渡辺直喜

要領のいい医院

 眩暈(めまい)の治療のためアチコチの医院に行っている。そこでアイデア医院は「医院名の頭に地名を付けている」という法則があることに気づいた。

 例えば「渡辺医院」では印象が薄い。「西品川渡辺皮膚科医院」とすれば住民の記憶に残り易い。ちょっとしたことだが重要なポイントだ。すべて個人医院を経営する医者のアイデアだ。

 Yシャツ・背広・ネクタイで診察している。「なんで白衣を着ないのか」と聞くと「冷房がきついので上着でやっている」と訳の分からない回答。患者の椅子を肘掛けの着いた立派なものにして自分は丸椅子で診察している。

 ここまでくると医者の下心は分かってくる。こういう医院は患者が多いという共通点がある。いずれにせよ繁盛医院になればいいのだ。アイデアにはそうお金が掛からない。

 アイデアで大いに儲けてもらいたい。

どこでも必要な「資金」

  1. ベンチャー

 「会社を立ち上げた」などは若手社長のカッコいい科白(せりふ)だが、内実は火の車だ。①事務所の家賃②社員の給料③社会保険④材料仕入れ代⑤外注費など波のように支払いが押し寄せてくる。それをどう乗り切るかがカギなのだ。

 40代社長が私に言った「最近1番嬉しかったことは1,000万円銀行から借入れできたことだ」。

2、スポーツビジネス

 外見は派手だが1つのチームを持つとはトンデモナイ固定支出を伴う。こんなことには近づかないに限る。

 収入を増やすには観客を増やすことだ。それには競技場を大きくするーなどやるべきテーマは果てしがない。

3、暴力団

 最盛期(1963)には全国に18万人いた。それが今では1万人を切った。団員が食べて行くだけの収入が無いからだ。彼らにも生活がある。

 団員は給料をもらえる仕事に転職して行った。誠に良いことである。

どうしようもない製紙→書店

 マーケットの大きな流れには抗しようがない。印刷業は縮小の一途だ。特に中小印刷業者は「紙に印刷する」ことしか頭にない。ハテ、どうするか。

 「ここが知恵の出しどころだ」などと悠長なことは言っていられない。「我々アナログ業界は駄目なのだ」と腹をくくっていった方がいいようだ。

 まず止めることだ。①書店は廃業すべきだ。②下請け印刷・製本業もしかり。③用紙販売業。早めの会社整理で商売替えすべきだ。製紙大手は不採算事業売却を進めている。

 私たちのやるべき基本動作は営業品目の変更だ。

 例えば耕文社はカタログ、パンフレット、出版印刷の受注は期待していない。POP、シール、パッケージの受注を増やすことに焦点を絞っている。

 そのため全社員50人が毎朝日銭朝会を開いている。時間にして20分ほどだが、担当が前日の売上の発表をしている。全社員が拘束される20分だが営業品目の変更のため社員の頭を切り替えていくには有効な時間だ。

どこでも必要な「資金」

1、ベンチャー

     「会社を立ち上げた」などは若手社長のカッコいい科白(せりふ)だが、内実は火の車だ。①事務所の家賃②社員の給料③社会保険④材料仕入れ代⑤外注費など波のように支払いが押し寄せてくる。それをどう乗り切るかがカギなのだ。

     40代社長が私に言った「最近1番嬉しかったことは1,000万円銀行から借入れできたことだ」。

    2、スポーツビジネス

     外見は派手だが1つのチームを持つとはトンデモナイ固定支出を伴う。こんなことには近づかないに限る。

     収入を増やすには観客を増やすことだ。それには競技場を大きくするーなどやるべきテーマは果てしがない。

    3、暴力団

     最盛期(1963)には全国に18万人いた。それが今では1万人を切った。団員が食べて行くだけの収入が無いからだ。彼らにも生活がある。

     団員は給料をもらえる仕事に転職して行った。誠に良いことである。

    活舌(かつぜつ)が命

     活舌=言語明瞭に相手に分かるように喋ることを言う。例えば、人気の漫才コンビ「サンドイッチマン」のやり取りには言い間違いがない。愚痴の科白も言っていることは分かる。

     言葉のやり取りはトレーニングの賜物であることが分かる。活舌よくしゃべるために必死に練習したことだろう。芸人、俳優、政治家。あらゆる職業の人に活舌の良さが求められている。

     私は上顎が入れ歯というハンデはあるが、声の大きさで活舌の良さを出そうとしている。しかし上手く行かない。言語明瞭とは行かない。それでも「渡辺は活舌はいい」と言われたい。

    あさりラーメンを完食

     私はラーメンが嫌いだ。注文するラーメンの麺は全部残してしまう。麺自体が旨いと思わないのだ。ここ数年ラーメンを完食していない。

     9/22(月)戸越銀座商店街に第2京浜から東に入った所にある「麺や 美風」であさりラーメンを食べた。これは出汁が出ていて「これは旨い」と思った。出汁はアゴ出汁だ。海の香りがしていて夢中になって食べた。

     大きなあさりが10個ほど入っていて食べ応えがあった。店を出るとき「こんなにあさりを入れたら赤字だろ」と言ったら「そこはうまくやっています」と店長。

     ラーメンで海の香を嗅げるなんてこんな有難いことはない。チャーシューなどは食べたいと思わない。肉より海のものだ。

    「値上げ」言えないお坊ちゃま

     王子段ボール㈱で「段ボールシート代10%UP 」をお客様にお願いしている。その値上げが遅々として進まない。

     王7人の営業はお客様にマイナス情報をあまり言った経験のない男たちだ。「だまって請求書に10%UPの額を書込め」と私は言っているがなにせ育ちがいいから先延ばししている。

     世の中は「値上げ・値上げ」で沸き返って、人々は値上げに無抵抗の潮流にある。段ボールシート代の仕入れ価格は10%上がっているにも拘らず請求値に転嫁できない営業には困ったものだ。

     世の倒産会社は「値上げを請求できない企業」と帝国データバンクは分析している。王が値上げできない倒産会社になったらたまったものではない。

    ズボン総丈が12㎝減った

     ズボンを引きずって歩いているような気がしてならなかった。身長は170㎝→169㎝に減った。77歳で年とともに体は順調に縮んでいる。情けないが体形はどうなろうとも健康でありさえすればいい。

     最近のGOOD NEWSは体重が92㎏→87㎏になったことだ。夕食を摂らないとウエストが減り、これで昔はいていたズボンがはけるようになった。

     ズボンの上端から下端までの総丈は109㎝→87㎝に減った。手直しは上野松坂屋デパート5Fのお直し専門店でやってもらっている。総丈を減らすズボンは9本ある。2、3本ずつお直しの出し入れをやる時は隣の食堂「銀サロン」でクリームソーダを飲む。

     1人で飲むクリームソーダは美味しい。  

    料亭文化残る静岡市

     全国の芸者の数が激減している。それは芸者遊びの衰退が原因だが、それに伴って料亭が次々廃業に追い込まれた。芸者が芸を見せるところが無くなり、職場を失った芸者のなり手も居なくなったのだ。

     ところがである。人口67万人の静岡市にはいまだに「昼の芸妓の踊り鑑賞会」が6軒の料亭で開かれている。私は9/16(火)、清水区のなすび総本店の会に参加した。

     清水区銀座の清水芸妓置屋協同組合には現在9人の芸妓がいる.そこで踊り、地方(じかた)(三味線)の腕を磨いている。

     「料亭がどうして今でも成り立っているのか」タクシーの運転手さんに聞いたら「やはり料理が旨いからだ。何らかの会合があれば静岡の人間は料亭を利用する」という。

     料亭の方でも昼の弁当を販売したり、食堂のような利用を一般客に勧めたりしている。やはり売上を上げるためには独立採算でアイデアを出し合っている。たくましい」と思った。

     鑑賞会の客9割は老婆、おばさんだ。男は少ない。女は「ランチする」気分で来ている。健全だと思った。

    SUICA忘れて大ピンチ

     静岡県清水市に1泊2日で行ってきた。SUICAカードを忘れて出たため

    ①30%引きの大人の休日倶楽部切符購入で品川駅でJR入場券を買って入らなければならなかった。

    ②コカコーラを買うのは現金で小銭がお釣りで返ってきた。私は5円、1円玉が財布に残るのが嫌だ。

     この辺から頭が混乱してきた。東海地方ではSUICAは買えない。当地で買えるJRカードTOICA を買って急場をしのいだ。

     私はPapayは使ったことがない。通常生活はすべて電子決済はSUICAだから半身不随になってしまった。折角の清水芸者の踊りを見る会も上の空だった。

     「SUICA無しでは生きていけない」とさえ考えた。

     再発防止は①家を出る前、必ずSUICAを持っているか確認する。②Papayを使えるようになる。電子決済は2方法でできるようにする。

    文章に「数字、固有名詞」入れる

     言ったことを分かってもらうには「文章には数字と固有名詞を入れろ」と私は言っている。

     例えば「○○さんは中途で仕事を打ち切って帰ってしまった」では分からない。「○○さんは昨日△△様の仕事を50%しか終わらせないで退社した。後工程は仕事に着手できなかった」という。俄かに実情が浮き上がってくる。

     言うべきことをオブラートで包んだような言い方は解決には繋がらない。互いに単刀直入に言う社風を作りたいものだ。

     抽象的表現で世を渡って行こうとすれば、言っている本人が核心を掴まないままで「問題は終わった」と考えてしまっているのだ。長い会社生活の中で知らないうちに問題解決能力のない人間を作っている。恐ろしいことだ。

     原因を明確に指摘する社員が優秀な人材なのだ。明確な原因をテーブルに置くことによって再発防止策も明確になる。

     これによって耕王で多発した製品事故が激減した。激減によって利益が見込まれるようになった。

    粋な「いとこおじ」の思い出

     父・昌夫の1つ上の従兄弟(私からすれば、いとこおじ)の内藤健一郎さんが松坂屋、上野風月堂など上野界隈の喫茶店良く連れて行ってくれた。内藤さんは㈱カラープロセスという製版会社をやっていて1男2女が居たが、3人は分かれた奥さんが引き取った。

     仲の良い父と内藤さんは着るものも粋だった。酒がダメでその代わりヘビースモカーだった。2人の共通点は年中喫茶店に入り浸っていることだ。「いつ仕事をしているのか」周りの人は不思議がった。

     私が30歳で耕文社の社長になった時、茗荷谷のレストラン「土味」でお祝いのご馳走をしてくれた。その美味しさは忘れられない。なぜ長い間私に目を掛けてくれたか分からない。

     カラープロセスは内藤さん92歳の時「終業通知」が出され、内藤さんは94歳で亡くなった。私にとって内藤さんはありがたいいとこおじであった。

    「太陽はひとりぼっち」音楽が好き

     シャカシャカしたUPテンポの音楽が好きだ。いかにもヨーロッパ的だ。同じアランドロン主演の「太陽がいっぱい」の流暢なテーマ音楽より遥かにいい。

     21歳の時、ゴム草履にリックを担いで50日間ヨーロッパ1人貧乏旅行に行った時、中年のカップルがUPテンポでジルバをイタリアの街中(まちなか)で踊っているのを見て感動した。

     ただ体をくっつけて動いているだけなのだが、そこにはリズムがあった。音楽はシャカシャカしたUPテンポだ。路上でゆっくりしたワルツを踊られても困る。文化を感じた。

     日本で言えば「浪花節だよ人生は」がいい。作詞:藤田まさと、作曲:四方章人で歌手16人に歌われ、レコード会社13社で競作発売された。初めの出だしからUPテンポの伴奏がいい。伴奏者にとっても演奏のやりがいのある曲である。

     「太陽はひとりぼっち」のガシャガシャいうリズムはあまりにもフランス的なUPテンポの気持ちのいい名曲である。

    ブログは「私は」で始める

     私はブログを書くにあたって1つ決めたことがある。それは「世の中で起こったことの評論はしない」だ。マスコミで報じられていることは書かない。

     すべての文章は「私が」「私は」「私の」から始める。

     マスコミは世の中で起きたことを報じるし、その速さ・正確さを競う世界だ。若い頃はその評論家的姿勢が嫌でしようがなかった。

     「私は10万円損した」「千円札を拾った」と書くのは自分のことだから問題ない。

     しかし「○○さんの多大な所得を論ずる」「違法な所得隠しを指弾する」などと社会正義を振りかざした文は私の忌み嫌うところだ。他人事をあげつらうのは嫌だ。

     29歳で新聞記者から印刷業に転職して最も気楽になったことは会社のお金の出入りだけを考えていればいいことだった。他人のことではない。自分に係わる事実だけを発信していればいいのだ。その世界は実体感があってこころよい。

     他人の行為を評論しないで済むのは助かった。やることなすこと全部自己責任の範囲内を喋っていればいいのだ。自分を主役にしておけばいい。自己開示に専念していればいい。気楽なものである。

    値上げは大事なマネジメント

     今の私の課題は王子段ボール㈱のシート代を10%上げることだ。

     これまで段ボール箱単価を安く抑えて新規お客様を獲得してきたが、方針転換だ。シート単価をマーケットの動向に合わせて変動させ価格を決め、あとはお客様の判断を待つ。

     王の値上げを見てお客様はびっくりしてしまうが、イメージチェンジである。値上げをどういう手順でやるか。ここが工夫のしどころだ。面白い場面である。

     まず丸投げの価格構造を勉強した。担当の菅原功さんが地方の外注さんから見積りを取り、それに中間手数料を乗せてお客様に見積りを提出していた。中間手数料は菅原さんの判断に委ねていた。

     これを「外注さん見積り×決まった中間手数利率=お客様への提出見積り」に定式化した。この額でお客様が了承してくださるかは分からない。「そんな額であれば他に頼む」とおっしゃられるかも知れない。

     まずここから固めてシート代10%値上げを実現する積りだ。

    冷水に酢は最良の飲み物

     酢を入れただけで自動販売機で売っている1本180円の夏の飲み物になる。しかも成分がハッキリしている水と酢である。のどごしが良く後味がスッキリしている。

     「ビールを飲みたい」と思った時、代替え飲料として思い浮かべれば冷水酢は十分に代替えを果たせる飲料だ。

     大衆中華の①酢 =日高屋のことである。

     9/6はコップ5杯の水に、入れ放題の酢を入れた。酢の取り過ぎだと思ったが体調に変化はなかった。酢だから気分もいい。注文したのはニラレバ定食(810円)。チェ-ン飲食店の入れ放題の薬味(やくみ)は日高屋の他

     ②ネギ =立ち食いソバの小諸そば

     ③紅ショウガ =牛丼の吉野家

    などある。提供する方も大量に食べても害のない食材をテーブルに乗っけている。

    しかもこれらには薬効がある。店のサービス品として私はありがたく頂戴している。

     私は酒を飲むのを止めて1ヶ月になる。冷水酢があれば酒を飲みたいとも思わない。

    親切な2人の女

     9/6(土)品川駅で新宿方面行きのホームに行くため手すりに摑まりながら降りていると4m先で乳母車をたたんで子供を抱えた母親に「(乳母車は)私が持ちます」と言って手伝っている30過ぎの女がいた。

     ホームに降りてから私は女に近づいて「あんた親切だね」と言った。「見ていたんですか」と大声で女。顔は喜色に溢れていた。私はそれだけ言ってその場を離れた。

     9/7(日)大崎駅近くのスーパー・ライフで私が大量の食糧を抱えていると、後ろから来た女が私の籠と台車をもとの位置に戻してくれた。

     私は女に顔に近づけて「年寄りは大切にしろよ」と言った。女は驚くような奇声で「当然ですよ」と言った。笑っている女の後ろの方で亭主らしい男がボーッとして立っていた。

     2人ともいい女だった。私は先を急いだ。

    値上げの腕を磨く

     価格が倍になっても驚かない。何が値上げになるか分からない。値上げになったら受け入れるだけ。今の購買者の心境だ。

     王子段ボール㈱は長らく売値の値上げはしてこなかった。「他社が値上げをしている時に価格据え置きでやって行けば、仕事はこちらに流れてくる」という下読みがあった。

     ここ5年間で段ボールシート値上げが2回(35%、10%UP)あったが王は沈黙していた。おかげで新規お客様が増えたが、社の利益が圧迫されてきた。今年5/20決算の経常利益率は2.6%に落ちた(前年7.5%)。

     「値上げしない分は効率UPで乗切れる」と踏んでいたが、そうでもなかった。段ボール箱製造でシート仕入れ額が46.6%占める。どうしてもシート値上げ分は価格に反映させなければやって行けない。

     同じ業界の㈱トーモクさんは値上げのスピード完了では模範企業だ。他社より利益を数か月早く計上しているから経常利益率は2%ほど高い。私もトーモクさんを見習わなければいけない。

     王にはPSを使った値上げ方法がある。それで値上げの腕を磨くつもりだ。

    ローマの休日に没入

     YouTubeでローマの休日(1953製)を見てである。白黒映画を見ているとつくづく「映画とは人々に夢を与える産業である」と思う。脚本に乗せられて自分が登場する美男になったつもりになってしまい夢心地でストーリィにはまり込んでしまう。

     今、眩暈(めまい)でろくに歩けない77歳の老人(私)が胸をときめかせて物語を凝視しているのだ。

     23歳で新聞記者になった自分と、王女とローマ市内を駆け巡るアメリカンニュース社の記者グレゴリィペックが重ね合わさり、私はとんでもない勘違いの中で陶酔しているのだ。

     映画制作者にまんまと()められたのである。嵌めてくれた人達の腕に驚く。変化のない日常生活から夢の世界に(いざな)ってくれた。ローマの休日は私を含め多くの人達を夢見させてくれた。

     やはり大変な名作である。

    誰にでも話掛ける質(たち)

     東北新幹線で隣に話しかける。「この蒲鉾会社の社長は元アルバイトのおばさんだったんですよ」。私は鐘崎製の大きな笹かまぼこ「大漁旗」を見せながら話し掛けた。

     「えっ」と驚いて隣の60過ぎの男は笹かまの袋の製造元を見つめた。「私は大漁旗が好きで、仙台からの帰り道はこれを肴に缶ビールを空けるんです」。

     「おばさんということは女ですよねえ」「社長向きの人は結構いるものです。男女(おとこおんな)関係ありません。私は仙台に一泊遊びに行って帰るとこです」。

     「私は定年後の再就職の面接を受けに東京に行くんです。今62です。70まで働くつもりです」「それはいい。私は77歳で印刷業をやっています。60代であれば心身ともに充実でしょう」。

     こんな調子で雑談していれば「あっ」という間に東京駅だ。

    夏はほうじ茶

     夏は何といってもほうじ茶がいい。ほうじ茶は緑茶を(ほう)じたお茶である。香ばしい香りが軽く、夏の飲料としては最適だ。

     7年前の夏、若い営業と2人で「段ボール箱の注文はありませんか」と飛び込み営業を北区でしていた。小さな事務所に老夫婦がおり「よくぞ訪ねてくれた」とばかりに熱いお茶で歓待してくれた。

     1口飲んで驚いた。ほうじ茶が香ばしく旨いのである。「こんなに旨いほうじ茶は初めてだ」と内心思いながら「私は70歳です。2人で飛び込み営業をしている」と説明をした。

     「大変ですねえ」老夫婦は同情した顔つきで私を見つめた。私は「こんなに旨い茶は初めてだ。どうやって入れたのか」と質問した。「ただ茶葉を多めに入れただけだ」と奥さん。ほうじ茶は茶葉を多く入れればそれに比例して旨くなるのだ。

     飛び込み営業をやっていると飛んでもない発見に遭遇することがある。だから飛込み新規開拓営業は止められない。

    値上げはPS入力と付加率開示でやる

     段ボールシート値上げを営業に無理のない状態で完了させたい。例えば単価10%UP値上げをする時、

    ①見積りを10%UP ②お客様了解を得る③精算見積りを承認してもらうーといった手続きがいる。

     しかし当社の場合は

    ①PSに10%上がった段ボール単価を入れる。

    ②合計見積りが出る。それが営業付加率-15%以下なら合格。―15%以上なら不合格。

    ③お客様了解は取らなくていい。一方的に価格を通告する。

    ④お客様に新単価を認めてもらう。

     という手順だ。これだけ強気なのは「スピード応対というお客様サービスをしている」という自信から来る。

    ⑤そして現在―25%という極端に悪い営業別付加率を毎朝開示することで早急に改善させる。

    この手順で行けばこれから発生する第2、第3のシート値上げにもスムースに対応できる。

    PS=プリントサピエンスという印刷業に特化したパッケージソフト。これに単価を入れれば見積り―作業指示書―請求書の一連の動作が自動的に出力できる。

    雑踏を歩き続ける

     眩暈(めまい)で歩くのが大変だ。靴の底を地面にこすりながら同じ距離を行くのに人の4倍時間がかかる。転んだら大変だ。なんとしても3点支持でやっていく。3点支持とは、2点は両足で踏ん張り1点は手で何処かに(つか)まる動作だ。

     登山家が「3点支持さえしていればロッククライミングでも身の安全は守れる」という言葉を聞いて以来心に決めていることだ。

     4年前ゴルフ場で左足首の靭帯を切って、前後して眩暈の症状が出てきた。足首は回復したが眩暈はひどくなる一方だ。あちこちの医者にかかったが治らない。「動かなければいけない」と1日2時間ほど歩くようにしている。

     日頃あちこち行った結果、夕方の雑踏にぶつかることが多い。ひたすら人とぶつからない様にしている。

     今の頼りは漢方の薬だ。いろいろ試しているが便秘の症状だけは回復した。

     予感だが「いずれ眩暈は治る」と思っている。ゴルフもできるようになるだろう。普通の生活に戻れるだろうーと心の底で思っている。しかし何時になるか分からない。

    「無借金」の表現方法

     「耕王が無借金会社であることを何気なく表現したい。どうしたらいいか」と同級生に尋ねた。同級の老人曰く

    ①キョンシーのようにおでこに黄色い札を貼ったらどうか。もちろんお札には「無借金」と書く。

    ②立候補者のように「無借金」と大書した(たすき)をかけて歩いたらどうか。

    いずれも名案だが私は実行に移す勇気がない。

     同級生のアイデアもいい加減なものだ。かくなるうえは無借金を心の中で連呼して生活しよう。他人には分からないよう1人悦に入ろう。内向きに無借金でいよう。

    今7代目。9代目まで決まっている

     浜松町の駅北口から増上寺山門への大通りに面した更科蕎麦屋の話である。

     場所はいいし繁盛店だから息子も早くから継ぐことを表明している。あるいは息子が頑張っているから繁盛店になったのか。兎も角、店が順調に続くいい話である。私はそこでエビスビールの中瓶を飲みながら大もりを食べた。

     更科蕎麦は季節によってそば粉の産地を変えている。一貫して蕎麦がいい。モリ蕎麦にしても蕎麦に甘味がある。真ん中に12人掛けの相席の大きなテーブルがある。私は相席で見ず知らずの人と食べるのが好きだ。

     孝行息子8代目には満3歳の9代目がいるという。

    1歩引いた金鳥蚊取り線香

     私は夏、クーラーを掛けない。網戸の着いた戸を4カ所開けて風が通るようにしている。一寸虫に刺されたと思ったら金鳥蚊取り線香を点けてなんともいい香りを嗅ぐ。それが夏の夜の手続きだった。

     ところがその金鳥蚊取り線香が薬局に置いていない。電気の蚊よけ器に置き換えられた。古い薬局にはまだ有りそうだが線香を燃やす方式は完全に主役の座を降りた。

     「何時かはそうなる」と踏んでいたがやはり寂しい。古い薬局に在庫として残っている金鳥蚊取り線香を2缶ほど買い占めておくつもりだ。

    夏は氷イチゴ

     私はコーヒーがあまり好きではない。持ち出し用の紙製のコーヒーカップを持って歩いている人間を見ると「あの馬鹿」と思う。コーヒーを飲むくらいならスーパーでトマトジュースの紙パックを買った方がいい。安いし栄養もある。

     夏は何といっても氷イチゴだ。氷と書いた旗がひらめいていれば、私は飛び込む。「水村山郭酒旗の風」(杜牧の詩・江南春)である。「酒」を「氷」に入れ替える。

     新橋駅のSL広場裏の路地に入ると3軒目の店名は「WINE BARマイアミパティオ」。氷の旗がひらめいている店に勇んで入る。広い店内の客もまばらだ。そこでアイスクリームの乗った氷イチゴ(750円)を注文。これで暑さ除けの体制は十分にできた。マイアミパティオで1人、良い午後を過ごせそうだ。

     と思いきや、14時過ぎには60代70代の男たち20人が集まって来て何やら情報交換をしている。彼らで店中が一杯になる。「あの連中は何なんだ。不動産屋か」と聞いても店員は目を伏せるだけ。

     新橋は昔、総会屋くずれのような男たちがゴロゴロしていた。怪しい男たちが生息している新橋は面白い街だった。

     当社のお客様に新橋の小さな出版社があった。夕方5時になるとそこの社員たちは事務所でサバの缶詰を開けて1杯始まる。当社の営業は夕方5時までに用を済ませなければなかった。

     「ここも安住の休憩場所ではなさそうだ。他の『氷』の旗目指して又新橋を彷徨(さまよ)おう」。

    棚卸額137万円の筋肉質

     前年が177万円だから40万円減った。棚卸目標額は195万円だった。年売上9億8000万円の会社としては異様に少ない数字である。棚卸額は年売上の550分の1だ。

     私はスリムな会社ほど優良だと思っている。筋肉質という表現にもなる。今まで買った不動産は中古物件ばかりだ。

    1. 新たに土地を購入して 
    2. そこに新社屋を建設するーという発想はない。
    3. 総資産を増やすことは危険であるーと思っている。

    だから金融機関からの借金も2年前に無くなってしまった。

     私が乗っている車は平成2年(1990)に180万円で買ったクラウンだ。もちろん新車だった。タクシー仕様だから前はベンチシートで窓はハンドルを回して開ける。運転席で後部席の窓の開閉はできない。トヨタ車だから壊れない。

     35年前の新車に乗っていれば私の気持ちは平静でいられる。

    耕営業12人が全員達成

     驚くべきことである。耕文社73年の歴史の中で2桁の営業部員全員が売上目標達成したのは初めてだ。

    2025.8  目標 6,070万円

        実績    6,579万円

     これは伊野課長、稲嶺課長、森屋部長がプレイングマネージャーとして売上を積上げてくれたことと、課員の努力の結果である。

     達成と未達は紙一重であるが、その人にとっては重大な分岐点である。達成すれば自分の上には青い空が広がり、次の自由な構想が湧いてくる。

     未達であれば原因究明に忙しく、次のアイデアどころではなくなる。

     前に進むには達成の地面に足を踏ん張り、次を考える方が健康的だ。

    威力発揮する日銭朝会

     耕王では毎朝全員参加で日銭朝会を開いている。前日の①受注 ②売上を各課が30分内に発表する。

     特に従来のカタログ・パンフレットなどの主要営業品目が激減しているマーケット情勢の中では、他の営業品目に移行する重宝な時間である。

     例えば1、オフセット印刷➡オンデマンド印刷

        2、シール受注の増強 

        3、パッケージ売上を増やす―などの戦略目標を立てているが、その変化を加速して行かねばならない。

     日によってプラスの情報もあればマイナスの事実もある。すべてを全社員に知ってもらい、そこからアイデアを出してもらおうとしているのだ。

     所詮、私たちの力で状況を変えていかねばならない。社員の力を引き出すには、あらゆる事実を社員にお知らせして行くのが一番だ。

     最近の話題では、70万円で作っていた業界名簿がデータ納品になり、仕事はデータ編集だけで売上は4万円に下がったーには朝会会場の空気は沈んだ。

     オンデマンド印刷機のシール印刷で40万円納品した話には拍手が起こった。だから商売は面白い。

    Tシャツの背中に「模範囚」

     8/15、大崎駅の改札口を入ろうとしたら前を行く40位の男の黒いTシャツの背中に「模範囚」とプリントされていた。一瞬戸惑ったがジョークと理解した。物好きな男が面白半分に着ているのだろう。

     どうせ大きくプリントするなら目につく文句がいい。昔、沖縄県那覇市の商店街でやけにチョコマカ動き回る3歳ぐらいの男の子がいた。そこら辺を走り回る姿は尋常ではなく異常なほど活発だった。

     その男の子のTシャツに背中に「将来大物」とプリントされていた。商店街を走り回る極端な動作から私は「この子は将来大物になりそうだ」と思った。

     どうせ背中に大きくプリントするなら面白い方がいい。月並み文句では何の感興も呼び起こさない。しかし模範囚のTシャツを毎日着るのは大変だ。気分が高揚した日に着用する手はある。

    神田駅―東京駅が私の獣道(けものみち)

     銀座中央通りの北半分に当たる。神田駅を降りて東口の広い道を東京駅に向かって歩く。道路はやや下り坂のせいか歩き易い。

    ①日本橋千疋屋 ②三越 ③新潟・富山・長崎県のアンテナショップ ④喫茶店の老舗・東洋 ⑤どら焼きのうさぎや ⑥日本橋 ⑦高島屋 ⑧丸善 ⑨東京駅で電車に乗る。

     こんな具合だ。一流の店が並び、なんとも贅沢な商店街道路だ。私はこの道を歩き続けて40年になる。

     午後になると趣味の「商店街歩き」に出るが、どうしても神田駅に降り立ってしまう。其処から日本橋に向かう。日本橋への道は私にとって獣道のようなものだ。明るい陽の光を浴びて歩いていると「俺は生きている」と感じる。何故ならば私は日本一の商店街を歩いているのだ。

    灯台下暗しゲートシティ大崎

     4層吹き抜けの蒲田と芝大門のビルエントランスに驚いた私だが、地元のゲートシティ大崎は5層吹き抜けだった。

     いつも乗り降りする大崎駅がこんなにデカいビルと直結しているとは意外であった。ゲートシティ大崎は25年前に竣工していたが、耕文社は東口に出るため私は西口の施設には関心がなかった。

     余裕あるスペースで若者たちがパソコン、スマホをいじっている。良い環境で冷房の温度もマイルドだ。多くの大手企業もここに本社を構えている。絶好のお客様がゴロゴロある。山手線を半周して東京・神田駅に足を延ばす必要はない。

     ゲートシティ大崎をいじってみるのもアイデアだ。

     8/14はカレーを食べたが旨くなかった。スパゲティー屋があったので次はあそこで試食だ。ゲートシティ大崎で夢は広がる。

    値段を上げられない蕎麦屋

     蕎麦屋に入るたびに「気の毒」と思う。メニューの値段を上げられないからだ。上げる方法は天婦羅を付けるぐらいだ。それでも高が知れている。やはりモリソバの値段を上げて、入れる具によって順番にプラスαの値段をつけて行くのが正当な高額化の道だ。

     モリソバ1枚1,000円からが高額蕎麦屋の出発点として、其処ではいろいろな物語が付加されている。①蕎麦粉の産地を明確にする ②蕎麦粉は店で引いている。群馬県の温泉地の蕎麦屋は「石臼を手で引いている」を売り物にしていた。手打ちではなくて手引きだ。これには笑った。石臼を手で回しても電気で回しても同じだ。③蕎麦は手打ち ④ワサビは本物 

     細かな所で店主の工夫がみられるが、結局のところ、麺つゆと蕎麦に香りが有るか無いかに行き着く。つゆはカツオ風味、麺は蕎麦の実の香りを感じられるかがポイントだ。

     8/12、モリソバ1,200円の港区の蕎麦屋に入った。味は今一つであった。つゆからも麺からも風味が感じられなかった。新しい店に入るのはちょっとした挑戦である。しかし9割方はだめだ。

     業界には「蕎麦職人」と呼ばれる人たちがいる。彼らの何が職人技なのかよく分からないが、香りを醸し出す技術者であれば私は大歓迎だ。

    1日5服、2週完服

     私は薬を飲まない。薬の効用を信用していないからだ。ハナから「効かないものを糞真面目に服用しても意味ない」と思っている。しかしここ2年確かに効いた薬に遭遇した。

    ①高輪病院でもらった1粒462円の血圧降下剤

     95-17072-120

    ②芝大門の漢方医からの便秘薬

     排便が週1回→日に2回

     効果が確認できれば私は几帳面に薬を飲む。ただし「お薬手帳」などはもってのほかと作っていない。

    現場からアイデアをもらう

     自分の持っているやり方などは何時でも変更可能だ。より良いやり方を知ったら何の(てら)いもなくそちらに移動する。ポイントは効率UP だ。

     「自分の沽券に係わる。自分を否定することになる」などと考える余裕はない。例えば単価表、20項の単価で実際の見積りが100%できるなら20項単価表に差替える。従来の80項の単価表を廃棄する。

     特異な事態を想定して80項を使い続けるのは馬鹿だ。1つの単価を探し出すのに80項を見なければならない。目がちらつくと同時に時間を掛けて探すのが当たり前になっていては効率が悪い。

     現場で20項の単価表でお客様に多数の見積りを出している営業に聞けばいい。20項の単価で全社員が計算し始めたら人数分の効率がUPしたことになる。

     まず現場の社員に聞くことで簡単に回答を得られる。社歴・年齢は関係ない 。

    このままでいい

     すべてを新しくする必要はない。見た目は悪いが機能は十二分に果たしてくれている設備がある。それにまで手を入れる必要はない。そのままで使い続ければいい。

     ヨーロッパの建物は200年使い続けているところがザラという。

     耕文社旧館は40年前、機械部品工場だった築20年の中古ビルを買ったものだ。化粧直しをして印刷工場として使い続けている。60年になるが特に不足はない。

     40代の頃、お客様の出版社の老社長に挨拶に行ったら会社案内を見て「立派な建物だな」。「奥行きがないので狭いです」と言ったら「平べったいんだな」と言われてズッコケたことがあった。老社長は20年ほど前に亡くなったが、味のある方だった。

     工場とは整理整頓が行き届いていればいいのだ。それ以上の望みはない。雨風を凌げればいいので直角長方体のスペースさえあればいくらでも使い道は応用できる。

     最近の豪華オフィスビルには反発を覚える。ジュータンが敷いてあり給湯室など余計な個室が多い。質素な雰囲気を醸し出して使い勝手のいいスペースさえあれば人々は快適に仕事ができる。

    最高の焼き鳥屋「鳥竹」

     井の頭線渋谷駅改札口はす向かいにある鳥竹総本店は涙が出てくるほどの焼き鳥のプロの店である。1階は8人しか座れない。

     私はべニア板に向かって1人カウンターに座る。隙間から見るとベニヤの向こうでは料理人3人が鶏肉を切っている。包丁は研ぎに研いできたせいか長さ5センチほどの半分に減っている。包丁の減り具合で料理人の心意気が伝わってくる。

     サッポロ大瓶ビールを注文、つまみのレバーと皮の焼き鳥は2本ずつ頼んだが1本で充分だ。それほど鳥肉がでかい。豊かな気分で更にウナギの肝櫛1本、もつ煮、枝豆を追加.取り過ぎでフーフー言いながら完食、食べ過ぎた。

     鳥竹は創業64年と言っているが「俺の所は創業72年の印刷業者だ」と言ったら若い店員はポカンとしていた。

    AIの迷宮を体感

     スマホかパソコンで何でもできちゃうAI。「AIと友達になる90分」セミナーに参加した。講師は栃木在住の星野ミントさん。

     例えば「大聖堂の中にいる猫の絵」を希望すると2分ほどで画面に出てくる。AIで曲を作る。動画を作り喋らせる。自由自在だ。一旦出てきた画面を修正できるが、そこからはAIとの格闘になる。

     AIに関する法律がないーというが当然だ。魑魅魍魎の物ができてくるのだ。規制の仕様がない。

     「AI、AI」と言うが、どう活用するかが問題だ。目的もなくAIにのめり込むのも無駄だ。AIの迷宮入りは中止して、適度に間を開けて研究しよう。

     兎も角恐ろしい技術が出てきたものだ。

    行く価値あり日本科学未来館

     25年前、江東区有明にある未来館に行って驚いた。科学の先端部分がどれも分かり易く解説されている。「こういう説明なら誰でも分かるだろう」。分かるから面白い。

     中でも目を引いたのが「終始揺れている日本の国土」だ。大きな日本地図に極小の豆電球が埋め込まれ、大地が微動すれば青くなり、震度1以上になると赤くなる。どこかが青になり時々赤くなる。

     これを見ると日本の国土は絶えず揺れ続けており、大地は揺れているのが普通なのだ。ホトホト感心させられた。以来地震に対する見方が変わった。「地震は四六時中起きている。それが大きいか小さいかの違いだけだ。慌てることはない」。

     私は地震があるたびに未来館の大きな日本地図を思い出す。「あそこの豆電球は今、光っているだろうな」。

     科学の1歩先を説明してくれるのが日本科学未来館だ。行って損はない。

    年寄りが笑顔でニラレバ炒め

     大衆中華の日高屋に昼時入ると満席。奥の席で80過ぎの老婆4人がこちらを向いて笑顔で並んで座っていた。テーブルの上にはニラレバ炒めランチ(680円)。

     日高屋は注文の半分はコスパ(コストパーフォンマンス=値段の割に中身がしっかりしている)のいいニラレバ炒めランチ。私も負けじとニラレバ炒めランチを頼んだ。

     カウンターの私の横では老人が生ビールをあたかも日本酒を飲むようにチビリチビリと飲んでいた。

     食を楽しむ人たちの顔はとてもいい。仕合せが満面に出ているのだ。1人壁に向かって食べている私の顔も仕合せに満ちていただろう。

     人の話によると「生活保護が月初めに出たせいだろう。月に1度の贅沢な外食だ」という。カネの出所よりも今現在の仕合わせの方が大事だ。1人身の年寄りがニコニコしながらお昼を過ごす。私もニコニコのお供をさせてもらった。

    耕全体朝礼でも課長圧力2点

     「当り障りのない質問は禁止」と注意した7/31の耕全体朝礼でも結論の出ないやり取りが2つあった。

    ①管理課の差益率目標が前年より下がっている。

    ②印刷課の売上目標が前年より下がっている。

     これらの問題指摘にもかかわらず課長のあやふやな回答でそれぞれの月目標改定には至らなかった。職位が上の圧力で改善されなかったーと言うことだ。

     これでは駄目だ。「何が正しいのか」職位の上下に関係なく判断できなければ管理職(課長)として失格だ。

     毎年効率UPして生産性を挙げている。翌年にはその成果として目標値が上がらないといけない。この道理に従って自分の課をレベルUP するのが課長の役割だ。同じ目標値で行こうとするのは許されない。

     本日(8/1)、管理課と印刷課に目標を上げさせた。

    当り障りない無責任質問

     決算発表会で1人3回質問が順調に行ったことにあじをしめ月1回の全体朝礼で1人1回質問をやった。

     「目標を達成した理由は何か」「前月より改善したところは何か」とか当たり障りのない質問ばかりで急所を突くような質問は皆無。こんなやり取りをしても問題点は浮彫にはならない。呆れてしまった。

     司会者の問題だ。1つの質問に問題点を掘下げる司会者が居ないと上っ面を撫でたぐらいで終わってしまう。

     王子の問題点は5つである。5点の目標値があるのに達成しなくてもOKを出しているのでは何ら検証にならない。未達を攻めるぐらいでないと問題解決に繋がらない。

     次回から未達の原因を徹底的に追及する。

     

    6月賃上げ 上げ過ぎた

     ㈱耕王ともに営業の支給総額UP率が2桁になった。

     営業優遇は昔からで、耕王には「営業は全員新規開拓をやる」という決まりがある。

     「ルートセールスは営業ではない。運搬人である」。「自分の職業は営業であるというなら新規開拓をやれ」と私はいう。

     新規開拓をやっていれば大口お客様と取引中断になっても「他から取ればいい」と考える。これが営業の気持ちを強くする。

      耕王営業部員は自然、新規開拓をやるようになった。こちらが一方的に言うだけでは不公平だ。そこで昇給だ。会社・営業双方が豊かにになればいい。

    読んだ痕跡見えぬ回覧誌

     社員の希望に沿って月刊誌を取っている。印刷情報、日経パソコンなどすべて14の部署での回覧を前提にしている。

     最後の私の所に来る頃は本がグチャグチャになって居なければならないが、本は綺麗なままだ。新品同様だ。回覧で少なくとも10人は目を通していなければならないが、誰も本を開いていないのだ。「専門の月刊誌を取っている」で安心し切っているのだ。これじゃだめだ。

     「20の記事があったらせめて1つ面白い記事を見つけ、ラインを引け」と言うことにした。私は専門月刊誌は「お宝の山」と思っている。1誌に1つは面白い記事がある。

     これをア~でもない.コーでもないと(こ)ね繰り回していくと具体的アイデアが湧いてくるものだ。出費は定期購読代だけだから費用は安い。そこから月100万円儲かるアイデアが生まれるかもしれない。

     「安いコストで莫大な儲け」。これが商売をしている私の最大の喜びである。 

    4階吹抜け納涼ホール

     世の中には贅沢なデザインのビルがあるものである。①品川区南大井の大森ベルポートA-D館 ②芝大門の自動車会館ビル

     いずれも建設されてから大分経つが、入った所にあるエントランスホールが凄い。4階吹抜けで廊下も耕文社の前の公道ぐらいある。ホールにはパラパラと座れる所がある。何せ天井が高い広い空間を冷房が入っているから温度はマイルドだ。

     建築設計の構造計算専門家を私は信用できる。しかしデザインは建築家に任せるものではない。彼らは自らの個性を出す意匠が優先してしまいコストは2の次だ。

     私であれば自分でラフデザインして構造計算は専門家にガチガチに計算してもらいたい。建物は堅牢であればいいのだ。皆が驚くような新奇性はいらない。

     しかし涼む段になると広い所がいい。これらのエントランスホールのような思いっきり無駄だらけのところで涼みたい。散歩途中寄ってみたい。

     勝手なものである。

    大熱狂 1人3つ質問

     7/24王子段ボール㈱で決算発表会を開いた。事前の約束として「1人3つ質問する」を義務付けた。参加者21人全員3つ質問した。2人が4つ質問した。会は1時間10分で終わった。

     貸借対照表、損益計算書は前年数字と並べて記入されている。1項目ごとの質問で「支払手数料が前期と比べ112万円増えた理由は何か」「経常利益が65%減った理由は何か」には総務課女係長・役員総出で答えた。

     決算書を見てのやり取りだから双方が臨場感をもってできる。質疑応答に飽きる社員は1人もいない。

     例えば減価償却費の意味を説明しなければならない。ちょうどいい機会だ。

     ①新規お客様開拓をやらないと売上は落ちる。②社員のアイデアで修繕費が50万円減ったーなど教訓染みた言葉も折込める。

     全員参加の王決算発表会は大熱狂のうちに幕を閉じた。

    役立つ情報 YOU CYUBU

     最近YOU CYUBUを見ることでまるっきり新しい情報に接することが多い。驚くばかりだ。その1つが「習近平退陣の噂」。政治家の誰がどうしたという話は面白いが根拠が分からない。上海では会社員の給与が半分になるという。財政収入の激減で公務員給与半減の通知が出ている。

     私などは「中国人は何でもできる強い民族」と思っているが好不況の波は他国と同じように国民が被る。結果一気に緊縮に入る。

     中国のYOU CYUBU精英論壇によると日本の「失われた30年」同様、中国も長い停滞に入る可能性もある。中国人の日本での爆買いも夢のまた夢になるかもしれない。それが「習近平退陣の噂」へと繋がっていく―という。それで最近の中国の政治状況を私でもようやく理解できる。

     資金繰りのかじ取りは「緊縮」が大原則だ。投資、投資と追掛けるのは危ない。投資は一見華やかに見えるが「回収の手順は見通しがついているのか」を1つ1つ確認しながら進めないと危険が大きくなるだけだ。放漫経済はいつかつぶれる。

     耕王が無借金であることは「緊縮」してきた結果である。

    詐欺まがいのサプリメント

     めまいで苦しんでいる私はハーブ健康本舗の「ヒザこし」サプリメント(2,000円台)を試験的に飲んでみようと購入した。3か月後に定期購入用のサプリメントが大量に入った袋が送られてきた。その請求額は13,440円。放っておくと再請求が来た。

     「お試しで頼んだので定期購入は申し込んでいない」と言うと「袋に『1回申し込んだら定期購入になる』と書いてある」とハーブ側。大量に入った袋は送り返すことになった。

     私はハーブに宅配便で返送した。サプリメントは効かないし請求額も大きい。「だいたいサプリメント販売会社はこんなものだろう。ハナから信用する方がいけないのだ」と反省した。

    決算報告会で1人3つ質問

     今年の決算は両社ともにパッとしなかった。おびただしい減益だった。

    ㈱耕文社 売上 前年比100.2% 経常利益 前年比27.6%

    王子段ボール㈱  〃 99.4%     〃       34.5%

    惨憺たる結果であった。数字が悪かったからせめて決算報告会を面白くしようと思った。

     1人3つの質問をするようにしよう。王の実際の姿を社員の質問でほじくり返してもらおう。

     7/16(水)開いた耕の報告会は準備不足もあってなおざりの質問しか出なかった。盛り上がらなかった。決算は確定しているので会では質問の嵐になれば面白い。

     「期末の棚卸額は来年の決算にどう影響するのか」「渡辺の交際費が前年比40万円減った理由は何か」。どぎつい質問ほど面白いものだ。

     決算書をわが身の物にしてもらうには参加者全員がアクティビスト(モノ言う株主)になってもらえばいい。

     王の報告会は7/24(水)開かれる。社員は22人いる。1人3つの質問で質問は66出るはずだ。社員は株主ではないが「口うるさい参加者」になってもらうように私は演出する。

    減る手形、増える振込

     とてもいい傾向だ。元々売買は現金決済で済ますものだ。耕文社では31年前の1994年3月から支払いは銀行振り込みだ。

     当方は「払うものはなるべく早く」を基本方針にしている。現在は

    ①20日締めで当月末銀行振り込み  (王子段ボール)

    ②  〃  翌月1日  〃  (耕文社)

    でお支払いをしている。

     両社とも10日の検収期間で現金化するから外注さん・仕入れ会社さんから好感をもって見られている。

     問題は回収だが、回収手形・電債は耕王合わせて6枚ほどだ。ずいぶん減ったものだ。その他の入金はすべて振込だ。10年前は回収手形30枚を落ち日順に並べて右往左往したものだ。

     これも「2026年度末までに手形・小切手の交換廃止」が手形交換所で決まって、いよいよ現金決済が普通のことになる。気持ちの良いことだ。現金化というスピード応対、スピード決着ほど商売の効率を上げるものはない。

    フジダンさんが18社グループ化

     ㈱フジダン(本社:中央区)さんが有力段ボールメーカー㈱八木段ボールさんら3社を100%子会社化すると同時に従来の取引先14社を集めて「㈱プロパックスホールディングス」を設立した。

     どのように機能していくかは不明だ。いずれにしてもここ3年に渡たる段ボール需要の低迷は各社に大きなダメージを与えている。

     当社を含めて段ボール需要の頭打ちは悩みの種だ。「拡大し続けるだろう」と楽観していた段ボールマーケットが縮小しているのだ。

     2024.5.21-2025.5.20王子段ボール㈱の決算がでた。

    売上       経常利益

    603百万円        15百万円 

    (前年621)      ( 前年  44)

    と減収減益となった。予想よりはるかに悪い。

     原因は①低価格

        ②値上げの不徹底 

        ③配送コストの上昇―が挙げられる。

     1年間を振り返って低迷をマーケットのせいにはできない。「全部自分が悪い」と思っている。

    小さなことでも改善して行こう。社内から出てきたアイデア実行の背中を押そう。

    毎度面白い大学同窓会

     7/12東京駅北側のビルで開かれた大学同窓会に出た。いつものことながら懇親会は面白い。

     「おい君、学部はどこだ。私は経済だ。77歳だ」。暇そうに立っているおじさん、おばさんに声を掛けると誰もが喜んで話に乗ってくる。ロクに知人もなく皆、孤独なのだ。

     堰を切ったように自分の経歴や苦労した仕事の話をしてくる。私はニヤニヤしながら合図知を打っていればいいのだ。

     腰の曲がった中央官庁の元役人が私が新聞社に居たことを話すと「道理で態度がデカいと思った」と絡んできた。

     「こんな美人が居たのかよ」と思った理学部出身の50がらみの女は「長いこと会社の研究室に居たが一念発起して都議選に出た」と言う。今都議。私は「あれだけの美人なら都議になってもいい」と思った。

     持病のめまいを抑えながら電車で20:00過ぎ帰宅した。いつものことながら愉快な同窓会であった。同窓会のお陰で日頃溜まっていたモヤモヤ感が無くなっていた。私の気持ちに一陣の涼風が吹き抜けていった。

    熱中症対策はコップ6杯の水

     喫茶店に入って最初に飲む冷水は旨い。続けて2杯。落ち着いたところでさらに3杯。今度は少しずつ。

     大衆中華の日高屋ではテーブルに置いてある酢の瓶から大量に酢を注ぐ。酢の香りが口に広がり冷水は快い夏の飲み物になる。全部タダだ。

     どんな形にせよ店を出るまでにはコップ6杯の水を飲む。77歳の老人が路上で倒れたら大騒ぎになるだろう。そのみっともない姿を晒したくない。

     「○○やれば絶対安全」と言うお札が欲しい。それが「コップ6杯の水だ」。冷水でなくてもいい。「飲んだばかりだ」という自己暗示があれば足腰もしっかりしてくるだろう。どんなに陽にあたろうと、どんなに風がなくてもコップ6杯の水さえ体に入れておけばトンデモナイことにはならない。

     そうしていれば夏は過ぎていく。

    パッケージ売上増に耕燃える

     オフセット印刷物激減に耕はオンデマンド印刷物増強と言う手で何とか売上落込みを防いでいる。増えた商品は①POP ②シールだ。これはこのままにして第3の柱が欲しい。

     それがパッケージだ。長く生産できる営業品目としてパッケージは最有力だ。「印刷する製造業」としてパッケージは息の長い商品なのだ。パッケージの売上構成を急激に増やす必要がある。パッケージならば何でもいい。たとえ少量でも有難く受注して良品を納める。

     お客様の大小は問題ではない。マーケットが縮小している今の段ボール業界の受注戦略だ。段ボール業界に13年前に参入したことで多くの「学び」があった。

     お客様を選んでいるよりも滅多矢鱈とお客様件数を増やす方が得策である。営業に迷いがなくなる。今小さくともどう変化するか分からないのがお客様だ。その浮沈を眺めているのも営業の興味深いところだ。

     マーケットの変化により段ボールは着実に増える。それと並行してパッケージも伸びる。この2本の柱で耕王は安定した成長の道を歩む。

    84歳老婦人の文章に魅了される

     ヨコハマ文芸と言う同人誌の3頁のエッセイ「銀ブラ」を読んで驚いた。

     幼馴染の聖子ちゃんが持病が良くなって、2人でうな重を食べに銀座に出てきた。はしゃぐ2人の様がさもありなんと繰広げられる。その筆致を1語1語噛みしめて読んだ。「地方の同人誌にこんな見事な文章を書く投稿者がいたのか」。

     後ろのページをめくってみると同人誌世話人代表交代の記事が載っていた。高齢のため役を下りたいと言っている人がなんと「銀ブラ」の投稿者・桐本美智子さんだった。

     桐本さんはガラス絵の作家であり作品は同誌の表紙を飾っていた。「桐本さんが6年に渡って年2回発行のヨコハマ文芸を作ってきたのだ」と分かった。

     文章とはその人の全人格を表す。良き人が運営する同人誌はこれまで健全に発行されてきたのではないだろうか。知人が持って来てくれた初めて見る同人誌で私は気持ちの良い感動を得た。

    防暑対策は水をかぶる

     体温を下げるには水をかぶるのが1番。暑くてどうしようもない時は風呂場で水をかぶる。シャワーヘッドから出る水は体の隅々までいきわたり、気化熱として熱気を吸い上げてくれる。これ以上の防暑はない。

     1回やってダメならすぐ寝て、しばらく経って2回、3回と。流石に3回水をかぶったのは数回しかない。と言うことは2回被れば十分と言うことだ。

     体が乾くまでパソコンでも見ていればいい。折角濡れた体をタオルで拭き取ってはいけない。自然気化に任せておけばいい。

     私は冷房を付けない。網戸から入ってくる風で涼んでいる。その風を「極楽の余り風」と言う。

    うな重に1番合う奈良漬け

     奈良駅周辺は奈良漬けの店ばかりだが、東日本では途端に手に入りづらくなる。(酒)蔵で作っているところがあるが東では貴重な漬物だ。

     うな重に奈良漬けが大量についていると、嬉しくなってしまう。本当にありがたいと思う。1つ1つをかみしめるように食べる。

     巣鴨地蔵通り商店街で漬物屋に入ったらマイナーな商品棚の隅にあった。奈良漬けは瓜(うり)を漬けたもので奈良では木箱に入った形のいい高級品が並んでいる。

     沢庵、奈良漬けは日本の文化である。例えば「これを主菜にして御飯3杯食べろ」と言われたら私は食べられる。

     東日本でも奈良漬けを復権させたい。それには私が奈良漬けを大量に食べ続けることだ。

    顔面を露出して元気に生活

     7月に入り私は「マスクは禁止」を強硬に言っている。耕に男女1人ずつ、王に女2人男1人の計5人が1日中マスクを着けている。

     コロナが終息した今、マスクをつける理由がない。「風邪予防のためだ」「のどが痛いので」とか言っているが、病気が怖ければ会社を休めばいい。

     私の常套科白は「これから自宅に帰りなさい。家でマスクをしていればいい」。

     そもそも私は首から上に付けるものが嫌いだ。帽子、眼鏡、着けまつ毛、マスク、マフラー。目が悪いのに眼鏡をかけるなとは言わないが最近はファッションでかける人が多い。

     マスクもそうだ。会社で仕事をしながらマスクで顔を隠されたら会話で相手の気持ちを読み取れない。ましてファッションでマスクをつけるなど言語道断だ。会社全員がマスクをしていたら将に「異様な会社」である。

     顔面を丸出しにして生活するのが1番だ。健康にいい。皆さんは素顔が1番美しい。

    名刺を2種出すのは愚

     7/1半蔵門で開かれたグルメ会で主催者が「初めての人も多いと思います。名刺の交換を全員とやってください」と言う。

     30人の参加者のうち6人が2種の名刺を出してきた。「これは副業です」「子会社です」「ボランティアでやっています」。挙句は「主人が自民党の市議をやっています」といって亭主の名刺を出してくる。

     その人の主業を言えば自己紹介は終わりだ。そんなに覚えきれるものではない。ご飯を食べている主業しか私の興味のあるものはない。

     こういう会で交換した名刺は、私は翌日ゴミ箱に捨ててしまう。私の商売に関係ないからだ。

     2種以上の名刺を出すことで焦点がぼやけてしまう。初対面で焦点をぼやかそうとする人と会話しても得るものは無い。

    役員20人の洋紙代理店

     役員改選の時期で各社から丁寧な株主総会後の新人事のお知らせが来ている。最小でも6人の役員がいる。驚くことに多いところは20人の所も。中小企業で多くの役員体制にするのは無駄だ。

     日産自動車の役員数63人は話題になったが、役員となれば相応の年収を約束しなければならない。耕文社の役員は4人、王子段ボールは3人である。いずれも最低限の人数だ。

     しかも長い間、耕は内部留保に資金が残るような決算を組んできた。①役員には賞与を支給しない。②株主への配当は一貫してゼロ。

     これも同族会社だからできることで、①②を実行してきたのは中小企業の中でも極端な例だろう。おかげで今は金融機関からの借入はゼロになった。

     「会社経営の決定は3人いればできる」と言われている。人数が少ないほど決定のスピードは速くなる。

    多くの役員を抱える会社は、私は効率が悪いと思う。役員を減らし権限を実権者に集中して、その人の決定を自由に認めて行く方が経営者にとっても楽ではないか。

     いずれにせよ会社の役員は会社の大小に拘わらず6人未満でいいのではないか。

    外注さんの型保管は2年内

     量産終了後の金型の平均保管期間20年超が13.2%。最近の下請け(外注さん)会社の金型保管期間データだ。

     板紙・段ボールを切る我々業界と違って金属を切ったり鋳込んだりする金型は長期保管を要するが、それでも20年超はひど過ぎる。

     金型を作る費用は発注者が持ち、保管するのが下請け(外注)さんの費用になっている。そこが問題なのだ。

     耕王では「2年超リピートのない型は廃棄する」ことにしている。型保管は外注さん負担なので知らないうちに2年超外注さんの倉庫に置かれたままになることがある。保管代は無料だ。

     これを予防するには「外注さん別 型保管表」をこちらで作って置く必要がある。定期的にチェックを入れ、2年経ってリピートの無かった型は耕王に引上げて廃棄をする。

     金型と比べ板紙・段ボールを打ち抜くための型は安価だが、ともかく外注さんに迷惑を掛けないようにしなければ耕王は「身勝手な発注者」になってしまう。

    八千代市のシャンソンの会に行く

     6/28千葉県八千代市市民会館で開かれたシャンソンフェスティバルに行った。知り合いの歌手が出るので遠路はるばる電車を乗り継いでだ。

     今時シャンソンでもないが、小ホールは8割がた埋まって盛況だった。出る歌手は平均70歳超え、客は80歳に近い人達だった。

     しかし始まると舞台の雰囲気はパリだった。歌手は「ここ1番の披露の場」とばかりに目一杯の声量を披露する。着飾って来た客も昔を思い出すように聞きいっていた。私も「悪くないな」と思いながら聞き惚れた。

     このシャンソンの会は40回になるという。今でこそ高層マンションが立ち並ぶ住宅街だが、昔は山林・畑しかなかった八千代市で何故シャンソンの灯が営々と続いてきたか。想像するに地元に古くあるシャンソン教室、ライブハウスがその灯を点し続けてきたのではないか。

     西船橋―八千代中央駅を結ぶ東葉高速鉄道の通過駅4駅の運賃580円には驚いた。

    盛り上がらぬ段ボール需要

     3年目に突入する段ボール需要の低迷だ。週刊ニュース社によると大手段ボールメーカーの稼働日数は前年より微減している。

     低迷の理由は①食料品の値上げだ。値上げが長期にわたって続くと②食料品の売れる量低迷➡③段ボール箱を使わなくなり④段ボール業界低迷だ。

     世の中の動きがもろに反映している。

     王子段ボールとして何をやるべきか。それは新規開拓だ。今のような状況は好機である。

     お客様を選ばず片っ端から営業をかける。一旦、王のお客様になったら王のスピード応対が普通のことになる。

     スピード応対の中味は

    ①返電は1分内

    ②見積り提出は当日中

    ③見本提出は翌日中

     スピード応対以上の時間を要する業者ではお客様が満足いかなくなる。そこで「やっぱり王子段ボールにしよう」ということになる。

     お客様満足度が上がっていけば、当社はさらに新しいサービスを開発していく。

    日本公庫があなたのお店をサポート

     こんな広告が日経MJ の6段で載った日本政策金融公庫(日本公庫)は長い間耕王ともに融資をお願いし助けてもらってきた。

     「預金をしなくてもお金を貸してくれる銀行」と言うのが第1の特徴だ。2008年に①国民生活金融公庫②農林漁業金融公庫③中小企業金融公庫が統合して㈱日本政策金融公庫を設立した。耕王ともに③の中小企業金融公庫のお世話になってきた。

     今は耕王ともに借入ゼロになり接点が無くなったが、勉強会・懇親会には参加したいと思っていた。ところが、借入ゼロの会社が参加するのはイヤミに思え、足が遠のいている。いずれ資金需要が出てきたらお願いに上がるつもりだ。

     公庫は企業にとっては資金調達の「最後の砦」と言われているだけに当社としても軽々に離れるわけにはいかない。

     なお、前身が日本開発銀行の㈱日本政策投資銀行は別の法人である。融資対象企業の売上規模が日本公庫の取引先のおよそ100倍である。

    同人誌から作家が出るかも

     同人誌の発刊が盛んだ。私の手元に香川県の「四国作家」(年1回)、横浜市の「ヨコハマ文芸」(年2回)なる同人誌がある。いずれも素人が健筆をふるっている。

     読むと相当ひどい文章もあるが、74歳の老婦人の友との交流を書いた随筆は、その文章の巧みさに感服した。落ち着いてゆっくり読めるもので恐ろしいことに1語たりとも余計な言葉はなかった。

     こういう人が同人誌の常連になって行けば誌自体が高級なものになって行く。それに「同人誌出身の74歳老婆が直木賞受賞」なんてことが起きるかもしれない。こんな事態になれば嬉しいことだ。

     音楽・絵画・文章の3つの芸術に共通の接頭語がある。「美しい」と言う言葉だ。美しい文章とは無駄な言葉がなくてテンポよく読める文章である。世の中に美しい文章が氾濫すれば、人々の文章への美感覚は大幅にStepUPするのではないか。

     なお、良い文章とは「分かり易い文章」を言う。は不変である。

    6/21は夏至である

     昼間が1番長い日。私が1番好きな日だ。今日を境に日1日と昼間の時間は減って行く。それを考えると寂しくなって行く。

     ちなみに今年の冬至は12/22(月)である。私は毎年夏至と冬至とにらめっこしながら過ごしている。

     転輪の運行には逆らえない。

    残った料理が勿体ない品川法人会

     6/20品川法人会の情報交換会(懇親会)に参加した。私は法人会の料理が美味しいから毎年参加している。量も多い。昼抜きで行ったが食べ切れない。刺身、野菜の煮物、サザエ、焼き鳥。ありとあらゆるものが並べられている。夢中で食べたが間に合わない。

     参加者は昨年より20%ほどすくない。

     法人会は地元の商工業者の納税意識を高めるための集まりだ。いわば国税庁の御用団体だ。私はきちんと納税することに異論はない。企業は納税をきちんとやるのが社会的義務だ。前年より多く法人税を納めれば私は嬉しい。

     よく節税と言われる行為は納税の繰り伸ばしに過ぎない。今期3千万円支払わなければならないところ、うち2千万円を2-4年先に払うという風にするだけだ。

     架空の支払先・領収書を使うことを脱税という。企業の経営者にとって脱税ほど恥ずべき行為はない。

    私が脱税で摘発されたら会社を清算する。

     情報交換会の料理はかなり余った。量は半分で良かった。国税庁はサステナブルを実行し食材を捨てることを避けなければならない。サステナブルの食の第1目標は廃棄食料を無くすことだ。

    如水会館の弁当はひどい

     6/13前の職場(毎日新聞社)の同僚ら8人で昼食会を開いた。千代田区一ツ橋の一橋大学同窓会会館の如水会館15階の立派な部屋だったが、出された弁当がひどかった。

     会費は4,500円、薄い肉の揚げ物にキャベツが少々、コンビニの弁当の方がよっぽど益(ま)しだった。

     道路挟んで向かいの学士会館が建て替え中のため如水会館は大繁盛。

     如水会館の調理は東京会館と同じだそうだ。私は東京会館の洋食堂プル二エによく行く。プルにエの料理は旨いと思っている。如水会館の弁当との落差はどうして生じるのか。

     今度如水会館の弁当を頼むときは、調理はどこでやるのか確認する。

    改装された銭湯多い台東区

     鶯谷駅近くで食事するためその前に近辺の銭湯に入ることにした。駅前交番で教えてくれたのが「萩の湯」。駅北口から2分ほどの所にある近代的銭湯だった。あいにく月1回の定休日にぶつかってダメ。  

     タクシーを拾い日暮里駅繊維問屋街入口にある「斉藤湯」に入った。ここも中は綺麗に改装され1部の隙も無かった。「改装を進める」とは店主の跡継ぎがしっかりいるということだ。

     重労働の銭湯経営に太田、品川区の銭湯では後継者が決まっていないようだ。若い後継者は20年、30年先を見越して順次改装を進める。それが「清潔な銭湯」に繋がり店はますます繁盛する。

     今後銭湯に入りたくなったら鶯谷に行く。

    馬鹿にならない不動産収入

    現在耕文社では微微ながらも不動産収入があり、それで息をついている。

    一覧で示すと

                    耕文社不動産収入    万円
      年収入固定資産税
    1大井町駐車場480182
    2相模原駐車場   13060
    3スマホアンテナ150 
    760242

    金額はわずかだが私にとって心の拠り所だ。昔、不動産は上がると見込んで買った土地もほとんど値上がりしなかった。

    ここで値上がりする不動産の特徴を言うと

    1、まず場所だ。借地権の土地は止めるべきだ。

    2、私道のある所もダメ。前面道路が6メートル以下もダメ。

    3、商業地域がいい。

     昔は貧乏だったから質のいい土地は買えなかった。でも値上がりしない残った土地は私の大事な財産だ。愛情さえ感じている。

     2カ所とも野天の駐車場だ。「生き物に不動産は貸すな」と言う言い伝えを守っている。鋼鉄製の車に場所を貸しているのだ。

    寿司食い過ぎで気失う

     神田駅北口の江戸っ子寿司の回転コーナーで画面で注文しているうちに前後左右が分からなくなり大量注文してしまった。個数にして40。

     1つ1つ食べているうちに「まだある。まだある。何とかしよう」としながら2つを残して席を立った。体が突っ張って何もできない。ほうほうの手で品川駅にたどり着き自宅の煎餅布団に倒れこんだ。

     そこで意識が途切れ、目を開けたら夜の7時。3時間眠った。なんと非生産的な午後だろうか。

     何もする気はしない。それからまた眠った。

     私にとって昼飯は1日のピーク。なにを食べるかが1日の最重要課題だ。1番穏当なのが立ち食いの小諸蕎麦の「モリ・親子丼ランチセット820円」。

     この日の回転すし代は5,000円だった。

    パッケージ受注に軸足

     6/13(金)の役員会で今後パッケージ売上増に集中することが決まった。

     今まで①シール②パッケージ③手提げ袋④カレンダーの4商品に力点を置いて受注増を図る方針であったが、ここに来てマーケットの大きさ、技術の深さからいってパッケージの研究開発の重要性が出てきた。

     例えばパッケージ資材の板紙にしても

     ㋑コートボール

     ㋺特殊板紙(特板)

     ㋩高級白板紙(高板)がある。

     パッケージで営業を掛ける際この3種の見本提示が必要だろう。

     幸い耕にはパッケージデザイナーの富吉孝洋さんがいる。お客様の漠然としたパッケージ形状デザインを瞬時に白の形状見本として提示できる。これには担当者様は喜ぶ。お客様社内・その先のクライアント様に説得力を持つからだ。

     また王子段ボール㈱という段ボール箱製造の専門子会社があり、管理部長の菅原功さんは外注発注に精通している。

     これらの強味を結集していけばかなり具体的提案がお客様にできる。

    外注さんと懇談する良い習慣

     ㈱耕文社管理課は来訪した外注さんと懇談することが多くなった。6/12も来訪した卓上カレンダー・リング製本の外注さん2人を囲んで4人の管理課員全員が40分ほど懇談していた。管理課は用紙・外注発注の部署である。

     私の経験から専門家の話を聞けば大概のことは分かってしまう。PP加工の外注さんに①乾く時間②PP濃度の加減③PP液の種類―を聞けば外注さんは自分の専門領域だから熱心に教えてくれる。

      一連の話で専門家と同じレベルのことをタダで習得できる。こんなチャンスはめったにない。折角来てくれた外注さんを離す手はない。

     私は前々から「話を聞いたらどうか」と管理課員に声を掛けていたが最近になって自分から聞こうという雰囲気になった。

     私の印刷知識はほとんどが機械メーカー、資材販売店、外注さんから教わったものだ。強烈な印象として残っている。それが今までどれだけ役に立ってきたことだろう。

     所詮、専門家にならなければ良品は作れないし、利益も出ない。

    新規開拓やってこその営業

     新規開拓をやらないのは営業ではない。物を運ぶただの配達人である。「私営業やってます」と胸を張って言う人はほとんどがルート営業だ。

     私は印刷業に転職した29歳の時から飛び込み営業をやってきた。多く飛び込んだ割には成果が上がらなかった。深刻さが足りなかったのかもしれない。 

     印刷業に止まらずあらゆる業界で新規開拓は重要だ。建設、流通、機械部品製造など。三菱UFJ銀行では新宿に新規開拓専門の部隊がある。当社にもやって来た。

     私は70歳の時若い営業と2人で荒川区で段ボールの飛込み営業をやっていた。「足立区の段ボール会社の者です。段ボール箱の注文はありませんでしょうか」。店に居た老夫婦が歓待してくれて濃い麦茶を出してくれた。その時の極端に濃い麦茶の美味しかったのには感激した。今でも忘れられない。

     「おいくつですか」「70歳です」と私。「大変ですねえ」と笑いながら私を見ていた。こんな1コマも忘れられない。

     新規開拓が平気になると怖いものが無くなる。「今の仕事が無くなったら新規開拓で補填すればいい」と考えるからだ。

    休暇理由を聞いてはいけない

     部下から休暇届けが出てきたら上司は黙って受け取る。休暇の理由を聞いてはいけない。

     または理由を言ってから休暇申請する部下には「黙って休暇届を出せ」と言う。

     上司が「理由は何だ」と聞けば「体調不良です」と言うにきまっている。あえて部下にウソをつかせる必要はない。部下の私的都合を聞いてはいけない。淡々とやり取りしていけばいい。

     他社の例で、20人のアルバイトを使っている職場があった。職場長の所に「夫が癌に罹った」「息子が失業した」などと家庭内の困ったことを相談しに来るアルバイトがいて、職場長は誠意をもって話を聞いてきた。

     そのうち職場長は頭が混乱してきて「彼女はこんな問題を抱えているんだ」と私に言う。

     この時「部下の家庭内のことは一切耳を貸すな」と忠告した。「部下に付け込まれているんだぞ」。仕事と家庭は別である。「会社ではあくまで仕事の話だけにしろ」と私は言った。

    長良川の鵜飼い見た

     6/6(金)岐阜県長良川の鵜飼い見物をした。昔は30人いた鵜匠は現在6人。鵜舟は上流に行き1列になって下流に鮎を追い込む。観光客を乗せた船の目の前で鵜飼いが始まる。

     鵜飼いは全国で11カ所行われているが、鵜匠は世襲制で、宮内庁職員であるのは長良川だけ。鵜には飲み込んだ鮎をすぐ殺す仕掛けがあり、鵜がとった鮎は新鮮であり特別な人にしか行き渡らない。我々の口には入らない。

     観覧船には幇間(たいこもち)、舞妓が乗り込み、芸を見せてくれ華やかな観覧であった。

     幇間は浅草に6人いるのは知っていたが、岐阜にも2人いて全国で8人いる。

     同乗した鳳川(ほうせん)喜久治さんは浅草幇間と違って、茶道、書道や三味線を弾くなどその一挙手一投足が幇間芸に徹した芸人だった。

     浅草の若手幇間は喜久治さんの所に修行に来るという。私は三味線を分解して箱に詰める動作などその手際の良さを隣で惚れ惚れと見ていた。

     おもしろうて やがてかなしき 鵜舟かな

                    松尾芭蕉

    王耕利益は予想の半分

     2025年5/20決算の見通し数字が出た。王子段ボール㈱が2500万円、㈱耕文社が8000万円の経常利益。売上は両社とも前年並みであった。

     売上増は期待していなかったが、利益が思ったほど出なかった。社員のアイデアを毎月積上げて行けば王が5000万円、耕が1.2億円の利益が出ると見込んでいた。ところが蓋(ふた)を開ければ見込みの半分であった。

     その原因は「利益への集中」が足りなかったことにある。

     両社では原価計算は表立ってはやっていない。月の損益表から課ごとの反省点を挙げて改善していくやり方だ。

     例えば営業の利益は個人の付加率で見て行く。2%しかない営業には「目標は10%だが、とりあえず5%にしろ」と言う。

     利益の出ない工場の課・係には1人当たりの1日売上目標を1.2倍にするが「○〇までに△△の売上にしろ」とは言わない。「課・係の月の損益を改善しろ」と言う表現だ。これだと社員1人1人に対するプレッシャーが曖昧になる。社員の気持ちは楽になる。

     そこが付け目でやっているが、長の改善点指示の言葉が不明確だと効果が出ない。今期の問題はそこにあった。

     決算の反省点から「月次損益が出たら翌日には長が課・係の改善点を発表する」をやる。

    「新聞之新聞」が面白い

     昨年(2024)7月から定期購読(週2回発行)している。私は50年前の20代の頃新聞業界に居たせいもあるが新聞各社の動向を上から眺めている業界紙「新聞之新聞」(本社、文京区千駄木)を興味深く読んでいる。

     若い頃は下っ端で上を眺めて新聞社の経営を想像していたが、今では新聞之新聞を読んで鳥瞰的に業界を眺めている。

     例えば八重山毎日新聞社創刊75周年を祝う記事は沖縄県石垣市で開かれた会のあいさつの詳報では「75年前は数紙の新聞が創刊されたが1番政治色の薄かった当紙が残った。これは創刊時の社長の公平無私の報道が市民に支持された結果だ」地域紙の当紙が生き残った理由が述べられていた。八重山毎日新聞発行部数は公称16,000部。

     新聞之新聞社が一声かければ在京各紙の○○部長、社長が駆けつけてくる。そこで新聞業界の動向が侃々諤々(かんかんがくがく)述べられる。

     印刷と同じで新聞業界の環境は厳しいだろうが、とりあえず現経営層が方針を述べている。この年(77歳)になって各紙経営陣の意見を拝読できるとは嬉しいことだ。

    工場怪我は自身の責任

     6/2王製函課員が指に怪我して近くの敬仁病院で3針縫ったと報告があった。私のその時の応えは「ふざけるな。指に怪我して勲章でも取った気でいるんだろう。また怪我するようだったら辞めてもらう」だ。

     耕印刷課でも前月(2025.5)機長が怪我した指にぎょうぎょうしく包帯をして報告に来た。その時も同じようなことを言った。

     腕1本失くしたなら別だ。今の機械は安全装置がついている。ほとんどが本人の「不注意による切り傷」だ。

     「痛くないか」と言って包帯の上をさすってやったら逆効果だ。猫のように甘えてくる。こんなことに付き合っていられない。すべて自己責任である。

     緊張して機械装置に付いていれば、事故は起きないし良品が生産できる。

    伝統の料理・西新井清水屋

     5/30(金)西新井法人会(足立区)の総会後の祝賀会に参加した。王が法人会に入っているための例年の参加である。

     料理は西新井大師門前で330年料理店をやっている清水屋。毎年のことながら出される料理が旨い。今年はもつ煮の品のいい味付けには感心した。

     寿司、天ぷらは定番のメニューだがどれも水準以上だ。清水屋の料理を食べられるだけで法人会に入っている意味がある。

     12代女将の清水洋子さん(80前)は上等な洋服で挨拶に回っていた。西新井門前には大きな料理店が2軒あったが、1軒は老人介護施設に代わり残っているのは清水屋だけだ。時代の流れで仕方ないことだが西新井大師=清水屋。これからも私たちに伝統の味を提供してもらいたい。

     13代目の清水篤さんは調理場にいるとのこと。

    目標数字を下げる技術

     売上を上げるため目標を上げるだけが能ではない。下げるのも売上UPの技術である。

     耕印刷課では菊全4色機の月売上を200万円と決めていた。ところが200万円に届く月はなく課に絶望感が漂っていた。「いくらやっても駄目だ」。

     そこで出てきたのが月目標を200→185万円に切下げ案だ。翌月から1日目標は10→9.25万円になったとたん「達成、達成」の声。課員の表情が明るくなった。

     達成すれば大威張りだ。実績売上は前月比10%上がった。機長・補佐・印刷課課長全員が万歳三唱。

     王配送係は1日12回本社⇔お客様を往復する目標だ。これがなかなか達成しない。

     そこで5/30から目標を12→9回にした。耕印刷課と同じような「目標を下げて売上を増やす」結果になるだろう。

    やはり水道水が1番の飲料

     私の冷蔵庫には①スーパーライフで買ったヨーグルト飲料②カゴメのトマトジュース③長野県のリンゴジュース・しぼりっぱなしの900-1,000CC紙パックが入っている。

     旨いからつい飲んでしまうが、味が濃過ぎてどれも後味が悪い。飲んだあと後悔する。

     水道水が当り障りなくて1番後味がいい。1杯の水。これがその後の1日にどれほど体調を良くするか。最近は出社前に大カップ1杯水を飲む。「あとはスムーズにいく」という確信のようなものが生まれる。

     自販機には実に多くの飲料が並んでいる。どれもが不要だ。最終的には水とお茶に集約されることになるだろう。

     耕では半年前から天然水を買い始めた。女デザイナーの提案だった。水道水が1番と思い込んでいる私は天然水よりも都の水道水で十分だ。

    表現は1語でする

    1、ベンチャー(和製英語)起業 スタートアップ(英語)

    2、パイオニア(独語) 先駆者 ピオニエ(仏語)

     上記のように同じ意味の言葉が複数で言われることがある。私は左の言葉で言うようにしている。右の言葉は使わない。それぞれの言葉の意味が違うように使うのは無駄な混乱を招くだけだ。いろいろな言葉が出てきたら自分の中で1語に決める。

    例えば

    「業績が悪かったのは日々の赤字要因を明確迅速に机上に載せて、的を射た文章にして改善策を正確的確に決めていなかったせいだ」とは書かない。

    「業績が悪かったのは日々の改善事項を明確に机上に載せて、改善策を正確に決めていなかったせいだ」と書く。

     文学作品を創作しているのではない。なるべく短い文章で分かってもらえればいいのだ。そのためにはどうしたらよいのか。私はそればかり考えている。

    77歳が元気に蕎麦食い会

     5/19(月)都立広尾高校14期D組のクラス会が四谷4丁目の蕎麦屋で開かれた。参加は11人。酒を飲まないのは足の悪い私だけ。

     皆さんグビリグビリ酒を飲んで大はしゃぎ。「何が楽しいのか分からない」。体の調子が悪いと顔つきまで険悪になってくる。1人沈んでいた。

     兎も角この連中は仲がいい。1966年の卒業以来56年間折に触れ集まっていた。クラス会という名目なら参加するが仲良しグループの集まりだから私は敬遠してきた。1人ずつ死んで人数が減ったため私にも声が掛かってきた。

     高校当時私は目黒区に住んでいた。連中は新宿区、渋谷区の人間で性格がシャカシャカした人当たりのいい生徒だった。コマッシャクレタ人間の集まりでそれが気に入らなかった。

     年を取るとそれも気にならなくなった。呼んでくれるだけでありがたい。話がなければ仏頂面で座っていればいい。それだけで暇がつぶれる。

    王社員が二之宮を担いだ

     5/18(日)の「三社祭りで二之宮担いだら肩に瘤ができちゃった」と王製函課の藤井芳和さんが言う。「凄いな。ちょっと触らせろ」と言って肩をもむように触ったが瘤なんかありゃしない。

     中背の藤井さんは、担いだのか神輿にぶら下がったのか分からない。

     しかし日曜日の宮出しに行く心意気にはもろ手を挙げて賛成だ。

     私は二之宮が好きだ。頭の擬宝珠(ぎぼし)の簡明なデザインがいい。一之宮の鳳凰の飾りのようにゴチャゴチャしていない。

     練り歩くコースが浅草警察署のある浅草寺東部というのも何となく地味でいい。

     私は足がダメで二之宮に着いて行けそうにないので宮出しの日は1日中自宅に籠っていた。

    段ボールリサイクルの4大禁忌(きんき)品

     禁忌品とはリサイクル回収不可品を言う。リサイク率94%の段ボールの禁忌品は次の4品目だ。

    ①昇華転写紙 

    ②感熱紙 

    ③ロウ引き段ボール 

    ④臭いのついた紙。

    これらの古紙を除外すればすべての段ボールは新たなシートとして再生できる。優良素材である。

    1、当社は、段ボール箱を作ってお客様に納品する。

    2、お客様は使い終わった段ボール古紙を回収業者に渡す。

    3、古紙は大手原紙メーカーに集められ、溶かされて新品の原紙として再生される。

    プラスαのサービスは見本提出

     ㈱耕文社は2日内に見本を提出する。

     お客様が知りたいのは①値段 ②見本だ。

    ①の値段は当日中にお知らせする。

    ②の見本は翌日中にお持ちする。

     5/21(水)から㈱耕文社は64期がスタートする。64期の戦略は「見本戦略」である。

     見本とは

    1、白見本(カティングマシンで作った形状見本)

    2、用紙見本(素材の特殊紙、化成品を持参)

    3、実績見本(当社で作った過去の完成品)

    の3種類だ。

     担当者様が判断しやすいように見本持参はプラスαの営業活動である。

    期末棚卸はありのままに

     期末棚卸で企業は簡単に利益操作できる。期末の棚卸を増やすことでいくらでもその年の決算利益を増やすことができる。

     例えば

    1、1億円棚卸を増やせば、当期の製造原価が1億円減る→当期の経常利益が1億円増える。

    2、棚卸で当期増えた利益1億円は、翌期の経費になる。翌期の経費が1億円増えるから→翌期の利益は1億円減る。

    3、棚卸を増やすことは損失の先送りに過ぎない。

    4、結論  毎年ありのままに棚卸する―のが1番効率のいい経営である。

    6/28(土)はトリプルブッキング

    1. 八千代市で開かれるシャンソン歌手のショー
    2. 國學院大學の展望食堂での高校同窓会
    3. 神保町の出版クラブホールで開かれる大学の学部同窓会

    3つも重なった。困った。何処に行こうか。

     日頃土日は予定がなく1人会社に出てアンパンを食べながら新聞4紙を読んでいる。5時間ほどつぶれる。これはこれで快適な時間だが、行こうと思っている予定が3つも重なるとは困った。

     コロナ終息、初夏。会合は一斉に始まった。岐路に立つと私は難局に強い。

     ここはすっぱりシャンソン演奏会に行くとしよう。理由は切符(5,000円)を買っちゃってあるから。

    背広はやはり合わない

     5/14(水)静岡市で開かれた京都・東福寺の開山であるある聖一国師(1202ー1280)顕彰会の懇親会に出た。静岡出身の国師を顕彰する会は毎年100人ほど集めて開かれている。今年は料理の旨い中島屋グランドホテルだ。

     正式な会のため私は新調した夏用背広を着て行ったがどうも上着が邪魔だ。翌15日は気温24度、結局上着を持って移動した。ちっとも楽しくない。やはり薄い袖なしジャンパーがいい。

     私は父親譲りでモノを持つのが嫌いだ。新幹線でどんなに遠方に旅行するときも手ぶらだ。下着はホテルで自分で洗う。高価な背広でも上着は邪魔な荷物でしかない。結論としては懇親会は軽く見られても袖なしジャンパーで通そう。

     ゆったりとした身なりでフラフラ歩き回れればそれだけで私は仕合せなのだ。

    進学した子供に祝金

     王子の鈴木崇さんの長男が中学に進学した。喜びのあまり「進学祝金」が欲しいと言ってきた。

     王耕の就業規則では①小学校 ②中学校の進学時に祝金1万円を出す。③高校は2万円を出すことになっている。ところが父母から祝金申請が今まで小学入学時だけしか来ないため実際には小学入学祝金しか支給していなかった。

     5/9の役員会で中・高入学祝金の漏れない支給のため父母が入学時に自分で全員メールすることになった。その第1弾が鈴木さんの全員メールだ。

      祝事はそうめったにあるものではない。まして子供の進学は未来がある。拍手で1万円を送ろう

    「文章を紡(つむ)ぐ」表現にウンザリ

     最近所々で「文章を紡ぐ」という表現を見ることが多くなった。作文者の自己陶酔的言い回しに私はウンザリしている。「文章を書く」と言えばいいのだ。

     「良い文章とは分かり易い文章である」と私は思っている。人には文章の上手い人と下手な人がいる。歌が上手いか音痴かの違いと同じ話だ。作文の上手い人を特別上等な人間と言わんばかりの「紡ぐ」には辟易している。

     しかも文章は教育で上手くなれる代物なのだ。歌は教育しても上達しない。

     私自身60歳まで文章が書けなかった。そこでたどり着いた結論は

    ①良い文章とは分かり易い文章を言う。

    ②結論―理由―事例の順で書く。

    この2つを守るだけで分かり易い文章になる。読んでくれる人を思い浮かべて「どう書けば分かってもらえるだろうか」を考え続ければいいのだ。

     「どう書けば分かってもらえるだろうか」を考えるだけで楽しいひと時になる。

    八百屋で買った沢庵が旨い

     品川区の北品川本通り商店街の八百屋やお福で買った沢庵だ。沢庵というと安い漬物の代表格だが、これがなかなか旨い。

     こんなに旨い漬物を軽く見ていた。握り飯を大きな海苔で包んで沢庵を摘まみながら食べる。これほど優雅な食事はない。1本240円の沢庵の大根の産地は新潟県。

     私は大根の漬物を安直なおかずとして甘く見ていた。しかし塩分控えめなら何の漬物でもいい。秋田県のいぶりがっこなどはいい食材だ。

     ネット通販に比べ値段は10分の1.地元商店街で買うとはるかに安い。

    通勤着はジャンパーがいい

     背広は持っているがほとんど着ない。冬はジャンパー、夏はモノがいっぱい入るポケットの付いたユルユルのチョッキ状の袖なしのジャンパーを着ている。下には白のYシャツ。夏は半そで、冬は長そでだ。

     なんとも威厳のない出で立ちだが、本人は「肩が凝らない楽なのが1番」とうそぶいている。背中に重いものを背負っているような身だしなみは御免だ。銀行の懇親会でジャンパー姿を白い目で見られたことも何度かある。

     昨年(2014)日暮里の生地問屋街で型紙(1万円)をとって半袖ジャンパーを2着(6万円)作った。型紙に取ったのは大井町のイトーヨーカド―で1着5千円で買ったものだ。

     できたジャンパーはペラペラで1着の縫製代が3万円とはかなり割高な印象を持ったが、楽な通勤のためなら惜しくはない。毎日元気に着用している。

    分断は不適切言葉

     最近の論調で「分断」という言葉がよく使われる。Aという意見があればそれに真っ向から反対するBという意見が有るのは当然である。それを「AとBで国民が分断されている」という表現になる。

     これはおかしい。意見の対立はあってしかるものだ。それを「世論を分断するものである」と決めつけると評論家が対立ばかり煽っている構図しか見えない。

     百家争鳴の中で「あれもある。これもある」という意見があるというのが分かればいい。それを一方の旗頭のように分断の象徴のように扱われたら意見を述べた人も迷惑だろう。

     アメリカの選挙で共和党と民主党員がいるのは当然のことで、アメリカが分断されている訳ではない。一旦選挙で勝敗が決まったら勝者の決断ですべてが実行される。それがルールである。分断などという言葉が入る余地はない。

    文章書きたくて仕方が無い

     人間には3種ある。①絵を描きたい人、②音楽をやりたい人、③文章を書きたい人。人はやむに已まれずそれぞれのことをやり出すのだ。

     私は駄文を書いていれば心の平安は保たれる。1日の私の仕事はブログを書くことだ。それが終わればあとは私の義務的仕事は何もない。1日に社員8人ほどにスマホを掛けてと雑談を交わす。相手をくさしているのか持ち上げているのか分からない会話だ。喋っていると楽しいからスマホを掛けているだけだ。

     もしブログを書く動作が無かったら私は虚脱状態になってしまうだろう。ブログの中味は数字と固有名詞を必ず入れることを建前にしている。抽象的内容では読者に分かってもらえないからだ。

     「昨年2024年の倒産件数は前年を大幅に超えた」ではよく分からない。パソコンで検索して「2024年の企業倒産は10,070件となった。 前年度2023年8,881件を13.4%と大きく上回った」と数字を入れる。

     読者に「分かり易い文章だ」と思ってもらえれば私は満足だからだ。

    食料品は最大商品

     商売をするのに何を扱えばいいか。食料品だ。片っ端から人間は食べて消費していく。ドンドン供給しないと足りなくなる。このサイクルには最多量の物が動く。この大きな流れにどう携わって行くか。商売発想の出発点だ。

     段ボール箱の消費はここ数年マイナスが続き業界は低迷している。食料品の値上げが続いているからモノの動きが鈍ってきた。それに伴って段ボール箱の消費も落ちてきている。

     理由がハッキリしているから気が楽だ。その積りで業界を眺めていると「いつ回復するか」までが予想できる。じっくり腰を落ち着けていればいいのだ。慌てる必要はない。

     発想の原点は食料品の比重の大きさである。食料品と関連付けて自らが扱っている商品の動向を占っていけばいいのだ。①食料品と印刷物、②食料品と段ボール箱。と見て行けば1つ1つの問題の回答は出やすい。

     例えば文房具と印刷物の関連はあれこれ考える必要はない。態勢に影響はないのだ。思考の外である。考えなければいいのだ。

    王子段ボール㈱発展のかたち

     1、買収を繰り返す 2、全国に広大な拠点をもって生産量を増やす―の2つだ。

     1の代表例がレンゴー㈱は過去15年で25社を買収してきた。これに続くのが㈱トーモクの4社だがそれ以下の大手、中堅会社はせいぜい1,2社の買収止まりだ。

     2の代表例が王子コンテナー㈱で全国に26の段ボール工場をもって拠点ごとの生産量を増やしている。さすが日本一の大地主・王子製紙㈱を親会社に持っているだけのことはある。

     では王子段ボール㈱はどの道を目指すか。結論を言えば、買収はしない。東京都足立区新田2-16-3の1,260㎡の本社工場1カ所でやって行く。

     ここでの生産量は段ボールシート面積にして5万㎡/日が限界だが、全国の外注さん(2025.5月現在150社)があふれた分を引き受けてくれる。

     売上は4月が5,286万円だった。生産した段ボールシート面積は2.2万㎡/日。生産キャパシティは5万㎡/日だからまだ2.3倍の売上にして月12,120万円の生産能力が有る。まだまだである。

     大企業の1、2に当てはまらない第3の道を行くつもりだ。

    影響ない銀行の再編

     県境を越えての銀行の再編がニュース紙上でにぎわしているが実際の所、我々中小企業とあまり関係ない。あくまでお金を貸してくれるかどうかの問題で、個別具体的な問題でしか感想は述べられない。

     1千万円の融資が直前でキャンセルになれば企業側は恨み骨髄だ。そんな思い出が途切れ途切れで中小企業にはトラウマのように残っている。

     14年前段ボール製箱会社買収で4,000万円必要になった。この時みずほ銀行五反田支店に融資をお願いしたら800万円を保証協会に払うように言ってきた。金利の上乗せ分だ。

     結局お支払いしたがこの時800万円は担保も十分にあり支払う必要はなかった。他行に頼む手はあった。銀行とは少しでも利息を多くとる商売だ。油断も隙もあったものではない。1点も気を抜いては付け込まれる。

     みずほとは耕文社が港区三田に本社があった時からの付き合いだ。前身は勧業銀行三田支店→第一勧業→みずほと変遷した。今もみずほ五反田支店には決済をお願いしている。