渡辺直喜

相撲解説・北の富士親方亡くなる

 私は親方の解説が好きだった。言葉は少ないがズバリ言い当てる。「あの力士は引きが得意だから。クックック」。「引きが得意」と言われた力士は故郷のファンに顔向けできない。それでも勝負には勝たねばならない。また引いちゃうのだ。

 1番の特徴は「落ち着いて聞ける」解説だった。昔は玉ノ海梅吉(1912-1988)が長いこと辛口解説していたが北の富士にはユーモアがあった。

 向こう正面に舞の海がいれば北の富士に胡麻を摺る様なこと言う。「親方がおっしゃったとおり…」を繰り返す。親分子分がハッキリしてこれがまたいい。舞の海の分析解説が一層冴えてくる。

 亡くなって私が「惜しい」と思う人は少ない。北の富士は惜しい人だった。

製鉄所は大変な職場

 11/19 JFEスチール東日本製鉄所(千葉地区)を見学した。千葉市中央区にあり商業地区・住宅街に隣接している。

 高温、粉塵と決して良い環境の工場ではない。工場にエレベーターはなく4階まで階段を登らなくてはならない。足の悪い私は50人の見学者の中で1人だけ後半の見学をパスした。

 50年前多くの同級生が「鉄は国家なり」と言われた製鉄会社に就職した。「そこがこんな職場環境だったのか」と呆れた。

 今や世界の鉄はほとんどが中国で生産されている。地球温暖化を緩めるためにも何らかのアイデアで策を講じるべきだろう。

 人類のアイデアこそが問題解決につながるーと思った。

写真を送る術(すべ)を11/30に習得する

 ひどいものである。私はパソコン、スマホで写真を送れない。やり方を教えてもらうが、再度自分でやってみる事をしないからいつまで経っても写真を送れない。ザルに水を入れているようなものだ。

 毎日発信しているブログに写真を入れれば読者の反応は違ってくるだろう。

 パソコン、スマホから写真を取り込む術を習得する。D=11/30

毎日見てるマツケンサンバ

 私は5:45に出社する。早速パソコンを開いてユーチューブでマツケンサンバを見る。松平健と腰元ダンサーズ30人の激しい振付に見惚れる。

 腰元ダンサーズは狂言師に娘だったり元タカラジェンヌだったり本当だか生活に困ってない人ばかりと言う。これだけ品質のいい人達の激しい踊りに生の喜びがもろに伝わってくる。

 途中から振付師の真島茂樹さんが笑顔を満面に浮べて後ろに登場する。そりゃそうだ。自分で作った踊りだ。嬉しくない訳はない。

 真島さんは5/22に77歳で亡くなっている。踊り一筋で生きてきてヒットした「マツケンサンバⅡ」を思いっ切り踊っている様は見事だ。本職だ。

 こんな人たちを早朝見てニヤニヤしながら時間をつぶしている。

追い込みを掛けた作文

 私は午後から会社から消えることにしている。昼ご飯を食べに出て帰社しないのだ。

 ところがここ3日間夕方まで在社していた。毎日新聞社の退職者で作る同人誌「ゆう Luck ペン」に作文を送らなければならないためだ。締切は明後日の11/16。

 テーマも決めず最終1ヶ月フラフラしていたが切羽詰まった。先月(10月)に行った中国の話を書く。

 ところが毎日長めの伝言板兼ブログを書いているため体内に作文余力がなくなっている。「ここは性根を据えてやらないと終わらないぞ」と自分を鼓舞した結果の1日中在社だ。

 とりあえず提出作文は概要ができた。後は何回も何回も読み返す動作が残っている。文章の微調整をすることで分かり易い内容にできる。

板紙価格の3分の1の白段

 板紙=板のように厚い紙、450平方ミリで7万円

 白段=ライナーが白い段ボール 450平方ミリで2万円

 営業の報告によると「意外な結果」だと言う。これだけの価格差があれば白段に選定されても当然と言う。しかし重厚な風合いを出す必要がある時には板紙が選ばれている。

 全体の流れとしては白段に行くだろう。理由はコストだ。コストが安ければいくらでも改善は効く。高いと改善できる範囲が限られる。

 結論としては白段の利用は進み、板紙は頭打ちになるー積りでやって行けば製函メーカーはアタフタすることはない。

83歳まで営業現場で働いてくれた新卒1期生

 奥村印刷さん(北区栄町)の名物社員がこのほど83歳で退職された。

 何しろ現場の1営業部員として働いてくれているのだから他の社員の精神的支柱だった。「私だって健康で80歳過ぎまで働きたい」と考えている社員がいるーと言う。

 耕文社で60歳以上の契約社員に「83歳まで働いてください」とお願いすると応えは決まっている。「勘弁してくださいョ」。

 奥村さんと耕文社の差はどこにあるのか考えさせられる。それぞれの社員の人生設計が違うのだから「致し方ない」で済ますことはできない。

 いつまでも世間と接していることが長寿の秘訣ーと私は思っている。世間と接するには昔とった杵柄(きねずか)で技術ある仕事を継続するのが1番ではないか。それ以上のことは言えない。

カラー印刷の正確な色出し

1、オフセット印刷はMACで行う色調補正である。

 印刷機で機長が色を調整するーと思われがちだが、その前工程の制作課のMAC操作でしか現物に近い色出しができない。

 耕は制作課に色調補正担当の都築明彦さん(59)がいる。現実問題として都築さんが色を確定して初めて現物に近い色出しができるのだ。

 カラーオフセット印刷機の機長によるインキ出しノズルの操作では不可能である。正確な色出しが必要になったらサッサとMACで色調補正をやって刷版の再出力をやれば問題は解決する。「刷版の材料代が余計にかかる。無駄だ」などと言ってはいけない。

2、オンデマンド印刷機はすべての印刷機に搭載されているトーンカーブ機能を使って正確な色出しができる。

 トーンカーブはCMYKの濃度を上げたり下げたりできる機能だ。右上がりの斜めの直線の中途点を摘(つ)まんで上下させることで濃度を変更できる。

 CMYKとはCyan(シアン)・Magenta(マゼンタ)・Yellow(イエロー)のかけ合わせで色を表現する色の三原色。

 結論から言えばオンデの方が色調補正が簡単にできる。そんなところからオンデが重用される理由がある。

ハイデル第27回全国大会に出た

 丸の内の東京会館でおよそ全国から300社が参加して開かれ、ハイデルらしい相変わらず豪華な雰囲気の会であった。ハイデルはドイツの印刷機メーカーで耕は昔からのハイデルオフセット印刷機を愛用している。

 立食の懇親会ではなるべく東京以外の業者さんと話すようにした。(印刷注文が減って)皆「大変だ、大変だ」とおっしゃるが東京の全国大会に出てくるのだから基本的に元気な会社さんばかりだ。

 私は「オフセット印刷は将来無くなりますよ」と吹聴して回った。本当にそう思っているから吹聴したのだ。印刷業の将来構造が見えていれば怖いものはない。オフセット印刷の注文がゼロになったら他の販売商品を作ればいいのだ。

 耕はゼロになることを予測して、オンデマンド印刷機での生産100%に持って行くつもりだ。

 「どうなるのか分からない」「どうしたらいいのか分からない」と言うのが1番の恐怖である。見通しさえついていればラクチンである。

「共有」は無責任な言葉

 当社は「共有した」という言葉を禁止している。相手と情報を共有した-と言われても「だからどうだって言うのだ」ということになってしまう。正しくは「相手に○○の情報を伝えた」である。

 あくまで文章は書き手が主人公である。主人公の意思が表現できればいい。だから文章の主語は「私は」にならないといけない。「共有した」では自分と相手の共同作業にしてしまっている。これは逃げである。

 公務員の記者発表で「共有しました」などと言われるとガックリきてしまう。使命を帯びなければいけない公務員が必死に自分を打ち消そうとしている姿が見え見えなのだ。「責任は私だけにあるのではない」と言っているのだ。

 「公務員の使命として私は○○を実行いたします」と言って初めて責任の所在が明らかになる。

 「共有」を使う公務員は人前に出してはいけない。

3点支持で街中をフラフラ

 3点支持=4つの手足のうち3つで体を支えること。

 登山家であり年商1,500億円のモンべル創業者の辰野勇さん(77)は21歳の時、高低差1,800㍍のアイガー北壁を登った。「3点支持を徹底していれば危ないことはない」とおっしゃる。

 私は3点支持を徹底して街中を歩いている。階段は必ず片方の手は手すりに掴(つかま)る。電車では両足を踏ん張っても吊革では不安だ。ステンレスの棒にしっかり掴って3点支持している。

 年寄りは転ぶと大変だ。歩くスタイルは気にしていられない。安全第1だ。

 私は4年前72歳の時ゴルフ場のアスファルト下り坂で滑って転んで左足首の靱帯を切った。それ以来いわゆるよちよち歩きになってしまった。転んだ後、思わぬ所から出てくる不具合が恐ろしい。

減り続ける手形残

 王子段ボール㈱ 3件842,752円(月平均売上4,900万円)、

 ㈱耕文社 5件5,124,328円(同8,150万円)

 11/1現在の両社の手形残がこれだけ下がれば私は枕を高くして寝られる。

 支払いの先延ばしはいけません。「払うものはトットと払ってしまえ」が王耕の昔からの方針だ。おかげで「買掛金がどれだけあったっけ」と振り返る必要がない。なにしろ毎月初の王耕買掛金はゼロなのだから。

 王耕の方針は

1、前金のお客様は神様です

2、手形支払いのお客様にはまず1ヶ月の短縮をお願いする

3、目標は「末締め翌末振込」にしてもらうーの3点だ。

過去には1社手形800万円が丸ごと焦げ付いたことがあった。サイトが5か月というシロモノであった。今では支払いが5か月手形では取引しない。

 手形廃止・短縮はお客様のためになるーのだ。短期決済はお客様の効率UPになる。商売への見方がまるで変ってくる。例えば1千万円銀行から借りて手形発行をやめるーという手もある。

飲食店が増えた百反坂

 品川区大崎2丁目から首都高荏原口までの緩い登り坂を百反坂という。耕文社が西品川1に平べったい中古ビルを買った41年前、百反坂は食品・生活雑貨を売っている百反通り商店街だった。

 その後商店は減り続け、ただの道路になった。

 ところが大崎駅西口にオフィスビルが建ち始めると飲食店が開業し始めて結構凝ったイタリア料理、蕎麦屋、カレー店が並び始めた。「ここで昼食を摂らない手はない」と私は1軒1軒味見に通いだした。

 10/30は中華の九麗瑠(クレイル)に入った。カレーライスとタンメンのランチメニュー(850円)を注文したが量が多くて食べ切れなかった。「この漢字は読めない」と言ったら「初めに付けた店の名だから変えられない」とおばさん。味は普通。

 オフィスができれば周りは飲食店が萎集するのは当然のこと。変貌する地元の裏通りを探訪するのも悪くはない。

面白かった港区長寿を祝う集い

 10/29 東京プリンスホテルで2,000人を集めて開かれた。資格は港区在住の76歳以上の老人・老婆。それぞれが1番の正装に身を固め出席していた。傍から見ていて気持ちのいいものだ。

 ゲスト歌手の新沼謙治は「港区の隣の大田区からやってまいりました」には驚いた。「あんな田舎の区は港区の隣にはない」と私。最前列に20人ほど車いすの参加があり、介護する家族の姿は微笑ましいものがあった。

 お土産は紅白饅頭2つだけ。飲み物は隅に並んでいる冷水器の水を飲めという。

 演芸は老婆7人ほどずつ4組が「六本木音頭」、ハワイアンダンスを披露した。男は1人も登場しなかった。

 私は十把一絡げ(じゅっぱひとからげ)に長寿と言われても悪い気はしなかった。

日頃の大声が大事

 私はヒソヒソ話をすることほど見っとも無いことはないーと思っている。蚊の鳴くような声で話す人間はそこから1日の生活全体を伺うことができる。目立たないように目立たないようにー世間を渡ろうとする魂胆が透けて見えるからだ。

 かく言う私も次第に小声になり相手から「今なんて言った」と聞き返されることがある。自分の全人格を否定されたようで赤面する。

 目黒駅近くのボイストレーニング学校に通ったことがある。これも効果なし。

 ではどうするか。

 「大声は演技である」と考え、発声する前に1呼吸置いて「どんな声を出せばいいか」心を決める。そしておもむろに発声する。そうすると100%合格ラインまで行く。私は毎日演技しているのだ。

日程詰まった7日間に緊張

 1、10/18(金) ①高輪病院で3ヵ月ぶりの心不全検診。担当医師「毎月来なきゃダメだ」と立腹。

②夕、㈱ショーワさんの懇親会に出る

 2、10/19 吉祥寺コンサートサロンで素人音楽愛好家12人の歌・ピアノ演奏を聞いた

 3、10/20  大利根CCフェローシップ委員会に参加。。骨のない委員連中を罵倒するが暖簾に腕押し

 4、10/21―23 杭州市万寿寺訪問

 5、10/24(木)世田谷区立等々力小3組今年2回目のクラス会。自由が丘駅近くの食堂。9人参加

 日頃はスカスカの日程で生活している。これだけ予定が立て込むと流石に緊張する。1つ1つ誠実にこなしていくのがコツだ。

地域に密着した優良企業

 印刷機材販売の㈱ショーワさん(評点=53)の10/17総会後の懇親会に出席した。

 本社の上に住んでいる幅和弘会長(82)は嬉しそうに「神田三崎町1丁目の町会長になった」とおっしゃる。さらに三崎稲荷神社氏子総代会会長もやっており私は「おめでとうございます」。

 横にいた伊澤秀春前社長(76)が「私は1丁目副会長です」と言って町会名詞をくれた。

 お2人の家は戦前からこの東京のど真ん中にあり商売は堅実、地域への愛着も人1倍だ。

 耕文社は1981年に西品川1丁目の中古ビル(現在の本社)を買って43年になる。町会の集まりには出るようにしているが、私はいまだによそ者だ。やはり企業は地元の人達と交流し何らかのお手伝いする気持ちが大事だ。

 幅会長のように地域完全密着は会長のお人柄の賜物である。

精進料理は旨くない

 中国・浙江省杭州市の海抜700mの山奥にある径山(きんざん)萬寿寺に10/22、23 行ってきた。

 静岡県出身の聖一国師(1202-1280)が修業をした寺で子孫の米澤緑さん(74)が市内にお住いのため静岡市商工会議所と静岡鉄道㈱が中心になって聖一国師顕彰会を作って行事を年3回開いている。

 今回は国師が師事した無準師範の入滅775年の法要が万寿寺で行われるための1行15人の杭州行きだった。私は国師を知らなかったが面白そうな行事にだけ便乗している。

 古来高僧の子孫は明確に残っている例は少ないが米澤家には代々の申し伝えがある。

 国師が開山の京都東福寺からも坊さんが20人参加し200席の賑やかな午餐会であった。料理は18品出たがいずれも精進料理。味が薄く旨くない。「坊主は毎日こんなものを食べているのか」と気の毒に思えた。

 ついでに申し上げれば京都-妙心寺近くの「阿じろ」の精進料理コースの方が旨かった。

 翌23日の法要は野天の舞台で200人が立錐の余地もなく2時間立って行われた。私は足が悪いためふもとの境内のベンチに座っていた。

狭い範囲のアイデア出しは面白い

 私の狭い範囲とは 1、印刷業と 2、段ボール製函業の限られた範囲である。

 この中で「ア~でもない、コ~でもない」と考えるのは第1に疲れない。第2に毎日のことであるから切実感がある。3は結果をすぐ確認できる。

 王耕の目的は増収増益である。簡単な目的であるからアイデアと結果を照合しやすい。

 例えば在庫確認で耕の製品在庫は ①社内と ②外注倉庫の2カ所にある。在庫のある営業は5人、品目は7つである。これを網羅した管理表を作れば月々の製品在庫の流れは一目瞭然となる。これで在庫管理の表は完成だ。

 このような調子でモノと金の流れをエクセル化していけば耕を隙間なく分解管理できる。

見本件数達成こそ成長の証(あかし)

 王子段ボールのお客様への見本提出件数1日目標は10件である。10/17(金)野地薫さんの作った見本は14件だった。

 このところシート発注平米は1日目標1.7万平米に対し1.5万と低迷している。しかし見本件数さえ達成していれば将来は明るい。

 お客様は超大・大・小とあるが、どれでもいい。見本件数10件超えさえしていれば新規・新版が増える。新規が増えればいくばくかの増収(増売上)になる。新版が増えれば新しい形の段ボール箱の増刷が来る。

 見本件数は王子売上の先を占う先行指数だ。今のところ見本件数は順調だ。私は枕を高くして寝ている。

伝言板配信が60分早くなった

 従来は9:40頃の配信だったのが今では8:30には完了するようになった。理由は私の伝言板の提出が早くなったためである。

 今までは当日の物は当日朝に書いていた。行数が次第に増え「A4,1枚プラスαにしないといけない」という強迫観念に駆られるようになり配信担当の村上優人さんへの提出が9:30ごろになっていた。「私のために配信が遅れてはまずい」と思い改善策を考えた。

 結論は毎日2本ずつ書き溜めて置き8;00までに新しく書くか溜めて置いたものを出すーか決めるようにした。

 伝言板は王耕が増収増益になる最大のツール(道具)である。こんな便利なものはない。社員が「何を考えているか」手に取るように分かる。早急に解決すべきだ」と思ったら課長に本日中の解決を約束させる。社員の不満がポロリと出ていたら午前中にスマホでその詳細を本人から聞く。そしてすぐ解決―である。

 帯広市の菓子メーカー六花亭でも同じような伝言板システムがある。そのせいか六花亭は北海道で指折りの優良企業だ。

「○○以上」は目標にならない

 今期の経常利益目標は1億円以上―というと途端に目標数字が弱まってしまう。目標が弱まるようなことは避けるべきだ。1人1人の社員にとって目標は分かり易いものでなければならない。

 この場合「経常利益目標は1億円」と言い切ればいい。「以上」を付けてわざわざ社員の一致点をぼやかすのは得策ではない。1億円、1億円、1億円ーと唱えていれば1億円はいつか実現する。

 目標は日蓮宗のお題目「南無妙法蓮経」、浄土真宗の念仏「南無阿弥陀仏」と同じだ。唱え続けていれば何時かは私たちの掌中(手のひらの中)に入ってくる。

 ここで王耕のD(デッドライン=期日)を設けない売上目標を申し上げれば

王子段ボール=300億円(2024.5.20実績5.9億円)

耕文社=30億円(同 9.7億円)

ハイボールがダントツ

 日本人の飲む酒の34%はウイスキー、ブランデーを中心としたリキュール。特にハイボールの消費が頭抜けて多い。次がビールの30%だ。

 全国に1,400軒ある蔵元の日本酒売上はほとんど伸びていない。6%だ。蔵元の若旦那がいくら工夫を凝らして新しい日本酒を作ってみてもダメだ。オフセット印刷業界のようなものだ。

 私は「どうせ若い力を注ぐならウイスキー蒸留に転換すればいい」と思っていた。案の定ウイスキー蒸留所は10年前の8倍の97カ所になった。ジャパニーズウイスキーとして輸出額は10年前の8.6倍に伸びた。

 あとはウイスキー業者同士の競争だ。少なくとも日本酒を作り続けるより未来はある。

唐揚げは食べない

 年(76歳)のせいか天ぷら、揚げ物は食べなくなった。体が受付けなくなったのだ。天ぷら・。タヌキそば等はとんでもない。キツネ・カレーそばはOKだ。油揚げは許容範囲内。

 私はこの変化を喜んでいる。食生活の変化こそ高齢を快適に過ごすコツだ。唐揚げなどはとんでもない。

 食堂はメニューが少ないほど儲かる。客寄せに品数をどんどん増やすのは得策ではない。私が食堂をやるなら1、カレー 2、餃子の専門店をやる。

ステーキ屋のウエイターが「もともと日本人はステーキを食べる民族じゃない。ハンバーグライスは好む。なんといっても好きなダントツはカレーライスだ」「それならカレーかハンバーグだけの食堂にしろよ」「私に言われてもなんとも応えられない」。

 餃子は中に野菜が入っているから食べられる。それに作る手間がかからない。だから餃子専門店は好調なのだ。唐揚げは肉と油だけだ。

書込み社員は優秀

 書込みしない社員は無能ーである。A4できれいにプリントされた資料を更(サラ)のまま配る社員には困ったものだ。更のプリント紙が最上だと思っているのだ。

 読む方にすれば赤のボールペンで追加説明が書込まれていれば1発で分かる。書込みがある資料をコピーすれば書込みはきれいにプリントされる。敢えて書込みしないのは罪悪である。資料には全部書込みをしてもらいたい。

 どんどん書込んで十分に汚れた紙面の方が価値がある。読者は書込みの赤字から読むことがある。例えば「この資料の出典は○○」「統計数値は2023年の物」と言った書き込みがあれば読者の理解は早い。

 私はビジネスは早くて正確ならば合格―と思っている。A4紙が貴重な資料になるかどうかは筆者の書込みの量による。

二重言葉の怪

 男の武士の侍が、馬から落ちて落馬して、女の婦人に、嘲笑されて笑われて、腹を切って切腹した

 よく引き合いに出される二重言葉の好例だ。上の例文の5文節すべてが二重言葉だ。読む方にすれば「なんて面倒臭い文章だ。くどい」と思うだろう。

 一言で言うべきことを2語で言うから嫌われることになる。特にビジネスの世界では要領の悪い人間は敬遠される。時間ばかり掛かって結論になかなか到達しないからだ。

 王耕の社員が使う二重言葉に「見積りを依頼された」がある。これは「見積りをもらった」と書けばいい。名詞を動詞化した言葉は二重に使わない方がいい。その都度当人に注意している。

 かく言う私も時々「改善して早急にやらなければいけない。時間短縮は当社の生命線だ。しなければいけない効率UPのテーマは多い」などと書く。これは抽象的ビジネス用語を並べているだけで具体例がないから何が何だか読者は分からない。

 良い文章は以下のように書く。

 改善項目は ①オンデマンドGのスペースを2倍にする。D=10/31 ②納品係の保管表を完成する。D=10/11

 固有名詞と数字を入れて文章にして初めて読者に分かってもらえる。

目当てはアルバイトのおばちゃん

 銀行のカウンターの外でウロウロしている50歳というおばちゃん行員に声を掛ける。「200万円振込みたいけどどうしたらいい」「キャシュコーナーは振込は50万円限度ですから窓口に行ってください」「準備するものはありますか」「前のお客様がいるので少々お待ちください」「居ないじゃないか。早くやれよ」。

 無事振込終って「お客さん前に来ましたよね」「来たよ。君は発音がおかしいが中国人か」「日本人ですよ」「私にはこれから中国人のように発音してくれ。老人は大切にしろよ」「分かりました。そのように発音します。謝謝」「その調子だ。また来るよ」。

 10/7  目黒駅前の都銀での会話だ。お互いにふざけたがっている年寄り2人。高齢者が仕合せに生きるコツはこんなところにある。

アニメ製作費が10分の1に

 10分の1で作るアニメを「ライトアニメ」という。従来の物はフルアニメーション。ライトは大日本印刷とIMAGICAが共同で始めた。

 原作マンガの画像を加工して作るため費用は90%減、全面書き直しのフルの製作期間は3年。ライトは6分の1の半年。紙芝居風に画面が動くために視聴者が受け入れてくれるかが未知という。

 テレビの地方局がライトを放映し始めた。視聴者の中には「全然問題ない」という意見もあるが、当面はライトとフルが共存していく格好だ。

 私はコストの安いライトが微改善を加えシェアを広げていくと思う。

 すべての生産物はコストが低い方に注文は移っていく。

外注さんに部数分け梱包してもらう

 梱包係の簑島誠一さんの伝言板で「製本会社さんで一律20部梱包されたものが来たのでお客様指示通り部数分け梱包し直した」とあった。私は「部数分けは外注さんにお願いしろ」と語気を強めて簑島さんにスマホした。

 簑島さんは早速管理課の成瀬義弘さんと打合せして「今後部数分け梱包は外注さんにお願いする」と決まった。

 多少加工代が割増されても2手間かかっていたものが1手間で済むのだから確実にコスト削減だ。縦割り組織は後工程が前工程に言われた通りやるという弊害がある。

 工場・営業は「前工程に改善を要求すればすべてコスト削減になる」と思ってよい。営業の前工程はお客様だ。コストが下がると思えば正面からお客様に仕様変更をお願いすべきだ。

 簑島さんはこれで梱包分けの仕事は無くなる。他の付加価値の高い仕事にエネルギーを振り向けられる。

夕刊フジ休刊の衝撃

 産経新聞社の「2025.1.末で休刊」の思い切った決断に驚いた。夕刊フジは今まで買ったことはないが出版不況がここまで来たのだ。

 四の五の迷っているよりスパッと休刊を決めたのは見事だ。赤字刊行物であれば①まず休刊 ②次のことは早急に決めるーの手順でやるべきだ。垂れ流し赤字ほど罪作りなものはない。決断力のあるキーマンが居ないことを露呈しているからだ。

 一旦空にして次の取り組みを考えるのは賛成だ。コスト削減は早いほどいい。削減の決定は社員に伝わる。社員は自らの削減に目が行く。ここからが面白い。削減という電車に乗ってしまえば社員・役員ともに心を1つにできる。

 私はコスト削減は得意だが売上増は苦手だ。王子は放って置いても遅々として売上は伸びていくだろう。段ボールのマーケットが伸びているからだ。

 問題は耕の売上増だ。新しいマーケットを見つけないといけない。

幼虫飼育始めた大日印

 大日本印刷㈱は鯛など養殖魚の飼料になる昆虫の幼虫「ミールワーム」の飼育工場を立ち上げる。場所は休眠工場を使うという。8年後に140億円の売上を目指す。

 売上1.4兆円、従業員3.7万人の大所帯が文字離れの中、変革の道を探っている。これだけ大きくなると①株価の維持 ②従業員の雇用―と果さなければならない責任は大きい。

 この際「思いつくものは何でもやろう」の精神は立派だ。会社の変革はまず「売るものを変えなくてはいけない」。従来のオフセット印刷物の範囲内では新しい売上は発生しない。販売する新商品を作れば道は拓ける。

 耕文社も1、オンデマンド印刷受注増 2、新商品の受注 3、月100万円超のお客様1人3社作るーを新営業方針としてスタートさせた。

 1.4兆円に比して幼虫売上の140億円はあまりに小さいが方向性は正しい。今後の大日印の新商品作りに注目したい。

朝の刷本搬出はオフ印刷物ゼロ

 10/1の印刷物搬出はオンデマンド印刷物だけ。オフセット印刷物はゼロだった。4tトラックドライバーの竹内登さんはガックリしていた。

 時代は変わったものである。以前は前日に刷上ったオフセット印刷物満載で意気揚々と出車していたが、本日は以前の5分の1程度の量しかない。運転の達人の竹内さんの意気も沈みがちだ。

 この惨状は私にとっては織込み済みの事態だ。先に行けばオフセット印刷物はさらに減る。その代わり減る分をオンデ印刷で補填していかなければならない。これも大変な仕事だが9月に定めた

「耕文社新営業方針」

1、オンデマンド印刷を受注する

2、新商品を受注する

3、月100万円超のお客様を3社とる

をやって行けばいい。時代に合わせていく。これで耕の体質もガラッと変わるだろう。

王で警視庁捜査協力費1万円入金

 9/27の入金伝票の説明に「防犯カメラ設置電気代1万円」とあった。防犯カメラは最強の防犯システムである。泥棒は「カメラに録画されると足がつく」と思うから犯行に入る前に2の足を踏む。とてもいい未然防止器である。

 警視庁がやってくれなくても王子段ボール、耕文社は自前で数か所ずつカメラを設置している。

 もっと重要なのは「金目の物は会社に置かない」ことである。仕入先、外注さんへの支払いは請求書が到着後10日で銀行振り込みしている。以前のように手形帳・小切手帳は使わないので無い。現金は小銭程度だ。

 月100万円近くの社員への報奨金は9月から振込にした。何にも無いと計算高い社員は有難味を感じないだろうからA4紙に大きく金額を入れて手渡している。

 警視庁のカメラはおそらく公道に向けて設置されているのだろう。どこにあるかは興味ない。

14件中11件が前金入金

 王子段ボール㈱の9/26の入金表を見て驚いた。14件(総額:486,957円)のうち11件(405,195円)が前金入金だった。前金であれば貸し倒れは絶対発生しない。

 昔、演歌歌手の三波春夫は両手を前に広げ「お客様は神様です」と言った。これは劇場に来たお客様は前金で切符を買ってくださった人たちである。これなら三波春夫の公演には貸し倒れは発生しない。

 王の入金も前金だらけになれば貸し倒れは起きない。ここで王の合言葉ができた。「前金のお客様は神様です」。

夕食は不用

 夕食を摂らないと翌日調子がいい。たまに夕の懇親会に出ると御馳走に目が眩み大量に食べてしまう。帰り道は「ひょっとしたら死ぬんじゃないか」と思うくらい体(88㎏)が重苦しい。電車の中で何度も深呼吸している。

 これから抜け出す方法は分かっている。翌朝食を食べないことだ。できれば1日中食べなければ体調は戻る。絶食したからと言って体重はそう減るものではない。安全に絶食できる。

 9/22(日)夕に錦糸町のホテルで開かれた「錦戸部屋(親方=元水戸泉)千秋楽祝勝会」で十両の水戸龍(30)に「早く幕内に行って優勝しろよ」と言ったら「無理だ。体はボロボロだ」と。

 後から考えたら水戸龍は体重を減らせば体は元に戻るしボロボロも解消する。現在の190㎏を20㎏減らして170㎏にすればいい。今度会ったら言ってやろう。

 このところ午後3時ごろまで食べない日が増えた。

 「イスラム教の断食の日ラマダンは健康にいい」と言われている。私は3日に1日ラマダンすればさらに脳は順調に動くはずだ。

 年を取ると体調がいいことが第1の仕合せである。

進む大学と企業の合同研究

 9/24 日本橋で開かれた「グローバルな宇宙産業における競争力の強化 -○○大学の最新宇宙研究」シンポジウムに参加した。講義を聞いてもチンプンカンプンだったが懇親会での話は興味深かった。

 宇宙産業の部品開発で、大学「教授」の肩書を持つ人が特定の企業に出勤し研究開発を行い、月給の20%を大学が負担し80%を企業が持っているという。私は合理的なシステムであると思った。

 実際に研究力のある人をどのように生かすかーで具体的な金銭保証があれば研究者は意欲的に研究を進めることができる。その成果が日本の宇宙産業力となって世界の開発競争で戦って行けることになる。

 大学と企業は異なる目標を持っているが、接点を多くしていけば5倍10倍の成果を上げることができる。

 では当社で大学の先生に研究をお願いするかと言えば、今のところ私にはお願いするテーマは思い浮かばない。当面は従来通り外注さんの開発力に頼っていきたい。

週刊包装ニュース社創刊60年

 私が伝言板に書く段ボール業界データのネタ元である。ホッチキス1箇所止めの質素な製本のこの情報紙は分かりやすく業界動向を解説している。わずか3ページを読むだけで大まかな業界の特徴をつかめる。購読料は毎週発行で年間38,500円だ。安いものである。

 その週刊ニュースが創刊60年を迎えた。創業者の中村政雄さんは今年3月に亡くなった。「報道の使命を続けることができたのは読者の皆さんのおかげです」と後継者の中村将吾さんは述べている。

 やはり業界紙は業界の必要データが抽出されていないと役に立たない。その点包装ニュースは丁度いい分量のデータが毎号織り込まれている。私にとってとても便利な資料である。

印刷機はオフセットかオンデマンドか

 仕事が入稿した時の私の最初の判断はここにある。過去ナン10年と印刷業者はオフセット印刷機で刷る仕事をもらってご飯を食べてきた。ところが ①出版物は売れなくなり ②広告媒体に使われてきたカタログ・パンフレットは減少の一途である。オフセット印刷機で生産するものが極端に減ってきたのだ。

 代わって出てきたのがオンデマンド印刷機だ。これはコピー機の延長上にある印刷機で ㋑1部でも刷れる ㋺金銀などの特別な色も印刷可能という代物だ。

 印刷業者はオフセット印刷機に加えてオンデマンド印刷機を使っていかないと食べていけなくなった。

 今後どちらの印刷機が主流になるか分からない。営業は「この製品はオフセットでやった方が奇麗に発色され、コストも安くできます」と言った説明をする。またこの反対の「オンデマンド印刷機の方が…」という場合もある。

 マーケットの需要に合わせて発注者も印刷請負会社もオフかオンデの選択をして行くことになる。耕はとりあえず2台あった菊全4色オフセット印刷機のうち1台を売却した。オフかオンデ、どちらが増えるか。耕社員はマーケットとにらめっこして行く。

野菜を粉砕して食べる

 渋谷区道玄坂上の小さなカレー店で野菜を粉砕した切り身が御飯に乗っていた。5cm×3㎝ほどの穴に野菜を入れ押し込む機械だ。ミキサーよりも大きい1-3ミリに切られたキャベツ、ニンジン、小松菜が米の上に大量に乗っている。

 「これなら俺でも噛める」野菜は簡単に咀嚼され飲み込んだ。「アイデアだ」と店主と手伝いのおばさんに叫んだ。2人は不思議そうな顔で私を見ていた。

 ここでカレーを食べれば日ごろの野菜不足は解消できる。便通もよくなるだろう。

 大崎駅からシルバーパスで都バスに乗って道玄坂上で降りてカレー屋「スパイシィ スリランカカレー店」まで2分だ。

海外発送初めてやった

 耕で初めての海外発送をやった。眼鏡販売会社㈱ジンズ様が販促用POP2種をアメリカの加州支店に送ったものだ。加工課納品係の簑島誠一さんによると「食料品以外はそれほど煩雑な手続きを必要としない」という。

 発送の必要項目は①荷受人(国名、社名、郵便番号、住所、電話番号)②発送人(国名、社名、郵便番号、住所、電話番号)③出荷日④荷姿(POP、数量、金額、重量)を書いて配送会社に集荷させればいい。今回の配送会社は㈱ペガサスグローバルエクスプレス。日本の会社である。

 国境を意識しないで配送できれば配送担当者の視野はグッと広がる。

割安な横浜中華街ランチ

 おかずが4品付いて1,600円。9/13(金) 横浜中華街で食べた昼食だ。エビチリソースは本当に旨いと思った。都内の食堂よりはるかに安い。

 今、横浜中華街は1990以降に来日した新華僑がおおぜい商売をしている。ほとんどが福建省福清市の出身者という。旧い店は新華僑に店を貸し出し大家さん家業になった所が多い。割安ランチは新華僑同士の競争の結果だ。

 喫茶店をやっている日本人ママは「昔はボロボロの服を着た食い詰め中国人が来たが、今はピカピカの革靴を履いて背広姿のインテリがやってくる。こんな連中は始末に悪い」という話には笑った。

 とは言ってもここは私が53年前23歳で赴任した毎日新聞横浜支局で中華街を持つ加賀町署を担当していた思い出の場所だ。横浜中華街の狭い路地で深呼吸すると外国に来たようで空気が美味しい。

命から2番目に大事なシルバーパス

 都が70歳以上に発行しているシルバーパスは便利だ。都営交通(地下鉄、バス、路面電車)と私鉄バスに乗れる。私はパスを片手に都内をウロウロ歩き回っている。

 バス停を見つけたら行き先を確認してとりあえず乗ってしまう。場合によっては終点まで行ってそのまま戻って来ることがある。バスの座席は位置が高いので都内観光には最適だ。

 運転手さんはプロだから安全だ。バスは大きいから他の車とぶつかっても負けない。「大船に乗ったつもり」で乗り継いでいる。

 年を取っていいことはシルバーパスをもらえたことぐらいだ。9/30で更新になる。無くしたら大変だ。いつも定位置のズボン右ポケットにむき出しで入れている。事あるごとに右手でカードを確認している。

針金ハンガー8本100円

 品川駅前の100円ショップで40本買ったから500円。洗濯物を室内で干す時に使う。Yシャツ、U首下着、猿股すべて針金ハンガーに掛けておけば半日で乾く。

 築60年のボロマンション最上階7階の私の部屋は東西南北に窓がある。どういう間取りなのか皆さんはイメージが湧かないだろう。物干し部屋の2つの窓は365日開けてあり、いい風が通る。洗濯機備え付けの自動乾燥機で乾かすのは不自然である。天然の風で乾くのだからこれ以上のものはない。

 古い従来の針金ハンガーは針金を覆っているビニールが劣化してボロボロ崩れ、室内の物干しスペースはいつもビニールの屑だらけだった。もうビニール屑を見なくて済む。

 500円での小さな問題解決は76歳の老人の生きる喜びになった。

納品数プラスαは予備

 納品枚数が1000枚のPOPに20枚の予備を付けることを営業がお客様に約束したら「予備20枚」と書いた帯封をしてお客様に20枚を提出しなければならない。

 耕ではこの「予備」という言葉が統一用語として決めていなかった。人によっては「納本」「見本」という言葉で表現されてきた。加工課で作った「製品の余りはどういう扱いになるのか」。課員によってはすべての余り枚数を営業に渡していた。お客様に納める数が社内で確定していなかったのだ。恐ろしいことである 。

 そこで決められた納品数プラスαの納品物を「予備」と決めた。作業指示書に ①納品数1000枚 ②予備20枚と営業が記入するマスを作った。

 工場は作業指示書通りに予備20枚を帯封して「予備20枚」と帯封にサインペンで書けばいい。

 余ったものは加工課員が直ちに廃棄する。

ノウハウを進んで教える社員

 ㈱耕文社管理課用紙担当の吉本大亮さん(59)は過去に同じ管理課の男社員1人に用紙発注法を教えた。そして今年7月、更に管理課女社員2人に教えた。喜んだ2人は2日で用紙発注を習得してしまった。

 なんともいい習慣が芽生えてきたものだ。ベテラン社員はなかなか長い年月をかけて習得した技術を教えたがらない。しかし吉本さんは私たちが知らないうちに教えてしまった。

 本人は「これで私も気楽に休暇がとれる」とうそぶいていたがこの技術伝達してしまった成果はあまりに大きい。「へえー、あの吉本さんが」と多くが思った。

 「じゃあ、次に…」とHP画面の変更技術を教えてもらおう」という機運が生まれてきた。とばっちりを受けたグラフィックグループの飯田康宏さん(59)はびっくり。社の趨勢に抗しがたく部下の女デザイナー2人にHP画面の修正技術を教えた。

 これで私はHP画面の変更は女デザイナー2人のどちらかにお願いすれば当日中に完了できる。

紙博は女子供の文具展

 9/8浅草の都立産業貿易センターで開かれている紙博に行った。会場は大変な賑わいで若い女がほとんどで、幼児たちが駆けずり回っていた。

 「場違いな所に来てしまった」と思った。展示物は便箋、封筒など紙製の文房具だった。「紙博とは随分大げさな名前を付けたな。迷惑だ。こんなもので商売になるのか」と思いながら早々に退出して帰り道「氷」の旗のひらめいている店でミートソースと氷イチゴを食べた。

 小さな建物の1階でベルギーのチョコレートを売っている。ベルギーチョコ販売が本業で2階の食堂は副業だ。日曜というのに客はなく店は整理整頓されていた。

 私の自宅がゴミ屋敷のせいか女店主がキレイ好きなのは「とても魅力的」と思ってしまう。浅草寺二天門近くで手ごろな食堂を見つけた。ほかに客がいない。店を見つけただけでも大変な収穫であった。

 「また行こう」。とても充実した気分で帰宅した。

大声は大きな魅力

 「パワハラだ」「セクハラだ」をすぐ言う人間が多くなった。実にイヤな言葉だ。本人は「こういう言葉で身を守らないと社会生活を送れない」と本気で考えているのだろう。

 「パワハラ、セクハラ」をことあるごとに言われたら私はしゃべれなくなってしまう。相手の自由な発言を抑制する効果はあるのだが「パワハラ、セクハラ」はご自身の自由な発言を抑えてしまっていることが分からないのだ。

 結果としてその人の発声はひそひそ話になり何を言っているのか分からない会話になる。折角立派な声帯を持っているのにあえて小声で生活するのはもったいない話だ。私は「女性・男性」とは言わない。「女・男」と大きな声でいう。

 私の理想とする声の持ち主がいる。東急大井町線戸越公園駅近くの茶店の70過ぎの女主人だ。声がデカいのだ。雷が落ちてくるような声に私は酔いしれる。店には80過ぎの老婆が入れ代わり立ち代わり来てニコニコしながら店の椅子に座っている。

 おしゃべりな女店主はいつもの通り雷が落ちたような声で好きなことをしゃべっている。掘立小屋のような狭い茶店はさながら年寄りの集まるディズニーランドである。私はその茶店に買い物に行きクラシック音楽を聴くような気分で雷声を聞いている。

 雷声には「パワハラ、セクハラ」という概念が当てはまらない。その概念を意識した誠意ある発声なのだ。

為になるYoutubeとJcom

 ケーブルテレビのJcomでは歴史、伝記に新発見が多い。映像と解説があるため頭に入りやすい。

 昭和天皇の生立ちで幼少の頃の写真は初めて見るものが多かった。幼年期は親元から離され、少年期は生真面目な子供であった。生涯守り続けたことは①人前に出るときは必ず眼鏡をかけた。②側室を持たなかったーの2点であった。

 その他、広島・長崎に原爆を落としたトルーマン米大統領、ヒットラーの生涯など1つの物語として観ることができた。

 Youtubeではオスマントルコ史、韓国史などこれまで断片的に知っていたことが一連の流れとしてつなぎ合わせることができた。学校で勉強するより包括的に頭に入りやすい教材である。

 76歳で「今さら歴史の勉強」という印象もぬぐえないが、YoutubeとJcomで知識の再注入・整頓ができる。ありがたい世の中になったものだ。

ボールは投げておけば気は楽だ

 日々様々な問題が起きる。それをこなすコツは

 ①私の結論を当日中に相手に伝える。

 ②相手の回答を待つ。

の動作をやるだけで問題解決に近づく。相手とキャッチボールをやっていると思えばいいのだ。

 例えば、私が衣服を作るのは御徒町駅前のユザワヤと決めている。6月中旬に夏ズボン2本2万円を作ってもらうよう様に頼んだ。ところが引き渡し期日8/16に行っても店に届いておらず担当の老店員の回答はアヤフヤ。「困ったなあ」と思ったが「出来上がったら電話ください」とボールを投げておいた。

 そうしたら2週遅れの8月末に若い女店員から「工場から届きました」と連絡があった。発注2か月半後の出来上がりに「長過ぎる」と思った。縫製は青森でやっているという。

 ズボンを受け取り、問題は解決した。納期が2週遅れたが私は今後も衣料品は安くて縫製が丈夫なユザワヤに頼むつもりだ。

 文書のやり取りでも同様だ。相手から意思表示の連絡が来たら当日中に回答をメール・Telする。ボールを投げ終われば私の義務(宿題)は無くなる。相手の回答を待つだけだ。

 私が回答を1ヶ月無為に留保したら「渡辺は愚図な男」と相手は思うだろうし問題解決は大幅に伸びる。

 1日の業務を「今抱えている問題は5つ。4つボールは投げてある。残り1つは今日中にボールを投げる」という数え方をする。投げてさえあれば中身は忘れてしまってもいい。

 だから経営する2社 ㈱耕文社、王子段ボール㈱は毎年増収増益なのである。

ゴム長靴で出勤

 台風10号の接近で8/30 ゴム長靴を引っ張り出して出勤した。「今時ゴム長靴で歩いているのはヤッチャ場ぐらいですよ」と人は言う。しかし私はゴム長靴を履く機会を虎視眈々と狙っている。「今日がその日だ」と思い勇んで履いた。

 北国の雪の多い地方で1番安全な履物はゴム長靴だ。靴の裏の切込みが深いので滑らない。ファッションよりも安全の方が優先する。歩幅を狭くしてチョコチョコと地面を見ながら雪道を歩く姿は素朴でいい。いかにも「生活している」という感じがする。

 最近は丈の短い普通の通勤靴のような雨靴を見かける。これでは雨雪に対抗する効果が出ない。やはり豪雨・大雪にはゴム長靴が最適である。

耕営業品目首位がPOPに

 何十年と営業品目の首位 はカタログだった。6,7,8月の売上を集計したらPOPが7200万円、カタログが7000万円で首位交代した。これは途轍もなく良いことである。

 マーケットはカタログ・出版印刷が減り続けている。これを乗越えるには営業品目を替えないといけない。減るものを一生懸命に追いかけても無駄な努力である。

 お客様に「斬新なPOPが欲しい」と言われたらデザイナーは目立つPOPを提案する。工場は驚くような短納期で作り上げて納品すればいい。そうすればお客様は「また耕文社を使おう」と考えてくれる。商売の面白味はそんなところにある。

 POPはオフセット印刷機ではなくオンデマンド印刷機で印刷することが多い。少部数で微妙な色使いができるからだ。8月中旬に耕は菊全4色機を売却した。停止している設備を無くすためだ。

 現在、新聞社の輪転機が販売部数減のためフルに動いていない。私だったら輪転機の台数を減らす。会計上どんなに損失が出ようとも、まず設備を減らすことが社員が健康的に働けるようになる第1条件だ。

 POP首位になった耕はためらうことなくPOPの更なる売上増を図ればよい。

御徒町は快い街

 快い理由は松坂屋上野店があることだ。空襲の被害も軽微であったため戦前の建物に古色蒼然たる売り場がある。歩いているのは年寄りばかり。デパートの階段の縁に座っているだけで心が落ち着く。

 8/26 近くの吉池ビル7階にあるユザワヤでズボンを作ったので受け取りに行った。担当者がいないため出来上がったズボンがどこにあるか分からず無駄足だった。

 私はユザワヤで背広、Yシャツ、ズボンを作っている。縫い目がしっかりしていて頑丈だからだ。最近は人員削減で担当が居なくて不便なことが多いが店内で材料を物色している裁縫好きな婦人たちを見ているだけで気分がいい。

 松坂屋地下で今川焼を2つ買って食べ、果物ジュースを飲み、隣の吉池で出している路面小屋で氷イチゴを食べ大満足の御徒町駅前のひと時であった。

日本政策金融公庫をHPから外した

 長いことお世話になってきた日本政策金融公庫東京支店を王耕HPの会社概要・取引金融機関から外した。

 理由は同公庫が「小粒の会社相手の融資が仕事だ」と言われたからだ。言ったのは年売上400億円の建設会社役員。耕文社の年9億円の売上と比較したら40倍だ。その建設会社は日本政策投資銀行と付き合っているという。投資銀行の前身は日本開発銀行と分かって「なるほど」と思った。

 お金を貸してくれる銀行に対し借りる方が格付けするのもおかしな話だが、とりあえず王耕の取引金融機関は①みずほ銀行五反田支店 ②商工中金大森支店の2行にまとまった。

 決済はみずほ1行だけだ。1行の1日の出入金を確認するだけで経理日報は作れる。経理担当は楽だし間違いが発生しにくい。商工中金は特にお願いすることはないが「イザ」という時に手を差し伸べてくれる銀行だ。

 なお耕の本社敷地と建物は政策金融公庫の担保に入っている。

サンドイッチマンに笑いのヒントある

 関西大学で開かれた日本笑い学会全国大会に8/24参加した。学会は創立30年を迎え会員数は全国で550人。笑うことで健康的な生活をしたいと思っている人たちの集まりだ。本部が大阪市にあるため催事も関西が多いのが魅力だ。

 私は11年前65歳の時に入会した。当時交際範囲が広がらないので最初は「地名研究会」に入ろうと思って探したが適当な会が見当たらず第2候補の「笑い」をテーマにした笑い学会に入会した。

 笑いとは難しいものである。腹の底から笑えなければ駄目だ。サンドイッチマンは笑える。1日に3回はUチューブでサンドイッチマンのコントを見ている。

 見ているうちに笑いを引き出す基本原則が思い浮かんできた。

①キャラある人でないとだめだ。

 漫才・コントの台本を書いている富澤たけしは自分の相方は「面白いキャラを持っている伊達みきお以外ない」と思い、その気のない伊達の心変わりを3年も待った。伊達の父親は仙台1の地銀七十七銀行の行員。

②発言は言語明瞭に。

 発言は、ドモっても言い間違えてもいけない。サンドイッチマンに不明瞭な発言はない。大声でかなり練習してきたはずだ。

③台本は富澤が書く。

 演者が台本を書ければ話の範囲はグッーと広がる。危険用語も下ネタもOKだ。健康的に演じれば不潔さは残らない。

④話の導入法が決めてある。

 「○○やっている時が1番興奮するね」は○○を変えるだけで話はいくらでもできる。

 笑い学会では「サンドイッチマンを勉強すれば笑いのヒントは見つかる」と言いたかったが、よそ者の私は懇親会でも終始仏頂面で黙っていた。

伊達政宗の殉死者は18人

 2024.8.22、3日間の仙台訪問の最終日、伊達政宗を祀った仙台市青葉区の瑞鳳殿に初めて行った。廟の周りには18の石碑があり60歳で死んだ政宗の家臣の殉死者の碑だった。政宗が開明藩主と思っていた私にはちょっとした衝撃だった。

 当時としては当然の殉死であっただろうが政宗は生前「殉死は不用」と言えなかったのか。

 重臣の長男が38歳で死んだ時、政宗は切々と哀悼の長い手紙を重臣に送っている。津波が仙台平野を襲った時は米作復興の先頭に立ち海水が米作に弊害にならないのが分かり仙台藩が江戸への有力な米供給基地にした。

 それほどの人が「殉死は不用」と言わなかった。気の毒なのは家臣だ。殿様が死ぬと自分まで死ななければいけないーとはなんとも切ない宿命である。

 殉死の決まりは江戸中期に廃止となった。

助成金は麻薬

 「魅力ある職場づくり支援助成」など品川区で新たに公表した助成事業が8つある。この他、都のIT化推進助成など1億円を超える大型助成はすでにある。

 当社=㈱耕文社、王子段ボール㈱=はここ10年間、これらの助成を1件も受けていない。理由は①手続きが面倒だ。②助成慣れしてしまうのが怖い。③メーカーから正規価格で買うのが馬鹿々々しい-からである。

 年に1億円以上の助成を受けて設備を買っている印刷会社社長が私に受けるコツを教えてくれた。「申請書にグラフと表、それにカラー写真を付けると助成当選率がグッと上がる」。その社長は「余計な機械を買ってしまったことが何回かある」と自戒していた。

 問題はそこだ。稼働しない設備を工場に置いてはいけない。全設備がフル稼働してこそ優良工場なのだ。設備は少なめの方が良い。「助成が受けられる」と思えばどうしても設備過剰になってしまう。

 当社は設備が足りない状態で社員はどうにか精神的安定を保っている。「機械が欲しい」と言ってくれば私は「手でやれ」という。当社は健全企業だ。

野菜を摂るならタイ料理

 8/16目黒区下目黒1のタイ料理「バンコックオリエンタル」に昼食で入った。この日は台風7号が来て雨模様だったが俄かに「トムヤンクンを食べたい」と思い権之助坂の途中にある店に飛び込んだ。

 バイキングで1人1750円。肉料理は少なく野菜の沢山入った大皿料理が多かった。おかずを取り集めてみるとパクチイをはじめ結構野菜の種類も多い。

 「老人は野菜だけ食べていればいい」と日ごろ思っているが1日の摂取量はそれほどでもない。「これでは長生きできない」と諦めていた。

 打開策が見つかった。「タイ料理を食べればいい」。都内にはタイ料理の名店が多い。例えば北千住の宿場通りにある。あそこのトムヤンクンは絶品だ。週2回の昼食タイ料理で私の栄養のバランスはとれそうだ。

声の大きな社員は優秀

 最近、声の大きな社員と蚊の鳴くような声の社員と比較するようになった。結論から言えば声が大きいことはマイナス面ゼロである。

 声の小さい社員はボロボロ悪い点が出てくる。    

①アイデアがない。

②善悪の判断を表明しない。

③自分のやったことに自信を持っていないーだ。

全く使いものにならない社員像が出てくる。

 それでは小声の社員はどうしたらいいのか。簡単である。無理して大声でしゃべればいい。芝居をしているつもりでやるといい。ひたすら大声を出し続ければいつの間にかそれが通常の姿になる。私が好例だ。自信のなさそうなオジサンが大声を出すだけで如何にも「腹に一物ある男」に変身できたのだ。

 気が挫けて如何にも自信無げな男に戻りそうになったら、また大きな声を張り上げればいい。大声を出すだけでまた復調する。

切実な思いで受ける銀行借入

 銀行からの借金がゼロになって私はタガが外れてしまった。いわゆる「お金の有難味」が分からない状態になってしまった。

 切実な思いでお金を借りている他の事業主とは話の波長が合わない。「私が支店の行事に出るのは借金があるからですよ」とおっしゃるが、私は「融資先の皆さんと会えるのが楽しいからだ」というレベルだ。すべてが遊び半分なのだ。恐ろしいことである。

 それでも日々お金がかからない方法を模索している。これは性分のせいだ。どんな状況になろうがスーパーに行けば1日経った30%引きの菓子パンばかりを買い物籠に入れる。

 ここ8ヶ月売ったもの 買ったものは以下の通りだ。

2024.1.1以降 買った物、売った物
買った物売った物万円
1エアコン10台 耕5601菊全4Cオフ
セット印刷機 耕
3,500
2印刷機冷却機 耕98
3LAN工事    耕82
4パソコン入替 耕827
       王357
 1,924

 いずれも職場環境改善とIT化推進のために買ったものだ。決して惜しくはない。菊全4Cオフセット機は止まっている印刷機を無くすための売却だ。

墓参りすると気持ち良くなった

 恐ろしいことである。高齢化と共に墓参りが嬉しい行事になってきた。8/13 文京区白山の日蓮宗蓮華寺の墓に参った。ここには父母と父の父母の骨がある。

 父の母が晩年、一緒に墓参りに行くと墓地の中で祖母の足が途端に速くなる光景を見ていた。「死期が近づくとああなるのか」と孫の私は眺めていた。

 96で3年前に亡くなった母も祖母ほどではないが張り切って墓参していた。帰りには近くの焼き肉屋でランチを食べるのが恒例だった。

 人生順繰りである。私はいくつまで元気でいられるか。分からない。

新規・事故表は12か月表示

 お客様・外注さん開拓、事故報告書を12か月表示することにした。理由は社員の12か月のプラスの結果、マイナスの事実を残しておきたいからだ。

 外注さん新規開拓の実績が12か月表示されれば開拓者の功績が12か月は社員の目に触れることになる。事故発生者は12か月間表に載り続けることでその間抜けさを指弾され続ける。

 全体朝礼・日銭朝会資料がすべて単月の結果報告に終ってはいけない。褒め称えるものは12か月間称え、反省を促すものは12か月反省させなければならない。

 全体朝礼、日銭朝会のフォーマットを微改善することで私が表で知らしめたいことを印象付けたい。

レコードで音楽聞く喫茶

 渋谷区渋谷3の金王神社の鳥居の前の通りにあるRECOCOという店に8/8入った。2人掛けのテーブルにはレコードプレーヤーがありヘッドホンが2つあった。ジャケットの棚から好きなものを持ってきて聞くシステムだ。料金は飲み物込みで1人3,000円。

 私はビートルズを持ってきて聞いた。音の良さに驚いた。「ビートルズの音楽はこういうものだったのか」。伴奏がいい。歌声もマイルドだ。8曲ほど聞いたが飽きない。

 店内は若い女ばかりだ。76の爺さんが1人ポツネンとヘッドホンをつけているのは哀れさを感じるだろう。

 この店に入ったのは便意をもようしたためだ。どこでもよかった。便所を出た後だから一層ビートルズをゆっくり鑑賞できた。

 街中を歩いていると意外なものにぶつかる。「こんなの初めてだ」というところにわざわざ入ると新しい感動に巡り合える。

オンデがCTP売上超える

 8/6のオンデマンド印刷が28万円(仕事11件)CTP売上が23万円(10件)だった。オンデが増えると印刷マーケット縮小の波をかわすことができる。耕が救われる道はオンデマンド印刷の売上を増やすことだ。

 オンデの仕事はシール、POP、特殊紙の少部数納品などある。CTPでは色校正を取って校正紙を製品として「5部納品」といったケースもある。需要の少部数化の流れに合わせて生産体制を整備して行けば間違いない。オフセット印刷による大量部数生産の時代は過ぎた。

 ポリプロピレンなどの特殊素材に10部ほど印刷する仕事が来れば嬉しい。無くならない印刷物であると同時に耕が作れる種類が増えることになるからだ。

ラジオ体操は猿股1丁がいい

 6:30からラジオ体操をやっている。どうも服が邪魔だ。そこで猿股1丁でやるようにした。これで実に快適に体が動く。出勤社員のいない営業部の真ん中でやる。

 私はラジオ体操第1と首の運動までをやる。第2はやらない。面倒だからだ。首の運動は重要だ。頭への血行は命綱だ。

 私は56歳の時50肩で苦しんだ。どうやっても左腕の付け根が痛い。自転車通勤時に腕を振り回したり、寝ながら筋を伸ばす運動をしてもダメだった。そこで始めたのが我が家の広いバルコニーでのラジオ体操だった。

 1ヵ月やっているうちに痛みは取れ、副産物として頭の中が俄かに整理整頓された。これには驚いた。物事の判断が速いのだ。○○の問題が起きたが原因は△△だ。□□をやれば解決する。と分かってしまうのだ。

 世の中を眺めていて急に目の前の風景のピントが合ったのだ。明確に「世の中はこういうものだ」と分かってしまったのだ。これが2004.10.17 私が56歳の時だった。私はこの日を「開眼の日」とした。

 それからが楽だった。問題が起きても原因を特定できて解決策を決めるのが恐ろしく早くなった。ウダウダ迷うことが無くなったのだ。以後会社の業績も急激ではなかったが1歩1歩改善に向かった。

 ラジオ体操は私に開眼の契機を与えてくれた。「今後困ったことがあればラジオ体操が問題解決の助けを与えてくれる」と思っている。猿股1丁でラジオ体操を快適にできれば私は退歩することはない。

分かり易い表で目標管理

 王耕の全体朝礼資料は分かり易い表でなければならない。

①その月の特徴は何か

②誰が成果を上げ、誰がダメだったか。

 この2点が分かる表にする。

 そのためには文字を減らす。例えば売上数字の順位付けなど比較項目は売上1つにする。誰が見ても実態が率直に表現されていれば公平だ。

 私は毎月の全体朝礼資料に手を加えている。例えば売上額と勤務時間数の2種を掛け合わせた表は見づらい。売上順位表だけで十分だ。

 少しでも見やすい表にすれば理解してくれる社員は増える。そうすれば売上・利益ともに増える。こんなに楽な目標管理はない。

特別清算になった三菱航空機

 私の毎日の愛読書の「帝国データバンクの日誌TEIKOKU NEWS」に載っていた。負債は6413億円。天下の三菱にしてこんなことが発生するのだ。

 部外者として評論家的に言わせてもらえば三菱航空機は「型式証明を取る」ことを目標に掲げるべきであった。

 目標は①具体的に②身近なものに設定すべきである。ゼロ戦戦闘機を開発した過去の栄光に浸ることなく、航空当局の指示に従った型式証明を取ることに全力を集中すべきであった。

 目標は具体的になると関係者は理解して力を発揮してくれる。「日本の航空機産業発展のために」などと言い出したら部下は何をやっていいか分からない。

 私には他山の石である。「他人のつまらない言行、誤りや失敗なども自分を磨く助けとなる」という意味。いかに噛み砕いて周囲に分かってもらえる目標設定をするかがプロジェクト完遂の分け目である。

終了時間を守らない演者はアホ

 茶の湯同好会(表千家)の夏期大学に通っている。美術史家の河合正朝さんの話が時間を過ぎても終わらない。15分過ぎて私1人だけ会場を出た。

 出たからいつ終わったのか分からないが、80過ぎのああいう演者には困ったものだ。

 アホな年寄りではあるが問題は主催者にある。

  1. 時間5分前に「ちぃーん」とベルを鳴らす。
  2. 時間が来たら2回ベルを鳴らす。
  3. 5分過ぎたら3回鳴らす。
  4. 10分過ぎたら5回鳴らす。

 これだけやればいくら頑迷な年寄りでも話を切上げるだろう。

 100人の聴衆は時間を無駄にしないで済む。

佐々木さん記事に反響

 高須武男バンダイナムコ元社長が「社内報の佐々木聖仁さんの記事を面白く読みました」という感想を送ってくれた。

 高須さんは三和銀行麻布支店店長時に私は大変お世話になった。その後ロスアンゼルス支店勤務時にバンダイに転職、バンダイ社長就任後ナムコと合併を完了された。長くゲーム業界に身を置かれただけに佐々木さんの分析に注目されたようだ。

 過去お付き合いした銀行で三和が1番面白かった。理由は関西の3行が合併してできた銀行だけに「行員が皆トッポイ」からだ。

 30年前高須さんが麻布十番の「七尾」という小料理屋に招待してくれた。カウンターで私を挟んで20代の耕文社担当行員と高須さんで食事をした。担当行員が便所に立つと「彼どうかね。役に立っているかい」と高須さん。ここまでは普通の会話。

 高須さんが便所に立つと今度は若い行員が「あの人(高須さん)出世しますかね」と聞いてきた。「そこそこの所に行くんじゃないの」と応えたが、腹の中では大笑い。新米行員が支店長の将来性を聞いてくる。「さすが三和。このトッポサが僕好き」。ますます三和ファンになった一幕だった。

 その三和銀行は三菱銀行に吸収されトッポサは姿を消した。麻布十番の七尾は40年近くたってもいまだに元の場所で営業中だ。

写植機発明100周年記念パーティに出た

 書体メーカーの㈱モリサワが主宰するパーティが7/24大阪のホテルで開かれた。800人が全国から集まり100年を盛大に祝った。

 印刷業者にとって邦文写真植字機は印刷の重大なツールであった。業界は写植機とともに商売をしてきた忘れられない歴史がある。

 写植機はパソコンに入れ替り、印字技術者の作業形態は様変わりした。モリサワは新デザインの文字を開発する方向に転換して年間20書体の新文字を世に送り出している。年1本4万円前後でリースする優良企業に発展した。

 名刺交換した人にコリアフォントアソシエーションの議長がいた。「今日は韓国から20人来た。我々はハングル文字の新デザインを作っている」という。モリサワの韓国支社のようだが、全世界文字のあるところすべてでモリサワの新デザイン開発の手法が通用する。

 10年前モリサワの文字リースのビジネスモデルを聞いて私は「これはやればやるほど儲かる」と思って感心した。耕文社は1本年3.9万円×10本=39万円をモリサワに支払っている。国内だけでも1,000社とリース契約を結べば3億9千万円の定期収入になる。

 フォントを使う業界は印刷に止まらない。あらゆる業界は販促のために適切なフォントを使う。食品・ゲーム業界などなど。更に外国でも必要とされる。お客様は増える一方だ。

 ポイントは毎年新フォントを送り出す開発力があればモリサワは必要とされる。

段ボール形状デザインは有料

 お客様から商品固定用の箱内のデザインを当社営業が頼まれることがある。王営業は「良いサービスができる」と思って数種の仕切りを提案する。無料でやっている。

 これじゃ儲からない。斬新な商品固定形ができればそれはお客様のノウハウになる。いわばお客様パッケージングの財産になる。王営業は「安易な提案」と思ってはいけない。有料にすべきだ。

 商品固定法はお客様の個性となる。「重要なご下問を頂戴した」と思って真剣に①資材を無駄に使わない②堅牢に固定できるデザインを提案すべきである。

 もし当社提案をお客様が使って下れば王子段ボール㈱にとってこの上ない名誉である。

「㈱トーモク優良」の理由分かった

 ひとえに中橋光男社長の課題達成経営の結果である。段ボール原紙値上げが来ればそれと歩調を合わせてトーモクの売値を上げてしまう実行力が中橋さんにはある。

 他の段ボール大手はぐずぐずして値上げ日が決まらない。半年遅れの値上げということもある。これで年間の利益%が大きく違ってくる。

 既存客に逃げられないような早期値上げ完了の手順は私には分からない。中橋社長は「付加価値の高い段ボールを作ることが値上げの理由にできるが、その開発はすぐにはできない。だからお客様には値上げをお願いするほかない」という。

 物流は「日本1の生産能力を持っている館林工場では段ボールの搬入搬出も効率よく行われている」。

 まず①利益を確保→②効率いい工場建設→③社内課題解決して利益を増やす-と言った図式でトーモクさんは動いている。

 女社員の採用にも力を入れ営業の40%が女性である。先に、先に手を打つことで他段ボール大手より2%多い利益を確保する体質になっている。詰まる所トーモクさんはスピード応対をすることで他大手を引き離している。

 ついでに申し上げれば王耕はどうやって成長するかと言えば①スピード応対と②新規開拓力で確実に成長できる。

この人、何で食べているか

 東京商工会議所品川支部の夏季交流大会が133人を集めて開かれた。一言で言えば、何で食べているのか分からない人が多かった。

 「ITソフトを開発している」「業界はどこを狙っているの」「今探しているところです」「それじゃ食べていけないでしょう」「・・・・」。こういう会話は好きだ。収入はなくとも夢はある。

 英会話を教えている。「生徒を集めるために自分で作ったチラシを自分でポスティングしている」50ぐらいのおばさん。正直な人だ。話していて気持ちがいい。

 オレンジジュースを飲みながら会話に専念した。私は「76歳だ。やっと生きている。印刷業はダメだ。マニア向けのシールを作っている。こっちは儲かっちゃってしょうがない」。支離滅裂の自己紹介だが相手はニヤニヤしながら聞いてくれる。面白い会だった。

製版フイルム、終売に

 富士フイルムの子会社が「アナログ版に使う製版フイルムの製造を中止する」と発表した。長年印刷業界で中心工程であったフイルム製版が全く姿を消す。

 アナログ製版フイルムの出荷のピークは2000年だった。以降は急激にデジタル製版CTP化が進行し24年経ってアナログ製版フイルム製造はゼロになる。世の中の流れだから仕方のないことであるが、29歳から印刷業界に身を置いてきた私は製版には特別の思いがある。

 終戦後、町には製版専業の中小企業が林立していた。ほぼ手作業の製版技術によって印刷物の精巧さがものの見事に変わるのを私は目の当たりに見てきた。「印刷技術より製版技術で印刷物の品質ランクは決まる」と思った。だから新機能を付けたオフセット印刷機が売り出されても気持ちは動かなかった。

 製版の重要さが身に染みているから当社制作課の都築明彦さんの「色調補正」の技術は現代のポイントとなるワザである。デジタルによる「色調補正」こそが印刷物のランクを決めるのだ。

 となれば退職しないよう私は都築さんの腕をしっかり捕まえておかなければいけない。

愉快な銀行懇親会

 適当におかずを摘まんで参加者と交わす会話が私には愉快だ。7/17高輪グランドプリンスホテルで商工中金大森支店の懇親会に参加した。

 気分の高揚とともにビールを飲みたくなりサッポロビール中瓶を空けた。酒に弱い私は酒を飲むのは3週間ぶりだ。適当に暇そうにしている人に声を掛けて回るのは楽しい。

 「私印刷業です。注文が減っちゃって落ち目の三度笠です」「以前名刺交換しましたよ」「すみません忘れちゃいました」「あなたのお仕事は何でしたっけ」「貴金属加工業です」「あーあ、お婿さんでお嫁さんの実家の会社に入った人ですね」。

 私はなかなか顔を覚えられない。人の顔と名前が一致しないので何回も名前を聞く。しかしその動作は決して悪くない。忘れたことを確かめ合うだけの会話も貴重だ。

 商工中金は来年、持っている政府株をすべて政府に引き取ってもらい民営化する。民営化されたからと言って当社にはあまり関係ない。なにせ借入はゼロなのだから。

 ワーワー言って酒と豪華な食事を頬張る。誠に仕合せな高齢社長のひと時である。

他業界誌にうなずいた

 月刊「建設潮流」という新しく創刊された業界誌が送られてきた。建設業界の効率UPの記事が多く、前向きな内容に感心した。

 日常行動の中の無駄の例があがっている。①地鎮祭②井戸のお祓い③(安全祈願の)お守り④「ご安全に」という建設業界特有のあいさつ言葉。

 廃止されるもの、存続するものに分かれていくが印刷業界にはこのような特殊な習慣は少ない。新しいオフセット印刷機を購入すると修祓式という式典が行われるぐらいだ。機械メーカーの強力なお勧めが切っ掛けだ。これも絶対挙行すべきものではない。

 不要なものを捨てる動作は必要だ。ドンドン捨てるべきであろう。それこそ社員のアイデアである。英断と言ってもよい。捨てる動作から新しく始める動作にはいれる。

 月刊「建設潮流」も建設業界に新風を吹き込む動作をやって行かないと部数は増えないだろう。

自宅サッシ更新

 私の住んでいる築60年のマンションはコンクリート壁が厚いのとサッシが頑丈なのが特徴だった。30年前46歳の時にこの中古物件33㎡を買って住んでいる。

 この度大規模修繕が始まった。ペンキの塗足しが中心だが私は6面ある大きな窓のサッシの入れ替えを業者に追加注文(280万円)した。驚いたことに新しいサッシの頑丈さは想像以上のものだった。5cmもあろうかと思われる窓枠は現代の高層ビルでは必要な強さだろう。余程頑丈なものにしないと高層の窓は風に耐えられない。  

 私はクーラーが嫌いだ。金網から入る外気は将に「極楽の余り風」だ。昔、路地の縁台に腰掛けて涼んでいた老婆はこう言って通り抜ける風を喜んだ。

 金鳥蚊取り線香を焚いて余り風に身をさらしていると「生きていて良かった」と思う。夏を快適に過ごせる私は恵まれた老人である。

 そして余程暑いと風呂場で水を浴びる。2回ほど。気化熱で体温が下がる。

相変わらず面白い全学同窓会

 7/13(土) 東京駅近くで開かれた大学同窓会に参加した。全10学部400人。老いも若きも出てくる会は最後の1.5時間の懇親会が面白い。

 「私はゴミと言われている経済だ。76歳だ。あんた学部はどこだ。俺よりだいぶ若そうだな」。この大学の花形は「医学部と工学部だ。ほかの学部は付け足しだ」。こんな風に話を切り出すと知人がいないほとんどの孤独な参加者は全員が乗ってくる。

 いつもの通り自分の不利な話を並べたてる。「印刷業だ。落ち目の三度笠だ。やはり世の中の大きな流れには逆らえませんな。印刷はもう駄目だよ」。これだけ言えば相手は目を輝かせて話に応えてくる。

 8歳上の薬学部出身のお婆さん(84)がいた。「女でよく(大学に)入ったねえ」「私勉強が好きだったの」「それは凄い。でも当時、女子学生はいなかったでしょう」「そんなの関係ないわよ。私はやりたい勉強をしてきた」と勢いはいい。

 元気だから同窓会に出てくる。自分勝手に好きにしゃべっている姿はいいものだ。

パリ祭で大騒ぎ

 7/11後楽園のCITY HALLで開かれた62回パリ祭を見た。60人のシャンソン歌手が11,12日の2日に分かれて歌いまくるという催しだ。

 何せシャンソンだから高齢歌手と観客ばかりだ。「今更シャンソンでもないだろう」と思いながら毎年行っている。

 歌手は日頃の鬱憤を晴らすように声を上げ、1,000人の観客は1番の服を着てくる。お互い「晴れの舞台」なのだ。私はその雰囲気が好きだ。安奈淳(77)は背筋が伸び見事な歌声を披露してくれた。

 2時間のショーだが疲れた。「1時間聞けば十分だ」と思いながら満員電車で帰宅した。

売上高と経常利益だけ見ろ

 企業会計ではいろいろな利益がある。①総利益②営業利益③純利益。これらをいちいち見る必要はない。売上高と経常利益だけ見て、前年比較をやれば凡その動向はつかめる。

 2024.5.20の決算は

㈱ 耕文社

 当期売上高  9億7810万円(前期比 +1.2%)

 前年売上高  9億6659万円

 当期経常利益 9091万円(前期比 ー4.9%)

 前年経常利益 9562万円

王子段ボール ㈱

 当期売上高  5億9258万円(前期比 +6.8%)

 前年売上高  5億5443万円

 当期経常利益 4450万円(前期比 +54.2%)

 前年経常利益 2885万円

空飛ぶ車は愚

 これからは人1人当たり必要とするエネルギーを減らす方向で技術革新を進めるべきである。

 自動車は道路を走って移動すればよい。なにも車体ごとと空中を飛ぶ必要はない。それにはトンデモナイエネルギーを必要とする。車1台は凡そ1トンとみて1トンを空中に持ち上げて人間1人を移動する必要などは全くない。

 企画マンが空飛ぶ車のアイデアを国の役所に持って行ったところ担当者は大いに賛同したという。その辺から間違っている。

 国全体が省エネを大方針として政策決定をすべきだ。無駄なエネルギーを使っている項目は片っ端から否定してかかるべきである。例えば温暖化の材料となるものは1つずつ減らしていけばいい。10のエネルギーで10人が快適に過ごしていたなら10で100人が快適に過ごせるようにすべきである。

 人の知恵はいくらでも応用が利く。空飛ぶ車は愚である。

俳優の浜畑賢吉さんが亡くなった

 81歳。都立広尾高校の先輩で日本橋の和食店にお招きしてお話を伺ったことがある。

 浜畑さんと言えば1968年連続テレビドラマの「進め!青春」の熱血教師役で一躍人気俳優になった。清潔感ある持ち味に私もテレビにかじりついた。

 後年浜畑さんは大学で演劇論の講座をもって厚い本も数多く出され、私も3冊ほど頂戴した。

 俳優は終生俳優でやって行く人、芸能事務所経営に軸足を移す人、脚本・小説・作詞・作曲家になる人いろいろだ。浜畑さんは持ち前の生真面目さから教育の道を選んだ。

 私にとって浜畑さんは清潔感ある良き先輩であった。

㈱トーモクさん研究

 段ボール業界が需要不振にあえいでいる中でトーモクさんだけが順調だ。その理由を知りたい。早速2023.8.31調査結果の資料をTDBから取り寄せた。

  1. 東京プライムに上場、TDB評点 71
  2. S24.5 東洋製缶㈱小樽工場木工課が出発点

  S31.1 小樽段ボール工場開設

  S34.5 横浜、36.8札幌、37.2大阪、45.11九州工場開設

  S46.1 東洋木材企業㈱→㈱トーモクに商号変更 全国に段ボール工場を作ってきた

3、メインバンクはみずほ銀行

4、製紙、段ボール大手にも属さず独立系としてやってきた

5、社風は実力主義が貫かれている模様

 好感の持てる会社である。行く末をただ眺めているだけでもいい。参考にして行きたい。

運送業はやりたくない

 今1番やりたくない商売は運送業だ。トラック輸送が中心となって排気ガスを振り撒いている。物を運ぶためとはいえ代償が大きすぎる。排気ガスをばらまいて売上目標を達成しても「果たして良かったのか」と思ってしまう。

 関西の工作機器や家庭用機器などを取り扱う専門商社である㈱山善は商品運送手段をトラック→鉄道・船に切り替えている。運送全量の50%を鉄道・船に切り替えることを目論んでいるが「10tトラックを必要台数確保できていないのがネック」になっているという。

 山善の方向性には賛同できるが他社の「すべてトラック輸送」を前提としたビジネスには着いて行けない。神奈川県では運送会社が2,000社超あるがすべてトラック輸送だ。

 6月に狭いところに入れない4t車を2t車に買換えるために5社見積りをとったがいずれも600-700万円だった。高額なトラックを買って利益が出るのか不明だ。結果としては2t車への買換えは中止した。

王=2t、2t、2tロング

耕=4t、2t

 「運送業はいやだ、いやだ」と言いながら王耕で現在5台のトラックが稼働している。今私にできることは売上が増えてもトラックを増やさないことだ。

重要視されるFSC認証

 FSC認証は環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林から生産された林産物や、その他のリスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組みーである。

 ローソンさんは2050までに環境負荷をゼロにする方針だ。FSCは負荷ゼロの有力な指標となる。販促物にFSC認証のマークを入れることが各方面から要請されてきている。

 様々な認証があるがFSCは本物である。担当は版面が出来上がった後FSC認証の承認を本部に申請する。承認を受け次第印刷に入る。

 1手間増えるが販促物として環境負荷ゼロに向けてお役に立てれば名誉なことである。

お客様に切られる道

 「この業者はダメだ。使えない」と担当者さんが思ったら発注はなくなる。私は47年間印刷業に携わってきて何度切られてきただろう。最初は切られた理由が分からないまま「発注停止」を受け入れてきた。理由を追求することなく時間を過ごしてきた。これではいくら新規お客様をとって同じ回数発注停止を食らっていたら売上は増えない。

 そこで行き着いたのが再発防止策だ。しかも絶対再発防止になる対策でなければならない。上位の人間が生半可な気持ちで建てた再発防止策ではすり切れたクラッチのように運動エネルギーが車輪に伝わらない。絶対効果が発揮される再発防止策を立てるには長年の勘が必要だ。

 私はその勘を身に着けたのは50歳を過ぎてからだ。例えば①誰が原因か②どの動作が間違っていたのか③ジャー、どうすればよいのか

 今回の加工課の帯に250枚と書いて200枚しかなかったクレームの再発防止策は「員数検査係を置く」というものが出た。

 私は「1つの案である」と思った。やってみる価値はある。そして何よりも重要なのは同じミスをする社員は退職してもらうことだ。

前年比で実態分かる

 王の外注さんへの丸投げ発注で有村紙工さんにお願いした額が前年(2023.6)が506万円だったのが今年6月は199万円の61%減であった。

 これは担当の菅原功さんが外注額が1社に偏るのを避けるため意図的にやったことだ。有村さんに全丸投げ額の67%お願いしていたが今年(2024.6)は42%に下がった。

 すべて資料は前年比で出すと傾向が分かる。目標比は希望的数字を基礎にするからデータとしては使えない。

 前年数字を入れた外注丸投げ表は7/1菅原さんが再送する。

活発な広尾高校同窓会

 渋谷区にある都立広尾高校の同窓会が6/29隣の國學院大學集会所で開かれた。

 母校ながらいつも感心するのは同窓会組織がしっかりしていることだ。①新年会②総会③ちゃちな旅行会(たとえば高幡不動見学会)④運動会見学ーなど盛りだくさんだ。

 私は①と②は毎年参加している。その度に名刺を配っている。「渡辺さんの名刺は4枚ありますよ」という老女には「5枚溜まったら粗品を差上げます」と言っている。

 同窓会催しが多いだけで「広尾を出てよかった」と思っている。

中小企業家同友会の懇親会に参加

 6/27イタリア料理店大井町バルサルで18人が参加して開かれた。40,50代中心だが話は面白い。

 60ぐらいの女社長に「亭主は何やっているんだ」と聞くと「離婚して私の下で働いている」。こういうケースは多い。

 亭主が不甲斐ないと「首にした」不動産屋の美人社長が過去に居た。男もオチオチシテいられない。男も女もない。企業家精神の旺盛な方が舵を取っていればいいだけの話だ。

 料理はおいしかった。珍しく夕飯で大量に食べた。

声掛けの喜び

 「申し訳ありません。竹内さん(61)昨日床屋に行ってしまいました」「いちいち言わなくていいですよ」「やっぱり、竹内さんに報告しないといけないと思って」。髪が長めの竹内さんには「髪を短くしろ。短くしろ」と折に触れ申し上げている。

 当方は「どうしても短くしないといけない」とは思っていない。会話のきっかけづくりのための私の声掛けである。大声で言うから誰にも聞こえる。竹内さんはウンザリシテいる。

 「君の字はいいね。決して上手いとは言えないが筆圧が強いから読み易い。立派な字だから直す必要はないヨ。こんな字の葉書が来たら喜ぶだろう」「ホントですか。自信が付きました」とデザイナー。

 こんな会話を日に5,6人とやっている。

私は思ったことをそのまま相手に伝えているだけだから疲れない。ポイントは

①思ったことをそのまま言う。

②大声でやる。誰はばかることなく大声を出していれば私の健康に悪いわけがない。大声だから公平だ。

③会話は短時間で終わらす。

この①②③を毎日やっていると1日が面白い。

芥川製菓様が振込になった

 12年前、㈱耕文社が王子段ボール㈱を買収した時はチョコレート菓子メーカーの芥川製菓様は売上の80%を占めていた。段ボール箱のほかチョコレートの箱詰めも請負っていた。支払いは4ヶ月手形。手形残は5千万円近くあった。当時「芥川様が倒産したら王子も倒れる」と恐怖の中にあった。

 その後箱詰めの仕事は返上して芥川様への依存度はかなり減った。それでも担当営業の芝崎孝一さんは「手形の短縮」をお願いし続け今回の手形廃止になった。新しい支払は「末締めー50日後の振込」である。

 芥川様の決断とはいえ「おめでたいこと」と思えてならない。取引額はかなり減ったが王は安心して仕事を請けられる。元々芥川様はTDB(帝国データバンク)評点57の優良企業だが今後は短期決済でさらに優良になられるだろう。

 ちなみに王の現在の受け手形残は14万円である。12年前は7千万円あった。

現金残580億円のアスクル

 これには驚いた。2024.1月に金融機関からの借入ゼロになった王耕は鉦や太鼓をたたいて喜んだ。「現預金がいくら貯まったとはいえ株や債券で運用すべきではない」という西沢良一顧問会計士の指導により当座預金にチマチマ貯めている。現在の王耕合わせた現預金残は3億円である。一方アスクルは桁違いの580億円である。

 現金を貯めるのは代表の性格による。貯める人間は貯め、貯められない人間はいつもスッカラカンだ。貯っていく過程は周りには分からない。アスクルは「いつの間にか現金残が580億円になった」という感じだろう。

 アスクルは現金の使い道を①倉庫建設 ②営業所開設など挙げているが580億円に比べれば掛かる費用はたかが知れている。現社長のもとでは「出金(でがね)は最小限に抑制され」結局は更に現預金は増え続けるであろう。

 そこが面白いところだ。社員は血を吐くような努力をしている訳ではない。すべてが「いつもの通りにやっていると現金は増え続けてしまう」結果になる。

 昔から思っていたことは「世の中には①土地を買う人と②売る人の2種類しかいない。自分はどっちに入るか」。こう設問してきた。

 しかし問題はそれ以前にあった。印刷業から利益が出ないのだ。どうやったら利益が出るようになるのか分からなかった。利益が出ないから借金返済の自信もない。幹線道路沿いに土地を買う決断もできなかった。

アイデア賞は宝の山

 スローガン制定から半年もたって全社共有の「アイデアで楽しく稼ごう賞」を初めて読んだ。面白い。

 社員から出たアイデアを第1ステップとして上司が第2ステップの完結まで持っていけば大変な効率UPになる。上司が効率UPのルールを作ることがポイントだ。

 例えば鈴木崇さんの「営納でかなりの予備枚数が付いていた」とあるのは

  1. 鈴木崇さんが納品票・予備枚数表作る。
  2. Fグルアーの茂田・藤井さんがA4の納品票に「○○様、品名・△△枚、予備□枚」と大きく書いて荷に貼り付ければ完璧なルールになる。
  3. 作り過ぎた予備は直ちに廃棄する。

 アイデアの顛末まで持っていくために全社共有の「アイデアで楽しく稼ごう賞」に顛末欄を1つ増やした。顛末は署名を付ければ誰が書いてもいい。

分かり易い話は名講演

 6/20西新宿のホテルで開かれた成城ロータリークラブ卓話の会に参加した。講師は杉山晋輔元駐米大使。

 米大統領選は有権者の投票結果は、州ごとに集計され、勝利した候補がその州の「選挙人」を獲得する。「選挙人」は候補者に投票すると誓った人のことで、投票や指名によって民主・共和両党から選ばれた538人だ。おおむね人口に応じて50州に人数が割り振られている。
 大統領に選ばれるには、この「選挙人」の過半数の270人を獲得する必要がある。

 杉山さんの説明は手順が良く私でも理解できた。以前まるで底の浅い話を繰り返す元大使に閉口したことがあった。「外務官僚は話下手」と思っていたが人によりけりだ。

だんご屋でお握りを買う

 早朝スーパーでお握りを2つ買い、社で海苔1帖を半分に切ってお握りに巻いて食べている。これが毎日の朝食だ。

 海苔とはこんなにも食欲をそそるものなのかと今更ながら感心している。

 都営浅草線中延駅を出たところにだんご屋がある。暗い小さな店だが数十年前から大福を買っていた。「そうそうここにだんご屋がある。ここで買って家に帰れる」と今更ながら思い出した。浅草線で中延から高輪台駅まで行って、自宅まで歩いて12分だ。

 中延駅前のだんご屋で「この店は古いんでしょ」と言うと「60年だ」という。「こういう店があるとありがたいです。私は酒がダメなので」。女将は「また来てくださいね」。こんな風に言われると元気が湧いてきた。

 翌日買ったお握りを社で食べた。たらこや梅が大量に入っていてこれが結構しょっぱい。ご飯はスーパーの倍だ。味で提案があれば女将に言えばいい。個人経営の店は買物をして楽しい。

新版取って未来を拓く

 新版とは単純増刷以外の仕事を言う。

 10年前に開拓され会社案内しか発注されなかったお客様Aからパッケージの受注があったらこれは新版という。A様からはパッケージの仕事がかなり増えるかもしれない。期待するのはいいことだ。

 お客様が主たる営業品目を代えて行けば王耕も作るものを代えればよい。①見本作成数 ②新版数は受注傾向を如実に表している。受注が少なくても①②が目標以上なら未来は明るい。私が精神安定しているのは毎日①②の数字を見ているからだ。

 新版によって王耕は製造品目をいくらでも変更できる。外注さんにお願いできるからだ。最近の例では黒色の段ボール箱が好評だ。黒箱が極端に増えたら黒ライナーを仕入れて内製すればいい。

継足し増築 池の平ホテル

 西新井法人会の1泊旅行で長野県白樺湖畔の池の平ホテルに泊まった。総勢180人の団体が東館に泊まった。東館から風呂、食堂のある本館までエレベーターで上下し、片道8分掛かった。

 旅館業は来館者に合わせて少しずつ部屋数を増やすのが健全経営と言われてきた。池の平は不便さを承知の上で健全増築をしてきたようだ。来館の若夫婦・子供たちは元気一杯で遠距離移動は苦にならないようだが年寄りたちは閉口した。特に足の弱っている私は部屋から出ないよう心掛けた。出ないのはいいが何となく面白くない。

 朝食バイキングは伊東園グループと同じだ。宿泊客を一堂に集めて「好きなだけ食べさせる」方式だ。「池の平はもう来ることはないだろう。電車で行ける熱海の伊東園グループの安ホテルの方がいい」と思った。伊東園グループは閉館するホテルを買い取って部屋数を増やしてきた。こちらの方が効率いい。中古建物ばかり買ってきた耕のやり方だ。

 帰りは事故渋滞で1.5時間遅れた。王子段ボール着7:40。

テキパキと事務は進む

 6月は忙しい。

1、6/21からの給与改定通知の手交 

2、6/28(金)に夏季賞与支給(王耕の賞与支給は公務員支給日の1週前という取り決めがある)

3、夏季社内報発行7/16(火) 

 私の担当は上記3点だがその他のエクセル表づくりが5点ほどある。

 社員が見て分かりやすい表を作れば社員が ㋑現状分析をやり ㋺次の方針決定を社員が楽にできる。一旦出来上がれば毎月使える。社員は毎月の表から自分の居場所を確認でき、次に何をやるべきかが分かる仕組みだ。

 上司が口で言わなくても社員が自分で問題抽出ができる。エクセル表はそれほどに効果を上げる要素がある。目標管理はエクセルでやっている。

増えてきた課長決断

 山村制作課課長=不要配線の撤去。リコーさん指定業者さんが来て6/7、8で大量に捨てた。

 澤本印刷課課長=新館1Fの古紙17パレット捨てた。

 成瀬管理課主任=箱に保管されている刷りだし見本を100%捨てた。

 いずれも課長・主任決断があったればこその結果である。私には詳細は分からない。しかし在庫が大幅に減少すれば悪いことはない。効率はUPする。利益増につながる。傍から見ていて気持ちがいい。

 2024スローガンの「アイデアで楽しく稼ごう」で予想もしなかった利益が出る。設備投資して益出しをするのは下(げ)策である。課長決断・社員のアイデアで益出しをすることこそ上(じょう)策である。

加賀料理を満喫

 耕お客様の加賀料理の大志満様で6/10昼食をとった。8,000円の最上級コースは量が多くほうほうのていで完食した。刺身の切り身は大きく料理は12種という豪華さであった。

 加賀料理の最大特徴は治部煮である。鴨肉を煮た料理で石川県金沢市の代表的な郷土料理(加賀料理)である。客は治部煮を食べてやっと「加賀料理を食べた」気になる。

 大志満様は元々品川駅前のホテルにあった。品川で和食と言えば大志満だった。駅前再開発で今の汐留のロイヤルパークホテルに移転した。25階の窓からは浜離宮公園が見渡せる気持ちのいいセンチメンタル昼食であった。

2語句検索で精度急上昇

 大利根CCの支配人の下の名前が分からなかった。帝国データバンクの南出さんに調べ方を聞いたら「大利根CC 大森」で検索すると「啓幹(ひろき)」と出てきた。簡単なものである。大森啓幹支配人は今、私と会員との間で問題となっている事件をうやむやにしようとしている人物だ。

 事件とは今年(2024)1.2に開かれた新年杯の帰りのクラブバスの中で会員の稲田栄池(茨城県守谷市松が丘5ー7ー1)が後ろからアイアンの柄で思いっきり私の首筋を殴ったことだ。

 心不全の回復過程にあって体力に自信のなかった私は所轄の境警察署に被害届を出し大利根CCには稲田を除名にすることを要求した。

 意外なことに大森支配人は事件を調べることはせず、一貫して「そのような事件はなかった」との立場をとり続けている。

 私の目標は①稲田を除名する②大森を退職させるーの2点だ。

 今後も村木茂大利根CC理事長を巻き込んで①②の実現に向けてやって行くつもりだ。5年ぐらいかかるだろう。