私はブログを書くにあたって1つ決めたことがある。それは「世の中で起こったことの評論はしない」だ。マスコミで報じられていることは書かない。
すべての文章は「私が」「私は」「私の」から始める。
マスコミは世の中で起きたことを報じるし、その速さ・正確さを競う世界だ。若い頃はその評論家的姿勢が嫌でしようがなかった。
「私は10万円損した」「千円札を拾った」と書くのは自分のことだから問題ない。
しかし「○○さんの多大な所得を論ずる」「違法な所得隠しを指弾する」などと社会正義を振りかざした文は私の忌み嫌うところだ。他人事をあげつらうのは嫌だ。
29歳で新聞記者から印刷業に転職して最も気楽になったことは会社のお金の出入りだけを考えていればいいことだった。他人のことではない。自分に係わる事実だけを発信していればいいのだ。その世界は実体感があってこころよい。
他人の行為を評論しないで済むのは助かった。やることなすこと全部自己責任の範囲内を喋っていればいいのだ。自分を主役にしておけばいい。自己開示に専念していればいい。気楽なものである。