井町線の尾山台駅に住んでいた私は70年前の大井町を知っている。駅前の跨線橋には大きな賭け将棋盤が4面ほど並び野次馬が囲んでいた。駅前の薄汚い食堂は柱が傾いていた。

 ところが今は、私の様なすり切れたジャンパー姿の老人も1人前に食品館で買い物ができる。一寸ハイクラス気分だ。ありがたいことである。

 時の流れとともに街の風景は変わった。そして私も年を取った。

羽振りが良かった材木屋

 何を隠そう私の遠い親戚に景気のいい材木屋が居た。戦前から大店を構え私の両親は終戦直後とてもお世話になった。世田谷区の地形の悪い土地にバラックのような平屋を立てた時、材木を融通してくれた。私は小学生までそこで育った。

 各方面の人々の話を聞くと材木屋の子弟は皆豊かだった。「お手伝いさんが3人いた」とか「父親は毎週芸者を侍らして宴会をやっていた」。しかし、外材の流入や木材加工の進歩により業界図は一変した。あれよあれよという間に不況産業になった

 産業は好況の時こそ「次は何をやるべきか」腹を決めなければならない。不況産業になった時の準備で、次の営業品目への移行を進めないと急なお客様転換は不可能だ。

 品川税務署の102社の優良申告法人の中に印刷業は耕文社だけだ。多いのは運送業者だ。

 何が好況になるか見極める。その時々での判断で勝負は決まる。だから経営は面白いのだ。

 もう1つ保険になるものがある。それは自己資本比率だ。比率さえ60%超えた状態にしておけば、どんな荒波が来ても耐えられる。

 ➀早期お客様変更と②自己資本比率60%超の2重の保険を掛けておけば破産から逃れられる。

確定申告は毎冬の心の重荷

 私は3/15締切りの確定申告提出に毎年焦らされている。税理士から「出すべき書類の前年の申告の控え」が送られてくるが、その必要・不必要の判別ができない。ゴチャゴチャの頭のままで郵送されて来た封筒を机の上に積んで置くから分からなくなってしまう。

 2025年分は書類2枚が足りなかった。あと1枚不動産屋から学芸大学のアパートの家賃収入の表が来ればお終まいだ。確定申告は仕切り直して頭の中を整理整頓する必要がある。

 私の交際費、交通費の精算が進んでいない。領収書がバラバラにビニール袋に入れてある。請求しなければしないで「どうでもいい」と思っているせいで精算が遅れているのだ。

 私は酒がダメだ。これは父親・昌夫の体質を継いだものだ。妹(73)は私以上に全く酒はダメだ。2人して「良きものを受け継ぐことができた」と語り合っている。私はビール中瓶1本で充分だ。それも1週に1回だ。家では飲まない。だから杯を傾けてじっくり飲むことはない。

 その代わり大福、どら焼きは年中コンビニで買っている。

江戸期、博多に素麺文化があった

 2/12博多素麺研究家の福岡市職員・松熊功さんの講演を聞いた。

  1. 博多には江戸時代を最盛期とする手延べ素麺が作られてきた。
  2. 明治期に製造・流通構造の変化により急速に衰退して今では残っていない。

 松熊さんの研究によると江戸期、博多は国際港湾都市で禅宗文化と重なって博多素麺は黒田藩の贈答品として愛用された。古文書などに当たっているが、20世紀初頭から産業記録から消えている。

 私は昔、素麺製造業者から「素麺は作ろうとおもえばいくらでも作れる。しかし、作り過ぎて飛んでもない在庫の山を作ってしまった。あの時の焦りは忘れられない。素麺は製造よりも販売が大事だ。まず販売ルートを固めてから製造に入るべきだった」。老人は『つくずく商売とは難しいものだ』と肩を落としていた。

 要は素麺は蕎麦とか饂飩と違って延ばして作る麺だから安易に作れる食物だ。その地方の名物として確立されていなければ、なかなか売れ続けるのはむつかしい。                                    

インボイス番号の変更に注意

 会社経営は何処がやっているか。「インボイス番号の変更があったら会社経営に重大な変更があった可能性がある。直ちに調査を入れる必要がある」とは帝国データバンクの耕文社担当の及川哲治さんのアドバイス。

 これまでは内々に経営者交代がなされていた時、外からは分かりにくい。登記簿謄本を取ったり色々な調査をして判明するが、支払先のインボイス番号の変更で容易に察知できる。

 ①経営権の移譲②会社の売却・買収③会社合併・消滅などの事態重大な危険察知のポイントだ。

 耕王の取引先では今までインボイス番号の変更を連絡してきた例はないが、今後の与信管理には必要なチェック項目だ。「変更連絡が来たら直ちに私に教えてください」と及川さん。心強い忠告だった。

スワチカの語源は卍

 1955年創業のメンチカツ専門店に初めて入った。五反田駅と池上線大崎広小路駅の中間にある間口4mほどの小さな店だ。中はカウンターだけで椅子が10。

 70過ぎの夫婦でやっており手際がいい。どんどんメンチカツ関連のメニューが出来上がっていく。午後も通しでやっており昼過ぎても客は絶えない。

 私は最安のスワチカランチ1020円を頼んだ。メンチカツを小さくしたおかずだった。専門店だけあって肉の香りのあるメンチカツだった。

 「スワチカってどういう意味」と私が聞くと仏頂面の店主が「よくぞ聞いてくれた」とばかりに「お寺のマークだ」「卍(まんじ)か」「そうだ」。忙しそうなのでそれ以上は聞かなかった。

 スワチカは語呂がいい。「ゆっくりスワチカの研究でもしようか」と思った。

損益計算書と試算表

 耕王は毎月の業績を損益計算書と試算表を出して検証している。

 損益計算書は部課別のその月の損益を総務課で出している。

 試算表は会計事務所で作った貸借対照表と損益計算書だ。

 両方を見ることで会社の(まず)い点が浮き彫りになる。当月中にまずい点の修正をしておけば問題は終わる。例えば制作課の労務費が過大と分かったなら、制作課員を異動する。直ちにである。そうすれば問題を引きずらないで済む。

 具体的問題なら即決できるが、社の戦略になると変更は時間が掛かる。その時は手近な所から始める。例えば①オンデマンド印刷 ②パッケージの受注増を第1戦略目標にしていたが、ここに来て耕の戦略は「チェーン展開している会社を開拓する」に変わった。エクセルで営業1人当たり3社、好きなチェーン展開している会社を列記した。あとは訪問だ。

 11人の営業はなかなか訪問しない。まだ見積りが1件も出てこない。我慢だ。

 見積りが出てきたらチェーン展開している会社の販売促進担当者様が必要なものをスピード応対で作る。「出来ません」は禁止。指示のあったものは全部作る。指示のあった納期でだ。

 日本全国の外注さんのあらゆる技術を探し出して作るのだ。耕王にはその調査能力と資金力がある。第1回目の仕事で「スピード応対、製品が良品」を証明すれば2回目の見積りが来る。そこは信じてもいい。                           

貸し倒れゼロが最高の効率UP

 「難波の金融道」というテレビ番組を面白いからよく見ていた。竹内力主演の大阪の高利貸しが10日で1割という飛んでもない高利で貸し付け、あらゆる手段を使ってお金を回収するストーリ―だ。原作が漫画だから筋は極端にブレるからそこが面白い。

 すべての話は返済能力の無い人に数百万円という大金を貸すことから始まる。焦げ付きを作ることから物語がスタートする。大体担保もない人にお金を貸すことが間違いだ。

 王子段ボール㈱では18%のお客様が前金だ。㈱耕文社のお客様の4%が前金だ。前金だから100%焦げ付きは発生しない。そもそも段ボール箱などは「締めて1ヶ月後の現金」などで買うものではない。スーパーの食料品購入と同じで前金・現金で買うものだ。私たちがそのような意識だから多くのお客様には何のてらいもなく前金でお願いしている。

 政府の発表では2026年度末までに電子交換所の手形・小切手の交換枚数はゼロになる。紙のやり取りが無くなる代わりに電子記録債権(でんさいネットサービスや)インターネットバンキングへの移行を進めている。要するに紙の交換はなくなるが、あと決済のやり方は残る。

 耕王ではすべて現金支払いだ。支払ってしまえばあと腐れはなく、それでお終い。簡単でいい。外注さん・仕入先さんに納得してもらうには「20日締めの10日後の振込」の現在の方法が1番説得力がある。

 電子記録債権やインターネットバンキングとも関係ない。耕王はわざわざ焦げ付きを作る劇画の「難波の金融道」とは反対の道を行ってる。  

優申会に初めて参加した

 2/5(木)青物横丁駅近くの品川法人会館で開かれた品川優良申告法人会の講演会・懇親会に初めて参加した。目当ては懇親会で、どんな(やから)がいるかたっぷり観察してきた。

➀参加者は30人

②社長は16人。飲み食いに来ただけの社員が多かった。

③品川税務署副署長は高卒

④気の置けない人たちの集まりだった。

代表以外何人出席してもよく、次回は私以外の3人が出席する。                               

言いたいことを言う社風

 是非言ってもらいたい。同僚にだと愚痴になってしまうが ①先生 ②年長者 ③社歴の古い者 ④上司 ⑤役員 ⑥社長に言いたいことを言ってもらいたい。

 聞いた方にはルールがある。  

1、真剣に聞いて結論を出す。

2、結果に責任を持つ。

3、結果を自分の言葉で判定する。

4、納得いかない時は上司―役員―社長に問題を上げる。

5、結論が決まる。

要は、それぞれのルートで早急に結論を出せる社風を作る。                               

駒形どぜうは椅子席にすべき

 私はどぜうの丸が好きだ。丸とは煮込んだどぜうを加熱しながら食べる。どぜうの原形をとどめているので「気持ちが悪い」という客もいるが、とんでもない。どぜうの体中が栄養なのだ。

 私の母は茨城県の貧農の育ちだ。栄養補給は水田のどぜうだった。96歳まで生きた。私と母で駒形どぜうによく行ったものだ。

 一寸苦みがあり骨まで煮込んであるから食べやすい。日頃ぎくしゃくした母子関係も駒形では笑顔だった。こんなご馳走はない。

 ここで1つ提案

1、1階を椅子席にする。

 よしず張りの床に座っての飲食は誠に風情あるが、椅子生活に慣れた現代人には大変だ。私は眩暈(めまい)のせいで1回座ると立てない。店の若い衆にベルトの後ろを持って引上げてもらってやっと立っている。不便だ。

 折角の名店なので、デザインで工夫して広い1階を椅子席にしてほしい。駒形どぜうはこれからも繁盛してもらいたい。

映画「国宝」は面白くなかった

 プリンスシネマの大画面で1/25(日)国宝を見た。結論を言えば次の点で面白くなかった。

 ①主役の女形の義兄弟が同じような顔つきで区別がつきにくかった。

 ②一方がダメになって行く脚本にはうんざりした。

 ③展開が単調だった。

 舞台の艶やかさは京都の5花街の踊りを観付けているのでどうしても比較してしまう。宮川町の京踊りの方が舞台展開に意外性があって面白い。1人で踊った後に20人の集合踊りになるなどやはり舞台監督の腕の問題だ。

 京踊りは地唄の三味線がずらりと並び、艶やかな舞台では大人数の芸妓、舞が踊り狂う。迫力が違う。それが普通に演じられているのが5花街なのだ。特定の芸妓にスポットライトを当てていない。

 五花街は全部女で女形は居ないが、五花街もそれぞれ特徴があって、芝居踊りが特徴の上七軒の老芸妓が忠臣蔵物語を全編1人で踊って表現したのには驚いた。五花街の踊りを知っていると国宝は甘い。

 5花街=上七軒、祇園甲部、先斗町、祇園東、宮川町の花街。それぞれ歌舞練場があり、年数回そこで踊りの発表会がある。                           

就業人口初めて7,000万人超え

 総務省が1/30発表した2025年労働力人口は7004万人だった。これは前年より0.7%増えており7,000万人超えは過去最高だった。労働力人口は減っているどころか現実は増加しているのだ。この事実を私たちは加味して経営して行かねばならない。

 理由は①女 ②65歳以上の高齢者の労働人口参入だった。その代わりこの人たちの労働時間は減少しており、雇用側は短時間勤務など働きやすい環境づくりに工夫している。

 例えば、耕では検査者4人がすべて高齢者であり、加工課内職係場内10人がすべて女。仕事も正確にこなしてくれているありがたい存在だ。

 また王製函課ではアルバイトの高齢者が1人入ったおかげでミニグルアーの生産性が3倍になった。

 要は生産体制に女と高齢者を入れることで予想を遥かに超える効率UPが実現されている。労働人口の多様化を自部署で利用しようとする課長のアイデアの賜物だ。