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高齢社長の仕合わせな日々 36 | 2022年7月22日

買う気起きない印刷機器新製品

 「スピード20%UP」などと銘打って印刷機器メーカーが華々しく新製品販売キャンペーンを打つ。とりあえず当社担当は調査するが私は「たいして変わっちゃいねぇえよ」と初めから頭はコチコチだ。担当が各方面から情報収集する動作に価値があると思っているだけで機器を買い替える気は毛頭ない。

 80年前製造のうどん粉撹拌機をいまだに使っている製麺業者を見ると尊敬の念が湧いてくる。うどんも旨そうだ。要は作り手の技術がポイントだ。旧い機械を自主保全する技術こそが良品生産への唯一の道だ。

 当社の油性印刷機3台12胴のローラー交換を7/19完了した。機長は一様に「印刷物の品質が良くなった。ゴミ付き色むらの心配がなくなった」という。自分がローラー交換して自分が刷った製品で効果を確認したのだ。次のロ-ラー交換は2年後だ。その間機長は版が変わるたびに布でローラーを拭き清める動作をやる。

 当社は機長自身の手でローラー交換をしたことがない。ただ「印刷機の調子が悪い」と機長が愚痴を言うだけで終わっていた。解決策が分からないままで創業70年である。会社は倒産もせずよく持ったと思う。

 現在は簡単だ。生産設備は機長が自分の手を汚して自主保全をやる。機械メーカーに保全依存は禁止。

これさえやっていれば①良品を生産できる。②設備を買い替える必要は無くなる。それが自然と社の増収増益に繋がっていっている。

高齢社長の仕合わせな日々 35 | 2022年7月22日

猫も病院で死ぬ時代

 会社近くの平和坂商店街の蕎麦屋・鹿島に昼食に入った。恒例の通り店主の妹(55)に「大ちゃん何所にいる」と聞くと妹は顔を曇らせて「6/20に死んだ。16歳だった」。大ちゃんとは鹿島の黒毛の大きな飼い猫だ。

 妹は長々と説明しだした。「ゼイゼイいいだして動物病院に入院させた。3日入っていた。日に日に悪くなり『肺に水が溜まったせいだ』と先生は言っていた」と肩を落としていた。

 猫が入院か―と妙に可笑しくなった。しかも死因を特定している。動物病院の医者もお客様サービスのため細かく検査、診断している。今はそういう時代なのだ。

高齢社長の仕合わせな日々 34 | 2022年7月20日

貴重な4日間九州旅行

 7/14-17、福岡県内をウロウロして2日間体調不良だった。7/20 やっと回復した。それにしても今回の旅行は面白かった。地元の人3人とジックリ雑談したからだ。

 飯塚市の商店街に柳原白蓮の展示館があった。館長の有松道子さん(79)は呉服屋だった店を改装して各地に散らばった白蓮関連資料を集めて独力で開館した。

 館前に立った時、私は胸が高鳴った。「町を歩いているとこんな貴重な場所に行き着ける」。小さな展示館に入って1時間余り雑談した。「地元の観光資源を開発したい」が有松さんの想いだった。

 おかげで白蓮のこと、25歳年上で白蓮と10年間夫婦生活した炭鉱王・伊藤伝右衛門のことを知ることができた。昔からの印象だが「九州は面白い」。

高齢社長の仕合わせな日々 33 | 2022年7月20日

博多祇園山笠を見物

 7/15(金)5:00 福岡市博多区の承天寺前で3年ぶりに開かれた博多祇園山笠を見物した。櫛田神社を出発した8台の山笠が男たちに引かれ5㌔町内を駆け巡る。それに私たちが拍手、水を掛けた。

 静岡市商工会議所主催のこの旅行会は、1年前会議所の便所を借りるつもりで入ったら「聖一国師の会」のチラシがあり早速入会した。会の最大のイベントが博多祇園山笠の見物訪問だ。

 昔、博多で疫病が流行り苦しみの中にいた人々に、宋帰りで承天寺を開いた聖一国師が聖水を撒くことで疫病を鎮めた―ことが博多祇園山笠発祥とされている。

 聖一国師は静岡県出身でその子孫の米沢家を中心として祈年の会が毎年開かれている。その会に何の縁もない私が飛び入り参加した。

 25人の集団だから筥崎八幡宮では宮司のお祓いを受け、承天寺では住職のお経、話も聞けた。周りは皆知らない人ばかり。こういう未知の会に飛び込んでの行事は神社仏閣の奥まで入れるから面白い。

 祇園山笠が再開されて人々が活気づいているのが分かった。毎年7/15の早朝1日だけの山の引き回しだが人々の気持ちが華やいでいるのだ。隣に立っている老人に「大人に混じって走っている子供たちが可愛い」と言ったら延々20分山笠の説明をしてくれた。

 「女の子は小学生まで参加できる。だけど高学年で締め込みは生々しすぎる。走っているのはせいぜい3年生ぐらいまでだ」「そりゃそうだろう。ワッハッハ」と私。

高齢社長の仕合わせな日々 32 | 2022年7月13日

人脈拡大法はチラシが多い

 公共施設などに行くと催し物のチラシを持ってくる。参加して面白ければその団体に入る。この動作が私が新しい会に入るきっかけとして1番多い。

 私は岐阜県美濃市出身の講談師神田京子のファンだ。5年前JR王子駅前の北区の施設で京子と俗曲師の2人会があり入口に俗曲師が主催する会のチラシがあった。上手い三味線と品のいい芸に早速会に入った。以降年4回開かれる旅行会・公演には皆勤だ。旅行会は俗曲師出身地の倉敷市周辺が多い。面白い会に入ったものだ。

 チラシの効用を知った私は印刷会社と段ボール製箱会社で18種ほど作り、営業が配っている。営業がホントに配っているのか疑わしい。こちらのチラシ効果はダメだ。営業にチラシを提供しても「猫に小判」である。それでも私は「飛び込み新規開拓はチラシ配布数がポイント」と思っている。例え当社の営業が、猫であっても小判を供給し続ける。

 俗曲師は桧山うめ吉という。

高齢社長の仕合わせな日々 31 | 2022年7月12日

使い勝手悪いメガバンク

 200万円を他行に振り込んでもらおうと三菱銀行目黒支店に行った。「窓口は予約制だから、入口でまず予約を取ってくれ」という。驚いた。歯医者じゃあるまいし。

 来店客の要望は千差万別だろうから窓口が聞き取って片っ端から完了させるのが1番効率いいはずだ。更に入口のおばさんが「ご用件は」「ご本人様ですか」などと聞いてくる。応えるのも馬鹿馬鹿しい。メガバンク窓口はすべて予約制という。

 結論は、ATMコーナー以外の用件は、客の少ない○〇信用組合、信用金庫、地銀に行く―だ。予約もないし窓口がサッサとやってくれる。当社の総務課員が大崎駅前の東日本銀行を使っている理由が分かった。東日本銀行は元水戸市の無尽株式会社だ。効率UPのためなら不便さをウダウダ口にするより、次の手を実行した方が問題解決が早い。

高齢社長の仕合わせな日々 30 | 2022年7月12日

早雲寺殿廿一箇条

 歴史番組を見て小田原の北条5代の始祖・北条早雲(1456-1516)の21か条があるのを知った。条文が分かりやすく私の胸に響くものばかりだ。

2条 朝は早く起きろ

14条 嘘をつくな

18条 友は良く選べ

20条 火元は自分で確認せよ

 誰もがやらなければいけないことで、1人の人間が生きていく上での基本中の基本である。早雲は21か条を守って相模の国を取った。中小企業の高齢社長も所詮は自分でやるべきことをやらないと末路は飛んでもないことになる。

 自分で現場に行き、手を汚して学ぶ。アイデアは自分で出して組織を筋肉質にする。これらをやるのが「面白い」と思えば高齢でも中小企業の社長を長いことやって行ける。

 何でもやってくれる家老の三太夫に任せっきりであればその先は奈落の底である。早雲は21か条通り独楽(こま)(ねずみ)のように動き回ったはずだ。

高齢社長の仕合わせな日々 29 | 2022年7月9日

パリ祭を見た

 渋谷Bunkamuraオーチャードホールで開かれた第60回パリ祭を7/7見た。60人のシャンソン歌手が「ようやく開かれた花舞台」とばかりに次々に熱唱した。

 出演した老女歌手が切符を買っておいてくれた指定席は1階22列の真ん中で、満席なのにたまたま両側が空いていてゆったりと座った。「これはいい席だ」と思った。

 主役のゲストは鳳蘭、司会は山本リンダ。菅原洋一がやっと歩いての登場が印象的だった。

 観客は着飾った老女が多く「オーチャードまでパリ祭を見に行こう」という意欲のある人たちだ。その顔を見ていると気持ちがいい。人は意欲で動くものだ。対象は何でもいい。自分の足で歩いてそこまで行けば100%健康である.

高齢社長の仕合わせな日々 28 | 2022年7月7日

毎月の損益表と試算表

 2つの表が当社の締め日(20日)から2週後に出来上がってくる。

損益表=全社・課毎の月と累計の損益を表で表したもの。管理会計の重要なデータである。総務課員が作る。

試算表=会計事務所で作る。貸借対照表(資産の部と負債の部)、損益計算書の累計が出ている。当社ではこれを月次試算表と呼んでいる。

 2つを見ると前月と今期の特徴が分かる。マイナス項目があれば当日中に手を打つ。プラス項目は放っておく。これがスリルとサスペンスで結構面白い。

 3月の損益表で印刷課が赤字すれすれになった。「改善への展望が見えない」という理由で課長が交代した。課長職も命懸けだ。ルールだから仕方がない。

 2表を見ているだけで現実が分かる。高齢社長の精神安定剤だ。

高齢社長の仕合わせな日々 27 | 2022年7月7日

業界誌・紙を取る

 月刊誌「印刷情報」=㈱印刷出版研究所発行=を取っていたが、担当退職と共に回覧は回ってこなくなった。引き継いだ課長が「購読の契約更新をしていない」という。もったいない。再度復活して回覧を再開した。

 物流月刊誌「ロジスティクス・ビジネス」=㈱ライノス・パブリケーションズ発行=は新しく取り始めた。見本誌を読んだトラックドライバーは「お終いの方に共鳴できる記事があった」と言っている。「こんな頭脳明晰なドライバーがいたのか」と思った。他の社員には猫に小判の月刊誌でも明晰な社員だけでも読んでくれれば取る価値がある。

 私は業界誌・紙には興味を持って目を通している。できれば担当社員は業界の親睦会に入るべきだ。基本スタンスは「外に、外に」である。外部に接触することで学べる。面白いことが山ほどある。そこで業界を研究してもらいたい。

高齢社長の仕合わせな日々 26 | 2022年7月5日

蘭州の麺食べた

 新宿駅西口の蘭州ラーメンの店に入った。蘭州は甘粛省にあり海抜1600mにある。中国中央部に位置し店員はイスラム教徒のかぶるような帽子を頭に載せている。

 西遊記の旅の途中に出てくるような地名に心躍った。16:00「異国情緒ある店で間食できるとはラッキーだ」と思いながら麺料理を注文した。旨くない。若い女店員に「蘭州から来たのか」と聞くと、河南省とか大連市からという。

 それでも蘭州という地名に本日、接することができただけでも私は嬉しい。

高齢社長の仕合わせな日々 25 | 2022年7月5日

銀行機能は調達、運用、決済の3つだけ

 銀行の機能は①調達(借入)②運用(預金)③決済(振込・引き落し)だ。これ以外の機能はない。これを知ったのは1997年49歳の時だった。投資コンサルの講演で「あっ、そうか」と思い、それからはお金に対する考えが180度転換した。巨大なバケモノのような金融機関が私たちの「単なるツール(道具)だ」と考えるようになった。

 例えば1000万円の現金を手にしたら「①②③のどれに使おうか」決める。

①調達(借入)=借入金の返済に充てる

 ②運用(預金)=株か債券、不動産を買う

③決済(振込・引き落し)=会社の当座預金に入れて置く

 この考えを進めて行った結論は「②運用はやらない」―だった。

 新聞の株価欄を見ることもなくなったし、金利の動向も興味は無くなった。毎日の金の支出と収入だけを眺めていればいい生活になった。そして効率UPだけやっていると金は自然と手元に貯まっていくことが分かった。

高齢社長の仕合わせな日々 24 | 2022年7月1日

儲かっている所から学べ

 巣鴨地蔵通り商店街で40半ばで鮮魚の食堂を始めた男がいた。そこで昼食をとったが、料理は旨いがどう見ても儲かりそうもない。1つ1つ改善策を指摘しようとしたら「どうしたら儲かるようになるか」と聞いてきた。

 私は「儲かっている食堂で話を聞くといい。話してくれなければ、行って観察するだけでもいい。自分の目で見るといい」といった。

 店主は「食堂を始めて1年半経つが面白い。ただカツカツだ」といっていた。「人間、好きなことをやるのが1番だ。あとは御自分で工夫してください」と言って店を出た。

高齢社長の仕合わせな日々 23 | 2022年6月28日

スマホで銀行出入額分かる

 スマホで何よりも有難かった機能が私の唯1の通帳のみずほ銀行の出入額が一瞬にして見ることができるようになったことだ。印刷会社全社員が集まって毎日開いている「日銭朝会」で営業社員のスマホ操作ワンポイントレッスンで教えてもらった機能だ。

 私は会社・個人ともに決済行は1行と決めている。出入金が1行で分かれば効率がいい。経理社員は夕方、決済行から送られてくる出入額と残高の紙1枚を見るだけで経理日報を締められる。15行と取引している会社があった。この中10行で決済していたらもう滅茶苦茶だ。「取引先別に通帳を分けた」というが、毎夕10行の出入金表の足し算をしないと残高は出てこない。恐ろしいほどの効率の悪さだ。

 私個人の通帳の入り金は①給料②年金③家賃ぐらいだが、出の方は水道-光熱ほか年会費、JR・ホテルの自動引き落とし分、なかでも税金が複雑だ。

 私には節税という意識は余りない。「お(かみ)が請求してきたら一刻も早く払ってしまう」という主義だ。

今の目標はすべての個人決済を自動入金・引き落としにすることだ。支払先がまだそうなっていないものはないか調査中だ。それがスマホで確認できるようになったのだ。ありがたい。

高齢社長の仕合わせな日々 22 | 2022年6月27日

私の頭の中は効率UPだけ

 高齢社長が仕合わせに過ごすには会社が利益を出していないといけない。売上の大きい小さいは問題ではない。印刷会社の5/20決算の売上は前年比7.2%減だ。経常利益は売上の8%ほど出ているから胸をなでおろしている。社員数、売上が減っても利益さえ出ていればいい。

 利益を出すには効率UPだけやっていればいい。60分でやっているのを30分でできないか。3人でやっている部署を2人にできないか。そんなことばかり考えている。

 要は ①良品を作る ②お客様サービスの品質をほんの少しUPさせて行けばいいーのだ。やるべきことが単純に決まっているので私は迷う必要は無い。

 効率UPになる→すぐやる

  〃  にならない→やらない

 最近のヒットは、段ボール製箱会社の方で、製函機のフレキソインキの噴出ノズルが詰まってどんな洗浄液でもインキカスが取れなかった。アイデアマンの機長(39)がシンナー液に1晩浸けておいたら見事にインキカスは溶けて無くなっていた。

 これでノズルは1晩放っとくだけで綺麗になるし、段ボールフレキソ印刷の品質も大幅に向上した。物凄い効率UPである。

 こんなニュースに接すると高齢社長の寿命は粛々と延びる。

高齢社長の仕合わせな日々 21 | 2022年6月24日

賞与、前年より2週早く支給完了

 6/23夏季賞与支給を完了した。払うものはサッサと払ってしまえーの当社方針に則って今年2022から始めた「公務員より1週早く支給する」という新しい会社習慣だ。

 公務員賞与は、夏は6/30、冬は12/10に支給だ。当社はその1週前だから夏は6/23、冬は12/3支給するルールだ。

 翌6/24私の気分はスッキリしたものである。賞与の件は頭から消えた。次の課題に向かっていく。次は社内報発行だ。私がモタモタしていたので編集作業が1週遅れている。

高齢社長の仕合わせな日々 20 | 2022年6月23日

ひつまぶし食べ放題

 6/21夕、名古屋産業人クラブの講演・懇親会がありその晩、名古屋駅前の三井ガーデンホテル名古屋プレミアム(宿泊代=16,000円、朝食代2,350円)に泊まった。

 朝食にひつまぶしコーナーがあり大きな皿に幅7mmに切られた蒲焼が山と積まれていた。感動した。宿泊施設はその土地の名産を食卓に添えるのが気の利いたサービスだ。滋賀県のホテルでは琵琶湖の小鮎の甘露煮が山と出たことがあった。旨かった。

 小丼にご飯を少々、蒲焼を山と盛って小葱を振掛け、だし汁を小丼すれすれまで入れて一気にかっ込んだ。これを3回やってチェックアウトした。外は雨だったが高齢社長は傘も差さずに元気に市内を歩き回った。

 念のため。当ホテルでは朝食だけでもOK。近くの安ホテルに泊まってここで朝食をとるのも手だ。

高齢社長の仕合わせな日々 19 | 2022年6月21日

夏至より冬至の方が未来ある

 2022.6.21 今日は夏至。昼が1番長い日だ。自転車通勤の私にとって朝夕が明るいと助かる。安全に運転できるからだ。しかし、私は夏至より冬至の方が好きだ。「これから日1日と陽が短くなるより、長くなる方が未来があるから」だ。

 人間なんて言うものは未来が描ければなんとかなる。苦境で水とカップラーメンだけでも生きていける。

 高齢社長にとっての未来とは何か。ビジネスモデルだ。

 従来の印刷営業品目では未来はない。①出版印刷 ②カタログ・パンフレットはダメだろう。未来の無い営業品目ならいくらでも思い付く。

 一方、未来ある品目はなかなか出てこない。今まで「パッケージ、カレンダーをやろう」と意気込んだことがあったが売上は何年経っても増えない。「アッセンブル・梱包発送はいいかもしれない」と今進行中だ。ダメ元でやってみるだけでも価値はある。マーケットが必要としている営業品目は何か。青い鳥を探していれば高齢社長は生きていける。

高齢社長の仕合わせな日々 18 | 2022年6月20日

次々に再開される行事

 小旅行好きの私にとって行事が次々に再開されてきて益々生活が充実してきた。例えば聖一国師顕彰会主催の博多祇園山笠視察会7/14-15、サトウキカク主催のうめ吉と行く宮島・尾道の旅10/21-23。白紙の手帳が予定で埋まっていくのは快感だ。

 手帳を埋めていくコツは ①新しい会に入る ②連絡が来た行事にダボハゼのように食いつき参加する―だ。行った先に初対面の人がいる。その人たちと雑談を交わすのが何よりの御馳走なのだ。

 ある会で70代の老婦人が「私はアメリカのLOWスクールを出て、現地米企業の法律担当を長年やってきた。企業だから違法スレスレの所で戦っていかないといけない。弁護士資格などかえって邪魔だ。イタリア人弁護士は「私は資格を持っていない」と言って仕事をしていた。ともかく勝つことに全力を挙げてきた。40年やってきたが充実したビジネス生活だった」と。私はいつしかその婦人を尊敬の目で見ていた。

 こんな話はめったに聞けるものではない。感動のあまり婦人の名前も聞けず、私の名刺を渡すのも忘れてしまった。

高齢社長の仕合わせな日々 17 | 2022年6月17日

自分から動く組織はありがたい

 埼京線の遅れで足立区の段ボール製箱会社に着いたのは8:40。①8:10課長朝会 ②8:20 3S ③8:30日銭朝会の朝の3行事は終わっていた。

 結局私はどの行事にも参加できず昼前に製箱会社を退出した。1つの組織が自らルールを決めて整然と動いているのに何ら口を挟むべきものはない。高齢社長はますます楽になる。

 私は近くのバス停「環7新田」から都バスで池袋駅手前の大正大学前の「掘割」まで行き、巣鴨地蔵通り商店街を北から南に歩いて下った。途中氷イチゴを食べ、巣鴨庚申塚、とげぬき地蔵尊・高岩寺にお参りして巣鴨駅前の中華料理店でワンタンラーメンを食べ、満腹。

 無料で乗れるシルバーパスで内幸町に出て喫茶店で30分。更に有楽町駅前の洋品店で40分。いずれも1人だけの孤独な散歩で帰宅は19:00。

高齢社長の仕合わせな日々 16 | 2022年6月16日

夏はスイカ

 品川区の北品川本通り商店街の八百福でスイカ2個買った。5L熊本産と4L新潟産だ。計6,000円。八百福のお婆さんは近所に住む富裕層の高額な買い物にとても喜んでリンゴ1個おまけにくれた。

 私はスイカを食べないと夏を越せない体質なのだ。スイカの水が五臓六腑にしみ渡ると、清純な水が体の隅々の汚物を洗い流してくれるような気になる。「ひと夏スイカを思いっ切り食べると風邪ひかない」「スイカを食べた健全な体に健全な精神が宿る」。スイカにまつわる言葉はいくらでも出てくる。

 4Lは4日で食べ終わる。

高齢社長の仕合わせな日々 15 | 2022年6月15日

創業70年のベンチャー

 当社(品川区、印刷業)は2022.6.19で創業70年だ。だからと言って記念行事も何もやらない。古い社歴などは「糞食らえ」だ。何の役にも立たない。役員・社員が古い歴史に縛られてしまう弊害の方が大きい。

 2021.9.1「当社はベンチャーである」宣言をした。ベンチャーとは「新しい技術、新しいアイデアを提案し、お客様の期待を超える感動サービスを提供する会社」だ。一例が、見積り提出時にお客様から指示の無い形状見本を自発的に作って持参するといったプラスαの行動だ。

 よく「老舗の会」「100年企業の集まり」、面白い所では「県市指定文化財所有者の会」がある。集まりがあることはとてもいいことだが、私が本腰を入れて加わる気はない。

 むしろ創業して5年未満のベンチャー若者社長の集まりの方が面白い。そこで「会社は6年続かないと信用されないよ」と私は偉そうなことを言っている。若者ベンチャーが丁と出るか、半と出るか。そんなことはどうでもいい。自己責任だ。ただ「自分で会社をやりたい」という意欲は尊敬する。

 ちなみに1948.3.1生まれのもう1社の足立区の段ボール箱製造会社は創業74年だ。

高齢社長の仕合わせな日々 14 | 2022年6月14日

書体(フォント)は大事

 社名、店名などで読めない文字を見かける。フランス料理店で何語だか分からない店名では2度目が行けない。これは商売として初めから×だ。相手に分かってもらいたい社名、店名が崩し文字、デザイナーの作った奇抜な表記で読めないのでは機能を全く果たしていないことになる。

 社名、店名は相手に読めればいいのだ。これでいつも感心するのは家具の「ニトリ」だ。あの店名は私でも読める。

 当社は1950年代に書家に書いてもらった隷書体の文字を後生大事に名刺の社名に70年間使っていた。要領の悪い会社だ。やっと2年前の2020年、フォント貸与会社の㈱モリサワの新ゴRを選んで社名、HPの文字に使い始めた。線がくっきり出て読み易い書体だからだ。

 モリサワには1,500種のフォントがある。全部を使える38,880円×マッキントシュ10台=388,800円をライセンス料として当社は毎年モリサワに払っている。デザイナーは「モリサワを使わないとデザインできない」という。書体の費用は惜しくはない。デザイナー需要のほかに分かりやすい書体は当社が皆さんに分かってもらえるための大事なツールだからだ。

高齢社長の仕合わせな日々 13 | 2022年6月13日

安ベルトは心を引き締める

 赤羽駅北改札口通路で革製品の出張販売をやっていた。爺さん売子が「これは縫いがしっかりしているチドリだよ」「チドリがどうした」「ベルトメーカーじゃブランドだよ。お客さんならロングサイズじゃなくてもいい」と言って胴回り95㎝のズボンの上にベルトを巻き付けて採寸した。丁度いい。

 ベルトは穴あきを使っていたがどうも微妙な調節が効かない。20本すべて廃棄。穴無しスーツベルトに替えている。出張販売品はいかにも安そうな気がする。イメージがいい。5本買った。計6,400円。

 そのうち婆さん売子も加わって「これで首を吊らなくて済んだ。良かった、良かった」「俺はあんたがたの命を助けるためにベルトを買ったんじゃないよ。必要だからだ」。

 見ると2人はすでに次の客に行っていた。

 自分に合ったベルトを持てて「高齢の俺はますます快調になる」と思った。

高齢社長の仕合わせな日々 12 | 2022年6月10日

店員に馴(な)れ馴(な)れしくされると嬉しい

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 6/9 昼食に自転車で五反田に行き朝鮮焼肉屋に入った。元は老舗フグ料理屋で焼肉屋が居抜きで営業している。初めて入って中の広さに驚いた。1,000円のホルモンビビンバランチを食べた。味は大したことない。

 暇らしく40ぐらいの男の店員がしきりに私にまとわりついてくる。「どちらからですか」「会社は西品川1丁目だよ」「ご自宅は」「高輪だよ」。高輪と聞いて少し(ひる)んだ。「この店は間借りしているのか」「イヤ、使わせてもらっている」「間借りと同じことだ。間借りと言われるのがイヤか」「そんなことない」。

 支払い後、店の前に止めておいた私の自転車に来て「さすがドイツ製ですね」「中国製だよ」「乗っている人を見れば高価車に見える」「うるせーな。放っておいてくれ」。

 私はニヤニヤしながら焼肉屋を離れた。

高齢社長の仕合わせな日々 11 | 2022年6月9日

借金の心の負担は金利より元金返済

 ゼロゼロ(無利子・無担保=限度6,000万円)融資の返済が2022年6月から本格化するという。金利が1%以下の現在、利子支払いの負担は軽減されている。問題は元金返済だ。

 6,000万円借りて5年返済とすると、月の元金返済は6,000万円÷5年÷12か月=100万円となる。これが津波のように毎月やってくる。高齢社長にとって元金返済がボディブロウのように効いてくる。辛い。

 高額元金返済から逃れる方法はただ1つ。借りないことだ。高齢社長が仕合わせに過ごす方法は旧いものを使い続けることだ。

 当社の平べったい小さな5階建てビルは40年前、築20年の中古物件を買ったものだ。修理・修理で使っているが不便はない。大事な印刷機3台は15年前に買ったものだ。自主保全を毎週機長がやってくれているからいずれも高品質の印刷物を生産している。

高齢社長の仕合わせな日々 10 | 2022年6月9日

同業者との雑談に目輝かす

 6/7 印刷機械メーカー主催のゴルフ会(参加20社)に出た。指折り数えて楽しみにしていた会だ。目当ては同業の印刷業者と雑談することだ。

 雑談の手法は

①自分の悪い情報を話す。例えば「売上が3%下がった」「営業求人を出しているが応募がない」。「転ぶことが多くなった。階段では必ず手摺りに掴まっている」。すべて事実だ。

②相手の会社・自宅住所、主な営業品目、基幹設備など聞く。これは自分のことを開示してからの質問だ。根掘り葉掘り聞くので嫌がられることもあるが、ポイントは深く追及しないことだ。

 多くの人は正直に応えてくれる。これがまた私の快感なのだ。

高齢社長の仕合わせな日々 9 | 2022年6月6日

罰金を隠そうとする報奨担当

 当社21人の営業部員のうち3人が下期(2021.11.21-2022.5.20)お客様新規獲得ゼロだった。規定通り半期新規ゼロ罰金1万円を払うことになる。

 ところが報奨金集計表に罰金の項がない。報奨担当は「表には載せなかったが、給料から1万円は差し引く」と言っている。これはいけません。賞を明示しているので罰も明らかにしなければいけない。「信賞必罰」と「開示」は企業が大事にしなければいけない原理原則だ。企業集計の公明正大さはスポーツの世界の単純明快さと同質のものだ。

 ちなみに5月の営業・工場の報奨金総額は803,655円、罰金は30,000円だった。報奨金の集計表に計30,000円の罰金の項を入れて報奨担当は全社員にメール再配信した。

高齢社長の仕合わせな日々 8 | 2022年6月3日

背骨を真っ直ぐ立てろ

 高齢者同世代が「目が痛い」だの「ケツが痛い」だのうるさい。すべての原因は姿勢が悪いからだ。背骨を真っ直ぐ立てて正面を向いて歩いていれば問題は発生しない―と私は思っている。

 それでも私自身は、顎が出て、前かがみになり、肩も一方が下がったままみっともなく歩いていることが多い。矯正はショーウインドウだ。正面・側面を映して姿勢を正すようにしている。簡単に言えば踏ん反り返っていれば合格だ。他から見れば「横柄な態度」かもしれないが自分の健康の方が大事だ。

 姿勢の悪い人を見ると ①背骨を立てろ ②踏ん反り返れ―という。「大きなお世話」という顔をされるが、本人のためだ。私は使命感を持って忠告している。

 当社検査担当の男社員(58)の姿勢が悪かった。私は横に立って「こういうふうに立って頂戴」と余計なお世話を繰り返した。2年後男社員の姿勢は見事に良くなった。「これで彼の寿命は20年延びた」と思った。

高齢社長の仕合わせな日々 7 | 2022年6月2日

補助金を申請しない

 ここ10年ほど補助金の申請をしていない。コロナ関連補助金もである。

 理由は①リピート入金になるわけではないので申請する意欲が湧かない。②もらっちゃうと気の緩みができそうで怖い―ためだ。

 数千万円の補助金を何回も取っている印刷会社社長が私に教授してくれた。「アノナー、申請書には写真と表を沢山入れて担当者さんが分かりやすくしないといけないよ」。誠に貴重な意見として拝聴はした。

 しかし私には生産設備を買い替えたいという意欲がまるでない。74歳と高齢なせいもある。「新しい機械を買うより、その機械の機長が自主保全の技術を磨いてもらった方がよっぽどありがたい」と思っている。その方がリピート利益になるからだ。

高齢社長の仕合わせな日々 6 | 2022年6月1日

生き延びるコツは蒸かしニンジン

 何故だか蒸かしたニンジンを食べると五体が順調に動く気になる。

 品川区の調査によると「区民の90%が野菜不足。1日の目標摂取量350g食べているのは2.8%」という。

 年を取ったら「野菜だけ食べていれば、何とか生き延びられる」と信じ込んでいるのだが、なかなか量は増えない。とくに1番大事と言われている葉っぱの量が増えない。そこで「ニンジンなら食べ続けられそうだ」と方向修正したわけだ。

 一方、最近ホルモン焼きをしきりに食べるようになった。良薬(ニンジン)を飲んで毒薬(ホルモン)をあおっているようなものだ。

高齢社長の仕合わせな日々 5 | 2022年5月31日

賞与支給日は公務員の1週前

 「払うものはサッサと払ってしまえ」の当社の考え通り今夏の賞与から支給日は公務員の1週前と決めた。夏が6/23、冬が12/3だ。

 賞与支給日は国家公務員が6/30、12/10と決められており、地方公務員はそれに準じている。

 当社の賞与はただ早いだけで額は他社に自慢できるものではない。今回からの支給日繰り上げはただの思い付きだが、経験として「払うものはサッサと払ってしまえ」をやっているとかなり効率UPになる。

 当社の仕入先・外注さんへの支払いは20日締め(10日後の)翌月1日の銀行振り込みをやっている。支払いは終わってしまえば私たちの頭から宿題は消える。次のことに神経が行く。サイト短縮でどれだけ効率UPになっているか。その恩恵を私たちはしみじみと感じている。

高齢社長の仕合わせな日々 4 | 2022年5月30日

2.5万円の社用自転車買う

 旧いボロボロの社用自転車で昼食に出かけた。空気が入っていない、ペダルが重いで前に進まない。品川区百反坂上の堀江サイクルで新車を買った。特別の機能の付いていない1番軽い普通車だ。

 五反田駅前でホルモン焼き定食850円を食べた帰りは快適だった。

 「自転車を買った」ことを言うと社内は喜びの表情に変わった。社員は新車を待ち望んでいたようだ。

 「誰かさんが買ってくれる」のを待っているような会社はダメだ。「必要だ」と思った社員が買って来ればいい。課長は10万円までの即時決裁権を持っている。

高齢社長の仕合わせな日々 2 | 2022年3月29日

私について

「仕合わせに生活する」といってもボヤボヤしていたら奈落の底に落ちちゃう。
そこには持って生まれた自己防衛性癖が有る。

1、酒に弱い

 2006年88で死んだ父親が酒がダメだった。週に2回は銀座の安クラブ・バーに通っていた。「よくもマメに行くものだ」と感心していたがウイスキーの水割りを舐めるだけ。
 酒が合わない体質が遺伝し私に恩恵をもたらした。酒を飲もうと思わないのだ。無理に飲むと情緒不安定になり、さらに進むと自己嫌悪になる。これが辛い。飲まないと心身ともに健全でいられる。私には禁酒、断酒という言葉は必要ない。

2、ケチなこと

 お金をチマチマ遣うと気持ちが安定する。2021年96で死んだ母親が一旦握った金は決して手放さなかった。かと言って贅沢する気もない。一緒に食事をしても母がカネを払うことはなかった。
 私が「倒産もせず印刷業2代目として44年間社長をやって来れたのは自分がケチなせいだ」と本気で思っている。
 10年前に業界の旅行でソウルのロッテホテルに2泊した。全然楽しくなかった。日本人の団体ツアーが「ロッテホテルに泊まる旅」の旗を先頭に集団で移動していた。「馬鹿じゃなかろか」と思った。同行の製造業者が帰国した後「もう1泊」と漢江を地下鉄で渡り小さな町の安ホテルに泊まった。目の前のスーパーでパンと牛乳を買って部屋で食べた時は沸々と仕合わせ感に満たされた。

高齢社長の仕合わせな日々 1 | 2022年3月15日

ブログ開設のきっかけ

私は東京都葛飾区亀有で1948.1.7生まれた。
現在74歳。

 品川区で印刷業、足立区で段ボール箱を作っている。
2社とも小さな会社だけれど私自身は経営することで毎日愉快に生活している。

 その仕合わせな日々を2週に1回ブログに載せることにした。