高齢社長の仕合わせな日々 13 | 2022年6月13日

安ベルトは心を引き締める

 赤羽駅北改札口通路で革製品の出張販売をやっていた。爺さん売子が「これは縫いがしっかりしているチドリだよ」「チドリがどうした」「ベルトメーカーじゃブランドだよ。お客さんならロングサイズじゃなくてもいい」と言って胴回り95㎝のズボンの上にベルトを巻き付けて採寸した。丁度いい。

 ベルトは穴あきを使っていたがどうも微妙な調節が効かない。20本すべて廃棄。穴無しスーツベルトに替えている。出張販売品はいかにも安そうな気がする。イメージがいい。5本買った。計6,400円。

 そのうち婆さん売子も加わって「これで首を吊らなくて済んだ。良かった、良かった」「俺はあんたがたの命を助けるためにベルトを買ったんじゃないよ。必要だからだ」。

 見ると2人はすでに次の客に行っていた。

 自分に合ったベルトを持てて「高齢の俺はますます快調になる」と思った。