同人誌の発刊が盛んだ。私の手元に香川県の「四国作家」(年1回)、横浜市の「ヨコハマ文芸」(年2回)なる同人誌がある。いずれも素人が健筆をふるっている。
読むと相当ひどい文章もあるが、74歳の老婦人の友との交流を書いた随筆は、その文章の巧みさに感服した。落ち着いてゆっくり読めるもので恐ろしいことに1語たりとも余計な言葉はなかった。
こういう人が同人誌の常連になって行けば誌自体が高級なものになって行く。それに「同人誌出身の74歳老婆が直木賞受賞」なんてことが起きるかもしれない。こんな事態になれば嬉しいことだ。
音楽・絵画・文章の3つの芸術に共通の接頭語がある。「美しい」と言う言葉だ。美しい文章とは無駄な言葉がなくてテンポよく読める文章である。世の中に美しい文章が氾濫すれば、人々の文章への美感覚は大幅にStepUPするのではないか。
なお、良い文章とは「分かり易い文章」を言う。は不変である。